創意工夫で今を乗り切る!!
今年の秋も米農家さんに残して頂いた稲わらの回収に取り組んでいます。
9月の稲刈り前後に雨が多くコシヒカリを中心とした早生は能勢だけでなく篠山や丹波でもそうでしたが倒伏している田んぼが多く見られ、コンバインでの稲刈りは苦労されたのではないかと思います。そのような状況で稲わらを残していただいたとしても、回収作業時に機械で田んぼに溝を作ってしまう恐れがあり、せっかく田植え前に代掻きで田んぼのなかを高低差のないようにしているところを台無しにして、迷惑をおかけすることになるので残さないようにお願いしました。もちろん、牛糞堆肥は入れさせていただきます。9月も中頃を過ぎると晴れる日が続きそうなので今度は残していただき、11月13日現在もあと少しですが回収作業継続中です。
お米の出来のほうは検査でも全体的に1等が多く、カメムシの被害や高温障害なども少なく、収量も多くなったようです。そのおかげか1枚の田んぼでとれる稲わらの本数もいつもより多く取れています。
思えば農家さんにとっては非常に大変な事態を迎えているのではないかと思います。原油の高騰や円安、ロシアによるウクライナ侵攻などにより農業資材や肥料が高騰し、生産に関わるすべての物が値上がりしており、そのような状況が良くなる兆しも見えない中、お米の出来が良かったのはせめてもの救いではないでしょうか。能勢農場も農業生産という括りのなかから言えば同じで、エサ代の高騰は昨年より続いており、年に何回もエサ代が上がるなどは過去にありませんでした。そういったこともあり稲わらの回収にはいつもと違うやり方をしてみました。少しでもいい状態で回収できるように残っている田んぼにあるワラの反転を優先的に行い、良く乾いたのを見計らって一気にロール巻をしたところ、泥の付いているワラはほとんどなく、いい状態の稲わらが確保できています。前半に回収できなかった割にはこのままいくと昨年とほぼ同じ量の稲わらを回収できるとおもいます。まだ、堆肥散布も残っているので最後まで気を抜かず頑張っていきます。
(能勢農場 道下 慎一)

今更ながら思う事
今年も稲わら回収の季節がやってきました!堆肥散布(稲わらを回収させてもらった後に能勢農場の牛堆肥を田に散布させてもらっています。)に関しては、例年よりも少し多い圃場にまかせていただく予定になっています。1年間でる牛堆肥(約1000トン)の6割位を9月から12月にかけて散布させてもらうことになりますが、天候、機械の不具合、こちらの力不足などなどでスムーズに進めていけないのが現状です。そこに関してはせっかくわらを残してくれた農家さんに迷惑がかからないように色々工夫し、頑張るしかないのですが…
そんな不甲斐ない状態でも毎年まかせてくれる方、必ずお礼を言ってくれる方、何よりも「また来年もよろしく!」と言ってくれる方、様々な人達に支えてもらっている事、たくさんの事にこの場を借りてありがとうございます。これからもよろしくお願いします。と言わせてもらいます!(今年の分がまだ終わって無いのに、すみません…。)
わら回収、堆肥散布の事を文章にしているとこの事業があらためて、個人や1つの会社では成り立つわけもなく地域の農家さんや様々な人達との協力や理解の上に立っています。「畜産と農業の連携」、「地域内循環」と言葉にすれば聞こえが良く簡単に聞こえますが、お互いに歩み寄ったり、協力し合うまですごく長い時間と労力がかかると思います。この事業がスタートするずっと前から少しずつ前に進み、時には後退しそんなことを繰り返しながら作ってきた地域との関係の象徴のようなものではないかと思います。機械も大型化し作業のやり方は前とは変わってきてはいるけれど、中身は前と変わっていないはずです。
能勢農場の牛堆肥が能勢の美味しいお米を作る事のほんの数パーセントでもプラスになれているのであれば、これ以上に嬉しい事はなく、今日もご飯をおかわりしたくなります(笑)。
堆肥をただ散布するだけではある意味終わらない事。大変でもあり、楽しくもあります。
(能勢農場 杉田 敦)