〈2022年　第129便-1・2　（2022.3.29）〉

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  為せばなる！
  
  「農場だより」読者の皆さん、ご無沙汰しています。久しぶりの原稿です。現在能勢農場は、食肉用と加工用合わせて４００頭の牛を飼育しています。その内の大阪能勢農場が哺育・育成期（９ヶ月齢まで）１７０頭を管理し、育成中期・肥育期（10～26ヶ月齢）２３０頭を兵庫県丹波市の春日牧場で飼育管理しています。
  
  新型コロナの感染拡大から２年が経ちました。コロナ発生当初、緊急事態宣言が発動され日本経済がストップ。能勢農場が飼養する牛の内、特に肥育期は多くの食品残渣（フスマ・バガス・オカラなど）を活用していたのですが、そのほとんどが数量減や生産中止となりました。加えて世界経済の鈍化や原油高騰、そして世界の物流の要となる各国の港湾事業がコロナ感染拡大の影響を受けて操業停止に追い込まれ、それに伴う各国の需給バランスが崩れたことによる飼料全般の値上がり、異常気象による影響で近年、稲ワラの回収が減少するなど、様々な要因が重なり大幅な飼料の見直しを迫られる事態となりました。
  
  そして自分も昨年は春日牧場に常駐し現状回復に努めてきましたが、徐々に改善しているもののやはり日本経済がコロナ前のような景気に戻ることは考えにくいわけで、今の現状からどう将来を展望するかを考え直す必要がでてきています。
  
  ですが悪いことばかりでもありません。昨年はこれまで中々取り組めなかった丹波協同農場が生産する小麦の残茎の飼料化にも目処がつき、小麦の生産拡充が進めば肥育期の粗飼料全体１～２割を確保することができ、稲ワラの不足分を補うことも可能となります。
  
  また、よつばの畜産ネットワークの中で良質な堆肥作りの知恵をいただいたり、新たな残渣の導入など、これまでの多くの人たちとの関係が能勢農場の畜産現場の支えになって今の苦境を乗り切る基礎となっています。それにしても15年間畜産業に携わってきましたが、これほどまでに脆弱な産業はないのではないかと最近つくづく感じています。
  
  
  人々の暮らしに寄り添ってきた牛
  
  
  特に２０００年に入ってからはＢＳＥ、リーマンショック、東日本大震災と様々な出来事が起こるたびに離農・廃業が相次ぎ、昨年は本州で酪農家の件数がついに１万件を割り込む事態となっています。
  
  そしてこうした事態を引き起こす大きな要因となっているのが輸入飼料に極端に依存しているという現実です。特に生乳生産や肥育に欠かすことのできない穀類の自給率は10％以下、実に90％以上を海外からの輸入に頼っているので、こうなるとちょとした情勢不安でも大きな影響が出てしまいます。
  
  今も続くロシア・ウクライナの情勢不安も両国ともに小麦生産の主要国なので畜産・酪農を営むものにとっては、死活問題にまでなってしまうわけで、日本の畜産業界が増々衰退していくのは避けられない情勢だと感じています。
  
  おまけに気候変動の問題では自動車と肩を並べるほどの悪評として名を列ねる始末。でも畜産に携わるものとして１つだけはっきりしていることがあります。それは食べものを生産するというよりも生きものを飼う、もしくは接するという気持ちのほうが強いということです。そして生きものである以上に単に食される存在以上に様々な能力に長けていることも一緒にいるとわかってきます。
  
  家畜と人との関係の歴史は古く１０００年以上も前から人々の暮らしに寄り添い、人間労働に寄与してきました。それが戦後の混乱期にアメリカの近代畜産の技術が導入されるやいなや60～70年ほどですっかり食べものに特化した生きものとなってしまい、はては環境破壊の汚名を着せられては、畜産を営むものにとってはなんとも悲しい限りです。
  
  能勢農場はこんな汚名を返上し、昔のような人びとの暮らしに寄り添った畜産現場を今の社会問題に寄与するような存在として現代に蘇らせてみたいと思っています。これまで農場だよりをとおして伝えてきた放牧・繁殖の取り組みはこうした私たちの想いを形にする事業として、そしてもう一度、家畜と人の関係を見直すきっかけになるような事業として取り組んでいきたいと思っています。乞うご期待を。

  （能勢農場　寺本　陽一郎）

  
  
  

  旬のイチゴ狩り

  
  

  

  
  ハウス栽培ではなく、露地でつくった無農薬・有機栽培のイチゴです。春の暖かい日差しの中で、イチゴの香りに包まれて自然を満喫できるはず！どうぞお越し下さい。　
  ★期間：５月中旬～６月上旬ごろ
  ★時間：午前10時～午後3時　時間制限なし/食べ放題
  ★料金：１人　８００円
  （自分で歩いてイチゴを採れる子どもさんから大人まで同一料金）
  ★受付開始：５月６日（金）～　19～21時　毎日随時
  
  場所：能勢農場　食堂前
  参加費：500円
  ※露地栽培なので雨の日に畑には入れません。必ず事前にお電話ください。土、日は、たいへん混雑します。できれば平日にお越しください。
  ※コロナウイルス感染状況によっては、人数制限をさせて頂くことがあります。
  
