新型コロナウイルスが世界に拡散して1年以上が経ちますが、建前的な緊急事態宣言を発令するだけの政府の対応により依然として終息を向かえる様子はなく、先の見えない状況の中で私たちの日常生活も大きく変化し、人と接することを制限され精神的にも大きなストレスを抱えていることだと思います。そのような中で、今、地元山辺地域では田植えの真っ最中で、田植え機が町内を走り回っている風景を目にします。
見慣れた風景でもあるのですが、季節の流れを実感します。秋の収穫後、よつ葉の会員さんにお届けしているお米「一年一作」の原料米を生産出荷している農家さんの圃場から、牛の粗飼料としてワラを回収させてもらいます。
そして、稲ワラの粗飼料化事業を進めて、お礼として堆肥を還元するという地域内循環型農業に力をいれて推奨しています。能勢町の農家の方たちは、次の担い手がなかなか見つからず「世代継承」ができずに高齢化が進む状況は続いています。このことは能勢町だけに限らず全国的にも問題となっています。
今年の関西よつ葉連絡総会においても「世代継承・交代」が大きな課題目標として、よつ葉全体で進めていくことが提案されました。よつ葉の産直センター(配送)の方では「世代継承・交代」が進んでいるところもありますが、全体的に見るとまだまだといった感じです。
次の担い手が経験不足や力量不足などで、容易にはいかないところもあると思います。ですが、事業継承は必要不可欠な課題だと思います。能勢農場でも「世代継承」が課題であり、関西よつ葉連絡会の畜産部門として、それを担っていく事と、仕事だけでなく共同生活を通して各々が人間本来の有り方を考えることが課せられています。
共同生活を通して考える力を身につける大切さや、これからの農場の将来展望を考えるきっかけになるよう、丁寧に進めていくことがとても大事なことだと考えます。
昨年の総会後、次の担い手である若い世代が役員に入ったことにより、役員会を定期的におこなっています。役員会では経営状況(試算表)を分析して経営の安定を図るだけでなく、それぞれが抱える問題を共有し意見を出しあい、「世代継承」も含めて活発に議論されています。
それと肥育管理、良質堆肥作りの知識・技術不足により、牛と堆肥の管理や人の育成などトータルに見ることができていません。根本的(牛の増体・肉質・良質堆肥作り)な改善に向けて、次を担う人が現場での作業を通じて人の育成や牛の肥育技術の向上に取り組んでいます。
また、能勢農場を始め、能勢方面の職域で応援した、4月18日に投開票の能勢町議選がありましたが、今回の選挙の選対メンバーも若い世代の人たちを中心に構成され取り組みました。これからも仕事のこと生活の面のこと、あらゆることがらを話し合い、意見を出し合い、共有していくことで能勢農場のあり方など「世代継承」を進めていきます。
(能勢農場 中原 恵一)
能勢産直センターと北近畿産直センターから配達エリアが分かれ、新しく兵庫県養父市に但馬産地直送センターが3月10日に設立しました。配達エリアは、養父市、朝来市、豊岡市、丹波市山南町、多可郡多可町、西脇市黒田庄町、宍粟市、丹波篠山市(西紀町)が主なエリアです。現在の会員数は175件、配達コース4コースからのスタートになります。但馬エリアに新産直構想を提案して能勢産直から丹波市に配達を開始して10年が経過しました。産直の経営を安定して運営するには会員数500件はないと経営は難しいと思っています。生産者から消費者までの流通の過程で掛かる経費、物流コスト、人件費、広告宣伝費などを考えると、能勢産直センターのまま配達をしていく方がいいのですが地元に配送センターを作ることで、飛躍的に会員数は増加する傾向があります。但馬エリアの地域では今まで会員拡大の営業、宣伝は全然できていない状況でした。会員さんのほとんどが紹介、口コミで入会して頂いています。現状では、まだ営業できる状況ではないのですが、早急に会員拡大できる体制を整えていきたいと考えています。2年後、会員数500件を目指してよつ葉の輪を広げていきたいと思います。
