(食肉センター 上山 良夫)
(食肉センター 中尾 清二)
3月16日に高知県の家畜保健衛生所の公文喜一さんに来ていただき「土佐あかうしを知ろう」と題して講演会を開催しました。
基本的な事から裏の事情まで分かりやすくお話しいただきました。土佐あかうしの特徴として肉質や牛自体の性質だけでなく、なんと“かわいい”があり、驚きましたが、能勢農場に初めてあかうしが来た時、なんてかわいい牛なんだ!と思ったのを思い出しました。なんたって“かわいいは正義”ですよね‼ そして、穏やかな性格で飼いやすいという事でしたが、現在いる繁殖牛の内1頭は初めての出産から母性が強くなったのか気の強い性格になりました…。やはり牛にも個性がありますよね…。
和牛と呼べるのは黒毛和種、褐毛和種、無角和種、日本短角種のたったの4種類だけです。土佐あかうしとは褐毛和種で、その中でも熊本系と高知系に分かれており高知系を“土佐あかうし”というブランド名で呼んでいます(和牛の中で0.1%しかいない幻の牛と呼ばれています)。ブランドの定義の中に産地が含まれているので高知県以外ではいくら同じ高知系でも“土佐”あかうしとは名乗れません。これから能勢農場であかうしを育てていく上でどういった定義で育てよつ葉の会員さんに知ってもらうかを考えていかなければならないと思いました。
あかうしの肉質は黒毛和牛と違いサシ(霜降り)が少ない事、アミノ酸やグルタミン酸が多く旨味や甘味があるのが特徴です。日本では一般的にA5ランクの黒毛和牛が高級と言われていますが、あかうしはA3、A2ランクがいい牛とされているそうです。同じランクでもあかうしの方が皮下脂肪が薄く、サシがきめ細かくロース芯が大きいそうです。日本人は箸文化なので切った肉を調理し柔らかい肉が好まれ、サシが入った肉が増えていったのでは、という事でしたが、一方フランスでは塊のままで調理し脂の少ない赤身が好まれ、なんと経産牛(出産を経験している牛)が一番好まれているとか。あかうしを扱っているお店などに、どんな肉が好まれるのかリサーチを繰り返し、品質を保証する、土佐あかうしらしいお肉という事で高知県独自でTRB(Tosaakaushi Rouge Beef)格付けが出来、R5、R4のような格付けを始めたそうです。
現在、能勢農場では繁殖牛が2頭、肥育牛が(3月20日時点)20頭、そして預託している繁殖牛が高知に6頭、丹波に2頭います。今まで繁殖もあまり経験がなく見極めが難しいですが、肥育の方は上手くいけば来年の年末、再来年の年始から出荷が出来るかと思うので楽しみではありますが、それまでによつ葉の職員の方たちと、どのように会員さんに伝えていくかを考えていきたいと思います。
(能勢農場 吉田 悦子)
Copyright © 関西よつ葉連絡会 2005 All Rights Reserved.