広島県世羅町から兵庫県丹波市に農場を移転し、2度目の麦の収穫が迫っています。正確には3度目なのですが、初年度は、準備不足で圃場の条件が悪く、栽培を見送りました。2年目の栽培では、大麦、小麦ともに順調に栽培、そして収穫を行うことができました。3度目の今回も、今のところは順調に育っています。これまで、主力で栽培してきた大麦を極端に減らし、小麦の栽培を増やしました。経営者として、質と量が気になるのですが、農業者としては、収穫前の大麦畑の美しさを毎日見るのは、何物にも代えがたい喜びです。また、70歳代以上の集落の方々は、なつかしく、この村で、麦畑をもう一度見ることができるとは、思いもよらなかった。ありがとう。と喜んでくれます。かつて、麦踏みと収穫の時期は学校が休みとなり、家族みんなで作業をし、つらく大変だった、とも言われていましたが、その話しぶりは楽しそうに感じられました。
昨年末から、集落の次世代、約20名で構成されている「三気の会」に入会しました。集落の農地と農業を担う会です。草刈りと、米作り全般から販売までを行っています。この会で能勢農場への販売用の牧草をまず今年は、50a栽培することになりました。お米しか作ったことがないと自らがいわれる次世代方々が、今後のお米作りへの継続の不安や、農地を管理と保全する試みの一つです。能勢農場と世羅協同農場とで積極的に協力し、この試験栽培が、単に牧草作りではなく、今後の農地の有効活用の選択肢となる会の運営に関わっていこうと思います。これから6月になれば、牧草、大豆の種まき、玉ねぎ、じゃがいもの収穫を迎えます。毎日充実すぎる日々です。大豆は今年こそ、10t以上の出荷を目指します。準備も着々と進んでいます。ただ、雑草はそれをしのぐ勢いで毎日成長を続けています。耕作面積は9haを超えました。毎日刈っても追いつかなくなりつつありますが、夫婦2人で頑張っています。草刈り機(刈払機)の講習会も行いますので、興味ある方は、草刈りに来てください。
(世羅協同農場 近藤 亘)
この春は落ち着かない毎日を過ごした。12月に北摂協同農場の一員になってから数か月、何をやるにも初めてのことだらけ。それに暖かくなり草木も野菜も芽吹いて来た頃、急に別次元にいそがしくなってきたのだ。でも落ち着かない主原因はそれじゃない。何と言っても人生初の田植えが待ち構えていたから、わぉ。田植え機どう乗るの? 畦塗り、代掻きどうするの?? これまで北摂で田植えを担ってきた山ちゃんがこの春卒業したので、現場で手取り足取り教われる人はいない。今年は、4月に入社した寺本君と私が二人で田植えをすることになった。
畑を耕して水を張る、水が駄々漏れ。モグラが縦横無尽に穴を掘っていたため。何度も何度も穴を埋めて少しましになった所で水を入れなおし。今度は最適の高さまで水を張るのが難しい。多すぎた所で水を抜いていると、近所の農家さんが「水と一緒に大切な土も流れてしまうんだよ」と教えてくださる。昔から長い時間と労力をかけてこの土地にとどまっている土ということ。トラクターに平らな板の部品をはめて代掻き開始。何度やってもなかなか平らにならない。周りのおっちゃんたちの田んぼはピカピカの鏡のようなのに、なんでだ。聞くと「これは30年、40年と繰り返したから」とのこと。焦らず今年できることを大事に、との気持ちになる。数日後、田んぼの水も温まって、いよいよ田植えの日。不安定な田植え機で恐る恐る田んぼに乗り入れると、たくさんのカエルの卵が産みつけられていた。あぁ、踏まずに通れない…。手ですくって隅によけるけど埒があかない。ゴメン…。農作業をしていると、農業って自然にとってどうなんだ?と思うことがある。負荷をかけ、傷めつけていることも多いかもしれない。ただ、一日中自然の中で過ごしているので自然の変化に敏感になるし、謙虚にもなれる気がする。いい仕事だなぁ、と思う。
私はよつ葉の「一年一作」というお米になるキヌヒカリの田んぼを二枚植えた。終わってみれば、近所のおっちゃんたちが入れ替わり立ち替わり指導してくださっていた。一枚目はビックリするくらいクネクネ曲がって植わってしまったけど、二枚目は、ちょっとは上手くできたかな。もっと経験したいけど今年はこれで田植えは終わり。それからというもの、能勢中の田んぼが気になって仕方がない。おっちゃんたちの芸術品のような美しい田んぼ! 私の一枚目は、間違いなく能勢で一番クネクネしていると思う。能勢に来ることがあったら、見つけてみてください。
