お米の担い手促進プロジェクト始動! in 能勢
こんにちは。「能勢農業みらい塾」の代表の安田です。私は昨年3月末に北摂協同農場での研修を終えて、能勢町で独立・新規就農し自然栽培によるお米作りを行っています。
近年、全国的な課題となっている中山間地域での農家の高齢化と担い手不足の問題ですが、能勢町でも多くの農家が60代、70代であり、現実に大量離農が始まっている集落も出てきています。ちなみに私の住んでいる地区でも若い担い手は私ひとりだけという状況です。
このままだと5年後には能勢町の農地は確実に保全できなくなり、耕作放棄地が急増していく...、そして農地を守っていくためにはお米作りに携わる人を増やしていくしかない...、そのような話を北摂協同農場の安原さんや知り合いの稲作農家とする中で、お米作りを本格的に体験できるような農業塾を作ろう!ということになり任意団体「能勢農業みらい塾」を設立する流れになりました。
今年の初めから主にSNSで募集を開始し、5人の研修生が参加してくれることになりました。また、受け入れ農家も5件集まり、4月中旬からマンツーマン体制での研修が始まっています。受け入れ農家によって研修内容も様々ですが、農家同士でも連携をとりながら、研修生全員にお米作りの基礎を修得してもらえるように工夫しています。
現在、世界的な景気後退や新型コロナウイルスの問題も相まって、農業や食が見直されてきており、私のもとにも老若男女問わず就農に興味を持つ方が見学に来られるようになりました。この農業塾を続けていくことで、都市近郊型である能勢町の強みを活かして、専業・兼業問わず町内でお米作りを行う就農者が増えていけばと考えています。
本格的なお米作りに興味のある方、将来的に新規就農を目指している方、来年度は参加してみたい!という方はお気軽にお問合せください(代表:yasuda36@icloud.com)。また、
Facebookページもあるので、活動内容にご興味のある方は是非ご覧ください。
(安田ふぁーむ 安田 翔)
能勢農業みらい塾レポート
このプロジェクトに北摂協同農場から参加させてもらっている山本です。
僕は能勢町の宿野という集落で専業農家をされている塚原さんのところに週1回うかがって、米作りのいろはを一から教わっています。
宿野地域においても稲作の担い手不足はなかなか深刻なようです。
宿野集落内で高齢化によって田んぼの面倒が見られなくなった方から、近くで稲作をする若手の塚原さんへ「うちの田んぼも一緒にやってもらえないか」とお願いされるケースが年々増えてきていて、「では、ついでに…」と引き受けているうちに作付け面積がどんどん広がり、今期は広さにして11町5反(甲子園のグラウンド部分のおよそ9枚分)、枚数にして51枚の水田を管理されています。「ついで…が、ついでじゃなくなってきている」と話されていたのが印象的でした。
繁忙期にはご家族や仲間と連携・協力しながら膨大な作業を効率的にこなされているものの、全体の管理は一人で行うため、素人の僕から見ても大変な忙しさであることがわかります。
稲作や能勢のことなど色々なお話を聞いた中の1つで、少し前に、塚原さんの圃場から近い商店が店仕舞いしたことで、タバコを手に入れるには5km先のコンビニが最寄りになりました。そのためだけにコンビニまで車を走らせるのが億劫になっていたら稲作繁忙期に突入し、作業に追われているうちに半年経過してそのまま吸わなくなってしまったそうです。目が回る暇もないといった感じでしょうか(汗)。
そんな忙しさの中、稲作に必要な作業を一通り経験できるようにとスケジュールを組んで下さり、これまで種籾の播種、畦の草刈り、水田排水口の掃除・仕切り板の新調、トラクターでの耕起・代掻き、田植え機での田植えなどを実践させてもらいました。
どの作業においても丁寧な説明を怠らない塚原さんの姿勢と寛大さに、稲作だけでない部分もたくさん学ばせてもらっているなと感じます。
貴重なこの機会に、できるだけたくさんのことを吸収できるよう頑張っていきます!
(北摂協同農場 山本 晋一郎)