色々な人と出会いがあり、全ての人に感謝

動物に関わる仕事がしたい、とたまたま友人と研修に来た能勢農場。老若男女の共同生活、何だか個性あふれるメンバー、自分が苦手としていた人間関係を鍛えるのにはここが面白そうと思い農場で働き始めて11年が経ちました。すべてが色濃く、どこでも経験できないようなことばかり、たくさんのことを学びました。
自分のやりたいと思ったことが、周りに支えてもらいながら一緒に作り上げられる喜び、しんどさや失敗、喜びを分かち合うことの大切さ、年齢も違えば育った環境、農場に来た理由も違う。考えや目指すものもそれぞれ違う、違いを受け止められなくて、認められなくて、自分と同じにしようとしてぶつかることもありました。
「相手を想って伝えること、周りのために」を考え行動すること、その実践の日々、できない自分に嫌気がさすこともありましたが、自分が不完全だからこそ人と手をつなげばいいのだと思うようになりました。人間関係が苦手ではあったかもしれません。でも自分は人間が好きなのだということが農場の11年間で発見できました。
「来てくれてありがとう」
と伝えた夜
企画当初から携わった保養林間学校では子どもたちと一緒に過ごす最後の夜、キャンプファイヤーで子どもたちと思い切り遊んだあとみんなで手を繋いで火を囲み、地震や津波、原発事故が憎いけれどもだからこそみんなに出会えた、「来てくれてありがとう」と伝えた夜、握った手のぬくもり、笑顔は忘れることができません。直接関われた方、お会いしたことのない方からの援助や暖かいことば、誰かが誰かを想い行動することで救われるなにかがあるんだと体感しました。
そんな日々の中、なんとなく自分の心の奥にずっとあった「自然とともに生きる」ということ。いろんな形がある中でも、自分で食べるものをつくる。自分で暮らしをつくるということ。現実は甘くないけれどやってみたいという思いは強くなっていきました。そんな暮らしを共にしてくれる方とも保養林間学校を通じて出会いました。
慣れ親しんだ日常、同じ釜の飯を食った仲、だけれど大きなゆりかごから降りて“これから”を自分でつくっていこうと退社することを決めました。
多くの人が手をとりあい、築き上げたこの場所、能勢農場でのびのびと過ごし、たくさん学び、多くの方と繋がることができました。本当に今までお世話になりました。きっとこれからもたくさん支えてもらいながら生きていきます。そして、自分もだれかの支えになり、手をつなぎながら生きていきたいと思います。
ここでは書ききれないいろんな出会いがあり、思い出がたくさんあります。
すべての方に感謝しかありません。気軽に会いに行くこともなかなかできなくなったこのご時世。文字だけでも、「すべての方にハグ!」本当にありがとうございました。
(能勢農場 髙橋 明子)