「来てよかった」と感じてもらいたい

刈り取り間近の小麦畑
月の気温がとても高かったため、集落で育苗をされている米農家さんたちは、苗の成長が予想よりも早く10日ほど前倒しで、田植えをされていました。4月中にほとんどの集落の水田は、田植えが完了しました。
丹波協同農場も例年よりも、タカノツメ苗も生育が早く、4月中に定植を終え、ポップコーンも発芽しました。現在は小麦の刈り取り準備と、6月中旬に播種する大豆畑の荒起こしを行っています。麦や大豆の穀類栽培を中心に栽培面積は6.5haを超えました。
4月20日に第14期の総会を行いました。総会を終え、強く感じることは、これまで、多くの援農者に助けられながら、何とかやってきましたが、いつの間にか、援農に来てくれる人たちを自ら固定化させてしまっていることです。
非農家からの就農で、私自身は農業にさまざまな思いがあります。自給率、農薬、離農、獣害、米価、高齢化、過疎化、非効率、後継者不足、などなど。改善すべき問題はたくさんあります。同時に、農村の暮らし、風景、時間の流れ方、助け合い、ご近所付き合い、作物栽培の魅力、農業技術の習得、自然とのかかわり方、などなど。伝えなければいけない素晴らしい事もたくさんあります。
問題解決の方法の一つとして、都市生活者や非農家の皆さんに畑を耕し、集落で暮らすことの魅力を感じてもらうために、来場されたことのない人に一人でも多く来ていただきたい。「来てよかった」と感じてもらいたい。「楽しかった」と家族や友人に伝えてもらいたい。
農業がなくなってはいけない。自給率の問題だけではないのです。耕作放棄が増えれば、獣が増えます。増えすぎると、伝染病の発生率が上がると思います。餌を求めて都市に降りてくるでしょう。水田は気温上昇を抑え、また、治水ダムでもあります。農村には農道が多く存在し、集落単位で住民が維持管理しています。さまざまなサービスをお金で受けるのではなく、みんなで助け合いながら暮らしています。
農業や農村暮らしは、はまれば本当に魅力的です。今日は倉庫のシャッターを開けた瞬間に1羽のツバメが突入して、倉庫内を飛び回り、一度外に出てしばらくすると2羽で戻ってきました。間借りさせるか、今晩、家族会議で決めます。ぜひ来場ください。
(丹波協同農場 近藤 亘)