  ★・申し込み・お問い合わせ　TEL.072-734-1797（能勢農場）
  　　（※電話は、19～21時の間でお願いします）
  

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  新人社員紹介　笹川千博 さん
  母から仕事を受け継いで

  
  
  

  

  
  

  　
  皆さま初めまして！去年の10月に能勢食肉センターへ入社しました。食肉センターでは主に総務を担当していますが、工場にも入り勉強している最中です。今までは販売や飲食など接客業が長く、初めての仕事内容に四苦八苦しつつも日々様々なことを教えてもらいながら奮闘しています。
  
  母が26年間食肉センターで働かせていただいていましたので、よつ葉との出会いはずいぶんと前になります。数年前に自身が体調を崩した時期に、母がよつ葉で様々な食材を探しては食べられそうな物を食卓に並べてくれ、口から食べたもので体ができている「食」の大切さを改めて実感するきっかけとなりました。
  
  私も「食」を通して皆様へ健康をお届けできるよう頑張ります！どうぞよろしくお願いいたします。

  
  
  

  最近のハム工場
  時代に合った職場作りを

  
  
  

  　
  最近のハム工場は、コロナ等での影響は特にないですが、いまだに人材不足が続いています。なかなか人が入ってこない中、能勢農場の高橋さんが１月から３月末まで応援に来てくれています。
  
  高橋さんは、仕事に対して真面目で何事に対しても前向きで明るく良い人ですが、なかなかの天然で（笑）、毎日の休憩時間はお腹を抱えて笑わせてもらっている面白い人です。
  
  今はどこの企業も人不足の中で非常に難しい状況に立たされています。個人的な意見ですが、どんなに良い文章を書いてもどんなに時給を上げても、入ってくる人材は居ると思いますが、この先の未来のハム工場を引っ張っていける人材は、僕は難しいと思う。大事なのは、令和と言う時代に合った職場の環境を作らないと、そして今いる職場のスタッフがその土台を築き上げないと、と思います。

  （能勢の里から　ハム工場　東山　英伸）

  
  
  

  追悼　里 剛　さん

  
  
  

  
  
  2022年2月21日明け方に黄泉の国へと旅立たれました。帽子をかぶりタオルを首に巻き、「ただいまー！」と片手をあげ、もう一方の手はポッコリ出たおなかにのせている。今でも、にっこり微笑みながら登場してきそうな思いがあります。
  
  永らく食肉センターで職員として肉・ハムなどと北摂協同農場に集荷される地場野菜を京都・亀岡の安全物流センターやよつば農産に配送・納品をして頂いていました。
  
  雨の日も風の日も、雪の日も、台風での倒木で通行止めになっても迂回し、毎日毎日配送して頂いていました。毎回違う荷姿・物量においても限られた車のスペースに積み残し無しで届けるために、積み方の工夫・アイデアがいっぱいでした。
  
  食肉センター退職後も、北摂協同農場で荷受けや積みきれなかった時の2便目配送の仕事をして頂いておりました。それと同時に野菜作りの生産者として農業に励み、昔から夢だった古本や古いレコードなどのお店もやり始めていました。地域で農業を目指している若者たちに生活の場を提供し、週に一度は夕食会など持ち、皆が孤立することのないよう活動されていました。夢いっぱい、希望いっぱい、やさしさいっぱいの日々となっていました。
  
  3歳年上の先輩でしたが、私が偉そうに意見をしても、ポッコリおなかに「ジャブ」を入れても「はっ、はっ、は～」と優しくかえしてくれました。私の娘にとっては小学生まで”のせのサンタさん”でした。80年代の歌謡曲が好きで、中森明菜、山口百恵が大好きで、でも覚えてなくて「恋も2度目なら～♪」「恋も2度目なら～♪」と同じフレーズばかり繰り返し口ずさんでいました。「あぁ～日本のどこかに私を待ってる～人がいる～♪」とも・・・。

  （北摂協同農場　安原　貴美代）

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  能勢産直センターに入って１年
  会員さんからの言葉が仕事の活力!!

  
  

  　
  今年4月で入社して1年になりますが、仕事を覚えるのに、がむしゃらに働いた日々でしたので、とにかく1週間が経つのが速く、あっという間の1年間っていうのが素直な感想です。
  
  仕事を覚えるのに、最初の難関が、会員さんのご自宅を覚えることでした。今、私が配送しているコースは、月曜日が丹波篠山コース、火曜日は猪名川コース、水曜日は箕面・茨木コース、木曜日茨木コース、金曜日がときわ台・光風台コースで、各コース70人以上の会員さんのご自宅の場所を覚えなければならず、正直3カ月で覚えられるか、最初は不安でした。他に、会員さんへ直接手渡しか、置き配か等、会員さんそれぞれのご都合に合わせたやり方があり、一つひとつメモを取って覚えました。朝一番の商品の積み込みにも気を遣い、大切に育てられた野菜・果物・玉子など傷をつけないように心掛けています。
  
  1年になろうとしている今は、日々充実していて、会員さんから「寒いのにありがとうね！」「体に気をつけてね！」など声をかけられると、ますます仕事の活力となり、自分の励みになり、ありがたく思います。
  
  これからも安全運転で、誤配などに気をつけながら、商品をていねいに会員さんのお宅へ届けられるように頑張っていきたいと思います。

  （能勢産直センター　今北　喜博）

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