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北の国の霊峰・月山の大地から
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![]() からし漬けに使うからし菜刈り |
私たちは1977年より、山形県の月山山麓で、大型の有機農業実験農場としてスタートしました。月山というのは出羽三山の一つで日本新名山100に属し、さまざまな花や高山植物などが豊富な標高1984mの火山です。夏でもスキーができるくらいの降雪があり、その麓の土地も5ヶ月間は雪に埋もれ土もやせていますが、きれいな空気や水に恵まれ、そこで育つ作物は平地で育てるよりはるかに濃くおいしい味になります。
この地で私たちは、できるだけ少ない資材(堆肥や肥料など)で持続的に食べ物を生産できる「低投入持続型農法」の確立を目指して、輪作体系と資材の循環を基本に作物を育てています。具体的には、土作りのための有機質資材(堆肥、米ぬか、ぼかし、おがくずなど)を投入し、6年かけて畑をローテーションさせる輪作(1年目は赤かぶ、2年目はひまわり:緑肥、3年目はだだちゃ豆や青大豆、4年目はねぎ、5年目はにんじん、6年目は麦)をします。輪作することで、連作障害による病気や害虫被害などを減らし、積極的に緑肥(麦・ひまわりなど)を取り入れることができ、植物が土中の栄養を効率よく摂取できるようになっています。
![]() だだちゃ豆の収穫 |
私たちは、これら輪作体系によって育てられた自社農産物と提携農家の野菜を使って、お漬物などの加工品作りを行っています。これら加工品はもちろん無添加・無着色。遺伝子組み換え作物に由来する原料も一切使っていません。保存料を使用せず低塩のやさしい味付けにすることで、野菜本来の味が十分感じられるお漬物です。
漬物は野菜の少ない冬場の保存食として発展してきた優れた伝統的食文化です。月山パイロットファームは漬物を通して、昔から種を守りつないできた地域の伝統野菜、在来野菜(赤かぶ、民田なす、和からし、だだちゃ豆など)を現代の食卓をつないでいく役割も担っています。食べ物を作る中で環境を汚染したりすることのないよう、そして、土の中のたくさんの生物と共存しながら楽しく農業ができるよう、これからますます頑張っていこうと思っています。
(月山パイロットファーム 相馬大)
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