関西よつ葉連絡会ニュース
2010年7月号(NO.14)

身近な海のことをもっと考えていきたい
よつば水産

▲淀川河口でシジミ漁体験をするよつばの職員。いろいろな意味で新鮮でした

 身近な海を考えようと大阪湾の魚介類の取り扱いを本格的に始めることにしました。東京湾での様々な取り組みをしている人たちの活動に触発されたのが最初でしたが、目の前にある海を考えずになんのためのよつば水産ぞ!という内部からの厳しい批判指摘もあり、取り扱っていく上での考え方、進め方などを勉強・整理してきました。
 なにせ、仲間内でさえ、大阪湾に対して「漁場」としてのイメージは無きに等しい。沿岸部は工業地帯が乱立、湾のど真ん中には空港、湾に流れる河川は工業廃水、家庭からの生活廃水とイメージを悪くさせる事象に事欠かない。もちろん、廃水がそのまま垂れ流されているわけではないが....。そんなわけで、取り組みを始めるまでに時間が必要であったが、いざ本気で取り組もうと動き出すと、面白いもので、大阪府の漁業関係者の人たちとの様々な出会いが生まれ、関係が広がり、課題も良く見えてくる、といった具合に事は進みだしている。
 今年の春の交流会での海を考えるシンポジウム、職員を対象にした大阪湾を再認識する講演会、そして淀川河口でのシジミ漁体験を関係者の協力を得て実施しながら、大阪湾での漁業の現状、環境への取り組みなどの現状認識を新たにしつつあります。そして、手始めに淀川のシジミを会員向けに紹介することから始めました。
 一昔前、大阪湾は実に豊かな漁場であったこと。その豊かさは都市化、工業化が進んだ社会においても、まだ完全に失われたわけではなく、漁業を営む人も激減しているものの、まだまだ多くの人が漁業に携わっている。
 農業同様、水産業も問題の根は同じ。身の回りの豊かな食の環境を壊して意に介さず、他所から外国であろうがどこであろうが必要なものをもってくればよい、というのではあまりに愚かな話である。
 今後は身近な海を考え、人々の生活の中に感じてもらうための取り組みを、様々な企画、環境への取り組み提案など、すでに始まっている一部の市民の動きにも合流しながら、大阪湾の季節の魚介類を取り扱っていく予定です。(松本和巳)