よつ葉地場野菜の生産者であり、「よつ葉野菜づくり教室」の講師でもお馴染みの成田さん、今堀さん。能勢町のこれからの農業を引っ張っていくであろうお2 人が、農場だより初登場です!
「とますく」始まります!!
トマト栽培の全作業を共に
夏の人気野菜の一つ“トマト”
トマトと聞くと、あの形、あの色を想像しますよね。しかし、一口にトマトと言っても、ミニトマト、中玉トマト、大玉トマトなど、大きさもいろいろあります。近年では品種改良が進み、赤色だけではなく、黄色や黒色や緑色のトマトなどもあり、味だけではなく見た目でも楽しむ事が出来ます。世界では1万種類以上と言われ、日本で品種登録されているものだけでも300種類を超えるそうです。
老若男女の垣根を越えて親しまれているトマト。ではトマトがどのような成長過程を経て、皆さんの食卓に並ぶあの真っ赤なトマトになっているのかご存じでしょうか?もちろん、私も農家になる前は全く知りませんでした。実はトマトは大根や人参のように土の中に埋まっています…嘘です笑。流石に“そんな馬鹿!”と思われた方も、実際に畑でどのようにトマトが育っているのかご存じない方もいるかと思います。
成田ふぁーむでは今年から“とますく”というプロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトは、トマトの播種から収穫までの過程を全て体験してもらいます。トマトの種はとても小さなモノです。この小さな種を2月に蒔いて収穫終了するのがお盆過ぎ。播種、鉢上げ、定植、誘引、芽かき、摘果、潅水、摘芯、防虫対策、獣害対策、温度管理。農家はトマトがすくすく育つように毎年毎年工夫を重ねていきます。トマトは他の野菜と比べて農家ごとに味の違いが出やすく、消費者の方もトマトに対しての嗜好が様々です。最近ではフルーツトマトと呼ばれる糖度の高いトマトを好まれる人もいれば、昔ながらの酸味の強いトマトを好まれる人もいます。
元々“とますく”はこれから農業を始めたい人が参加してくれたらと思っていたのですが、今回集まったメンバーは、消費者、青果流通業者、公務員(農政担当)、トマト栽培の経験がない農家と多種多様なメンバーになりました。集まったメンバーは様々な形で“農”に携わっています。もちろん私がトマト栽培を教えるという立場ですが、逆に学びの方が多いのかもしれません。このメンバーの想いの詰まったトマト。今年も皆様の食卓にお届け出来るように精一杯楽しみたいと思います。
(成田ふぁーむ 成田 周平)
こんにちは、須美ふぁーむ代表の今堀淳二と申します。大学卒業後、ホテルでの宴会配膳と調理の仕事をしていましたが、命のつながりや存在を感じる体験をして農業の世界に入って来ました。奈良・宇陀市の山口農園で半年間、そして能勢の原田ふぁーむで1年半の研修ののち、2012年8月に独立就農。野菜市・市場出荷・宅配と、色々な販売方法を模索しました。現在は約200aの畑で年間15品目ほどを栽培(農薬・化学肥料不使用)し、よつ葉さんをはじめ、こだわりのあるお野菜を取り扱っているところへ出荷しています。
さて、今回は「就農を振り返り、いま感じる事」という事で少しお話しさせていただけたらと思います。
独立就農して11年目になりました。ここ5〜6年でようやく農業っぽくなってきたと思います。これまで本当に多くの方に助けていただいて、今まで続けて来られたと強く感じています。農業をする上で必要な事を考えると、やる気・野菜の栽培センス・販路・体力・資金力、色々と思い浮かぶのですが、何よりも人との繋がり」が大切なんじゃないかと感じています。
農業というのは、農地があって初めて成り立つ仕事。まずは農地がないと始める事が出来ません。その農地というのは地続きで、お隣の農地も大体どなたかが管理しています。そしてどこも、その土地なりのやり方や習わし・空気感というのがあり、そこにはその土地の方々が住まわれています。土着というのか地域性があるというのか、農業という仕事の特性上、その土地の方々との交流は切っても切れないものです。
その土地へ行き、研修などをして独立するケースが多いと思います。研修期間では農業の知識や技術を学ぶのが大切ですが、それと同時にその土地の人達や気候になじむのがもっと大切だと感じます。自分に本当にやる気があって一所懸命必死にやっていれば、周囲の人達は必ず見てくれていて、何か困った事があっても必ず誰かが助けてくれる。でも同時に、それに甘えるだけでもいけません。自分の出来る事を探し、自ら率先して周りに返していく気持ちが大事ではないかと。
さて、農業をする上で大切だと感じる事をお話ししてきましたが、ここで農業の現状にも触れさせてください。僕は大阪北端の能勢という場所で農業をしています。中山間地と言われるエリアで、周りは山々に囲まれ、勾配がきつく、水も潤沢ではありません。限界集落とまではいかないですが、いわゆる里山と言われる場所です。先人の方々が守り続けてきたその里山ですが、高齢化が進み、農地の維持・管理を出来る人が減ってきています。また周りの山々も植林されたまま手付かず状態で、食料がなく、イノシシやシカなどの獣が食べ物を探しに畑まで来て食い荒らす事も増えて来ました。近年の気温上昇で、今まで普通に作っていたお野菜も、作るのが難しくなったと感じる事もあります。
農業を取り巻く環境は厳しさを増す一方ですが、でも同時にとても創造性があってやりがいがあり、「今ここに生きている」という充足感を感じています。いま僕は農業を営んでいますが、今後「農業や里山・能勢の魅力・可能性」を伝えられる仕組みを作っていきたいと思っています。農業をベースに、これからもっと増えていくであろう獣害に対応しながら、その命を大切にいただくジビエレストランであったり。農業や林業など、里山の魅力を体験してもらえるように、滞在時間をしっかり作られるオーベルジュなんか理想的です。農業や里山・能勢の魅力と可能性を存分に感じていただけるように、この土地に合ったやり、そして自分なら出来る形で農空間の提供をしていきたいです。
大変な事も多いですが、僕は農業に無限の可能性を感じています。そんな農業現場を見ていただきたいのですが、残念ながら農地は持って行って見せる事が出来ません。興味のある方はぜひお声掛けください、いつでもご連絡お待ちしております。
(須美ふぁーむ 今堀 淳二)
私は、加堂康輝といいます。北摂協同農場に入社しまして、およそ3年になります。
北摂協同農場での仕事は、楽しかったり辛かったりとありますが、どちらかというと楽しいです。寒い冬が終わり、春が近づいている今日この頃、寒い季節は出荷できるものは少なく、祝蕾などが主流でした。春が近づいてくると、きくな、ほうれん草、小松菜などが早く大きくなり、なの花がよく取れだしました。赤じゃがいもの定植も無事終わり、これから忙しくなるとおもいます。北摂協同農場で仕事をしながら、家で食べる分のお米を作ったり、野菜を作っています。今は、玉ねぎを育てています。今後は、赤ジャガイモやアイコなども作っていけたらいいです。今年も一生懸命頑張りたいです。
(北摂協同農場 加堂 康輝)
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