会員の皆さんには、産直間の移動でコース変更、時間の変更、自動引き落としの変更に伴う手続き、購入代金の振込など、色々ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
きちんと安心安全な食品をお届けして会員さんの暮らしが豊かになる様さらに努力していきます。
(但馬産地直送センター 林 隻鳳)
但馬産地直送センター 林 隻鳳
一回目の緊急事態宣言解除から一年がたち、只今三回目の緊急事態宣言中です。コロナウイルスに関係して農場だよりを書くのは二回目になります。1月13日に二回目の緊急事態宣言が出されました。予想通り、予約のキャンセルがかなりありました。
2月28日に宣言が解除され3月はお祝い事も多くお店も何ヵ月ぶりかの賑わいを取り戻していましたが、4月に入り大阪の感染者数がいっきに増え4月25日、とうとう3回目の緊急事態宣言となりました。
今回は今までとは違いアルコールの提供が一切無しと言う事でした。お酒を飲まない僕は夜の営業にここまで影響するとは思いませんでした。本当は、この場をかりて「みーとはうす能勢にご来店お願いします」、と言いたいのですが、茨木市も感染者数がかなり増えているので、そこは、控えさせていただきます。
(美味肉家能勢 店長 竹中 一裕)
(美味肉家能勢 辻 風薫)
(能勢の里から ハム工場 梅原 弘)
身近に感じ、農業への理解を深めてもらうために。
本格的に忙しくなってきました。ポップコーンの播種とタカノツメの定植が終わり、鳥よけの為にテグスを張りました。ポップコーンは95パーセントが発芽し、これから補植用にポット栽培していたものを移植します。また、昨年秋に蒔いた麦も順調で、5月23日くらいから収穫を開始します。その前に乾燥機と籾摺り機の掃除と整備を行い、コンバインの整備も同様に行います。ただ、5月の初旬に雨風の強い日が続き、大麦が数か所で倒伏しました。穂発芽する前に刈り取りを行いたいところですが、子実の水分量がまだ高く、自力で起きてもらうしかありません。更に、なんと、梅雨入りしてしまいました。本当に悔しい。
これは、想定外です。昨年、キチンと播種適期に作業を終え、梅雨前に刈り取りを開始できると、甘い考えでいました。その分梅雨明けが早くなればよいのですが、どうなるのか。本当に春が短かったように感じます。余談ですが、つばめの数が今年は、少ないように感じます。
3月末に株主総会を開催しました。
例年指摘され続けていることですが、何時まで職員なしで、事業を継続するのかと、長期的な経営改善の展望がないと厳しいご指摘をいただきました。
基幹作物が、麦と大豆であり、これだけでは、抜本的な改善を成し遂げるのは、非常に困難なのかもしれません。ただ、日本の中山間地で、この栽培体系で経営を成り立たせようと必死で挑み続けている農業生産法人は無いと思います。この挑戦には人生を賭ける価値以上のものを感じています。
ただ、経営者として、夢だけ語っているのではダメなので、定期的に役員会を開催し、何かしらの打開策を絞り出す1年にしたいと思います。そのためにも、現状の営農の一部をよつばの職員のみなさんに発信しようと思い、ライングループ(丹波の愉快ななかまたち)を始めました。
作物の発芽や開花の瞬間を送るように努めています。一人作業になってから、どうしても写真の数が激減したのも理由の一つで、私にとっては、当たり前の風景も、よつばのみんなには見たことがないものもあるだろうし、興味や関心を深めてもらい、農作業の手伝いに来てもらう作戦の一つでもあります。来場者との交流から、未来展望のある農場へ変えていくひらめきをいただけるかも知れません。
これから、4.6ヘクタールの大麦、小麦の刈り取りを終了させ、みなさんに喜んでいただける麦茶、押し麦やパンが届けられるように、収穫から玄麦の出荷まで、気を抜かずに頑張ります。
(丹波協同農場 近藤 亘)
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