(しまなみ耕作会 能勢賢太郎)
拝啓
立秋を過ぎても暦上のことと言わんばかりに居座る暑さですが、皆様お障りなくお過ごしでしょうか。今年の7月に話題になった、豚熱症の農場内外の感染予防について紹介したいと思います。
豚熱とは、強い感染力と高い致死率が特徴の豚とイノシシの病気です。
仮に感染した豚肉等を食べても人間には感染しません。もとより感染した豚肉等が市場に出回る事はありません(発症した農場の豚は、原則全頭屠殺処分となっています)。
最初に豚熱の症例報告が発表されたのが、2018年9月でした(国内では26年振りでした)。
農場において家畜飼養衛生管理の観点から病気を予防するための「拡げない・持ち出さない・持ち込まない」を守るために以下のことを行いました。
農場外では、野生動物等が農場の敷地内に侵入するのを防ぐため電気柵と防護柵を設置しました。豚舎壁には小動物の害鳥が侵入しないように防鳥ネットを張りました。
外部との行き来があるゲートには消石灰を播き、靴やタイヤの消毒をしています。
外部の来客には、全身の防護服を着て頂き、農場専用の長靴・手袋・マスクを着用していただいています。(奈良県では、野生イノシシに経口ワクチンの野外散布も実施しており、効果も出ています。)
農場内では、飼育豚全頭に豚熱ワクチンを接種しております。
肥育豚は、生後40〜60日齢の間に一度接種します。その後約6ヶ月間免疫抗体が持続しています。繁殖豚は生後40〜60日齢は一緒でその後接種日から6ヶ月にもう一度接種します。それ以降は年に1回の接種になります。
年間2回、飼育豚をステージごとに採血し、豚熱の動向を追跡調査します。抗体が高くない豚には追加接種も行います。このように農場での豚熱の発生を防ぐ取り組みを行っております。
最後に健康な豚を生産することが、生産者としての責任と義務であることを認識していきたいと思っております。
これからも会員の皆様に安心・安全な豚肉を提供できる様に従業員一同努力していきたいと思います。
敬具
(オクグチファーム 水川 緑紗)
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