(北摂協同農場 柳本 純枝)
田んぼで補植をしている柳本
読者の皆さんはじめまして、今年4月より北摂協同農場で野菜栽培に励む、一農民の鳥越秀友(とりごえ ひでとも)です。写真の雰囲気からすると強面の怪しい感じの人ですが、そう感じた読者はこれからも自分の感性を勝手に大切にしてください。
と言いつつも、前職は学校の先生をやっておりまして、科目は「情報」をメインで教えていました。(「情報」を知らない人はたぶん30をこえていると…)
職業は意外でしょうか? 学校で野菜づくりに触れて、田舎暮らしと悠々自適な生活にあこがれて能勢にやってきた暢気な野郎です。よろしくお願い致します。
ところで、普通は授業で子どもたちに教える事と、野菜の栽培とではずいぶんと違うと考えますよね? 私自身も基本的にはそう思います。
意外ですが、子どもたちのほうがわかりやすくて、声のトーンや顔の表情、動き、トークの調子など感じて、じっくり話してみると答えてくれるので対応が可能だったりもします。
だって野菜はしゃべらないし、顔もないし、動かないし、だいたい緑色だし、って分かりにくいなぁ~と思いませんか? 気付いたら、大変なことになっていますよね???
だけど、毎朝生徒を見るように、毎日毎日、何とはなしに見ていると何かが違います。知識と経験がなくて具体的には分かりませんが、それらは野菜からの何かのサインだと思います。繰り返していると、水をあげる間隔や、追肥のタイミングが見えてきます。
そういったものを一つでも多く見つけ、野菜生育の一助になれるよう、学んで成長できたらいいなと思います。そういった意味では、先生も農民も全く同じだなって感じませんか?
今年は、天王でトマト栽培を担当します。おいしいトマトがつくれるように頑張りますので、ご意見、ご感想がございましたらどしどしお待ちしております。
あ、でも優しい感じのお言葉でお願いしますね。いつもほかの農家さんもドキドキしているみたいですから。では、今後ともよろしく。
(北摂協同農場 鳥越 秀友)
(北摂協同農場 寺本 晴紀)
(能勢農場 田尻 湧希)
夏野菜の定植を終えホット一息ついています。小さなハウスで作っていた苗が全て畑に定植され、ハウスの苗が空っぽになりました。
去年の野菜づくりは、長雨、日照り続き、台風等で自然条件が厳し過ぎて満足に収穫をあげることができませんでした。今年は今までのところ気候は順調に推移しております。ここ10日ほど、日照りが続き水やりをしていましたが、きのうの雨で苗達も復活してくれました。恵みの雨となりました。今の時期、苗は根を張ろうと必死に頑張っています。この時期に根を張れなければ、夏の暑さに耐えられず早枯れするか病気になって終わってしまいます。今の時期が本当に大切で適当な雨と適当な日照り、温度が必要となります。
今年は、無人販売所のお客さんや直接、野菜を届けているグループに喜んでもらえるような野菜に力を入れようと思っています。野菜は、主によつ葉の会員さん向けにつくっていますが、少しづつ私と直接つながって買ってくれるお客さんが増えてきましたので、その人たちに合わせるような野菜づくりも多くなってきました。私の畑に入って採ってもらおうと去年から植え付けをはじめたイチゴ、サツマ芋、福島原発事故を忘れないために植えはじめた飯館村のカボチャ、やはり夏野菜の王者である大玉トマトの数を増やしたりしました。
毎年、私の農業はいろんな人たちに出会って、農業の取り組み方をこんな風にしようかといろいろ考えますので、毎年少しずつ変わっていってます。
今年、北摂協同農場に若い新人が2名入ってきました。農業の厳しさや楽しさを伝えたいと思います。若い農業希望者を見るとついつい説教ぽく語ってしまうので、距離をとりながら聞かれたことには、丁ねいに答えようと思っています。農業から学ぶことは、いっぱいあります。あせらず自分らしくやってもらいたいと思っています。
(ハッピー農園 伊藤 行裕)
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