収穫の秋
今年から米の検査員として能勢の米検査に参加しました。しかし自分は米を一度も作ったことがなく、もちろん勉強はしているが、米を作り続けてきた農家には知識も経験も到底及ばず、この説明で果たして等級に納得してもらえているのだろうかと不安のまま今年の検査を終えました。
米の検査は実際に米を見ながら国の定めた基準に沿って1〜3等、規格外と等級をつけていきます。よつ葉では検査の際は等級にかかわらず米の状態やなぜその等級になるのか、来年に向けて改善点なども一緒に伝えています。
検査で等級が下がる原因は様々で虫害や発芽などがあり、米は綺麗なのにモミの混入割合が多く等級が下がることもあります。
異常気象に始まり、全国的な米の消費量の低下とそれにともなう政府の政策と、日本の米作りに対する風当たりは年々厳しくなっています。この状況で米を作り続けるには、米を買い続けてくれる会員さんの存在が大きく、よつ葉の米作りは会員さんに支えてもらっていると思います。
検査員として私ができるのは米の等級を決めて、次回の改善策を提案することですが、よつ葉の職員として、よつ葉を信頼して買い続けてくれる会員さんの期待に応えたい!「自分たちが作った米を選んで買ってくれている人がいて、その人達のためにもっといいものを作ろう」農家さんにそう思ってもらえるように働きかけていきたい。生産者と消費者、二者の橋渡しを担う重要な役割であり、改めて自分の仕事の大切さを実感した。
(よつば農産 柴田 武瑠)
昨年から米作りを始めまして今年からよつばさんに出荷しています。機械が高価でなかなか手が出せずにいた米作りですが、昨年清水の舞台から飛び降りて中古の田植え機、コンバイン、乾燥機、籾摺り機、計量機をそろえてなんとかスタートしました。栽培は研修先で一通り経験させてもらっていたので自信はあったのですが、自分でやってみるとわからないことばかり。そんなとき頼りになるのが近所のおっさん、なんでも教えてくれます。ほんとはすごい田舎のおっさん!
一番気を遣うのが水の管理です。周りの田んぼにもちゃんと水が入っているか確認しながら、全部取ってしまわないように少しずつ自分の田んぼに水を当てます。今年一番しんどかったのがホソバヒメミソハギという雑草がはびこってすべて手で引いたことです。3日かかりました。
そんなこんな苦労して育てたお米、ありがたいことに一等米の評価をいただきました。ビギナーズラック。来年も頑張って米作るぞ!
(能勢町 農家 吉村 次郎)
よつ葉の会員さんに収穫の楽しみを味わっていただきたいと北摂協同農場が「芋ほり」をイベントとして呼びかけて、今年で12年くらいは経つでしょうか?思ったほど会員さんが来られず自分たちで一杯掘り上げたこと、たくさんの応募で抽選になったこと、掘っても掘っても小さいサツマイモしかなかったことも、いろんな出来事がたくさんありました。今年は豊作で大きいお芋がたくさん獲れました。約100組、300名を超える参加を頂きました。
芋ほりの参加者はリピーターが多く、お母さんの腕に抱かれていたお子さんがバッタやカエルを追いかけ畑を走り回るまでに大きくなって、毎年お会いするのが楽しみです。「去年のさつまいもは今年の2月まで保存できたのよ!」「おばあちゃんが毎年、さつま芋のお土産を楽しみに待ってくれているから、今年も20㎏は最低でも持って帰るわ!」など、常連さんとの会話や一緒に来られるお子さんたちの成長も私たちの楽しみになっています。
「スコップなどなるべく使わず手で掘ってみて!」と呼び掛けています。半分ほど芋が顔を出したら両手でユッサ、ユッサと前後に揺らし揺れが大きくなったところで引き揚げると「スポン‼」と土から抜ける快感。思わず「掘ったぞ〜‼」と皆叫びます。芋ほりは子供だけでなく大人も楽しいイベントになっています。大人だけの参加者も多くあります。
まだ未体験の方は、是非来年お越しください。秋空の下、みんなが楽しめる能勢での「芋ほり」です。
(北摂協同農場 安原 貴美代)
子どもたちと2年ぶりの芋堀りでした。当日は、半袖でもいいくらいの秋晴れで芋堀り日和で助かりました。畑までの道のりが子どもの足では遠く感じ、疲れも出ていましたが、畑に着くと大はしゃぎ。「早く早く」と、急いで軍手をはめ、スタッフの方に掘り方を丁寧に教えてもらい、いざ芋探しが始まりました。2年前は、私がほとんど掘り返し2㎏ほどのお芋を持って帰ることができました。今年もそんなものかと思っていたら大間違い! 掘るわ掘るわ…。子どもたちは黙々と土を掘り、ゴロゴロ芋を取り出します。なんと! 10㎏ほど堀り出してしまいました(予算オーバーです…)。子どもの成長を財布とともに感じられた一日でした。貴重な体験をさせていただいてありがとうございました。次回は、段ボール持参と財布をぱんぱんにしていきたいです。「お芋はちゃんと保存してあげれば1年持つよ」と聞きました。でも、食欲の秋に負け、今では毎日お芋が食卓に上がっています。我が家では、シチューが大人気です。
(よつ葉会員 三浦 藍子)
新連載 「モンゴルの風」③
私の生まれたモンゴルは、社会主義の時代、ベトナムと兄弟関係にありました。ベトナム戦争では、モンゴルからベトナムに軍馬や食用の羊、カンパを送って支援しました。だから、その時に使われた枯葉剤とそれによって被害を受けたベトナムの子どもたちのことは、アメリカに対する強い怒りとともに覚えています。
こういう経験があるので、除草剤には抵抗があります。今年初めて取り組んだ米作りにも、除草剤は一度も使いませんでした。丸い葉っぱの雑草が稲より大きな顔した田んぼで、根っこから雑草を引き抜く時、踏ん張れば踏ん張るほど足がはまり、仕事にならない時間ばかり過ぎました。「除草剤なしには農業はやれん」という農家の言葉にも確かにそうだと納得しました。雑草に養分を取られて収量が落ちるという話も、本当だと思いました。
しかし、刈り取って、脱穀して、精米した時、私は白い米粒を手に取り、誇りに思えました。「除草剤なしでも、米は取れる」この自信を大切にして、2023年の農業の段取りをしていきたいと思います。
(北摂協同農場 エンフ ジャルガル)
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