地主共和商会

 (三重県多気郡)


 

 

 私が地主共和商会に入社した頃、当社は飼料の問屋で、ほんの少しだけスーパー用の白たまごを販売していました。それからまもなく「平飼いで飼育した有精卵が欲しい」と自然食品店等からの要望があり、失敗してもともとと、3000羽飼育してみることになったのです。

仲井さん

 当初はかなり原始的で、エサは出来合いの配合飼料ではないものを自分たちで作り、他の仕事の傍ら夕方から養鶏を始めるので夜遅くまでかかってエサやりをしていました。平飼いというのは大変難しく、鶏同士のケンカが多くてお尻を真っ赤にしている鶏に薬を塗り、蚊取り線香をつけて蚊から守り、タライに飲み水用の水を入れたり、鶏の習性で巣箱の中で産むはずのたまごも巣箱の外で産まれることがあったり、一方、販売の方も最初は難しく全て売り切るまでには時間もかかりました。
 そのうち自然食ブームが少しずつ拡がり、スーパー以外の販売が大半を占めるようになりました。産みたてを自分で販売するというのは当たり前のようですが、当時は他の養鶏場ではそのようなことは少なかったように思います。今思えば、飼料の問屋であったことが大きなメリットで、安くて質の高い飼料を使え、できたたまごも自分で営業できて、どこよりも6次産業化が早かったといえます。
 気持ちよく飛び回り、とても生き生きと育った鶏の有精卵を味わってみてください。

(地主共和商会 仲井 幹郎)

 

のびのびと運動できる平飼いの開放的な鶏舎でメス100羽に対し5羽以上のオスを配置 できるだけ鶏本来の自然に近い状態で飼育しています。

 

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