長く寒さ厳しい冬もようやく暖かい春にバトンを渡してくれようとしています。3月10 日過ぎまではそれでも-1℃~-2℃の最低気温。植え付けしたサニーレタス、キャベツ、水菜、チマサンチュはすべて不織布でトンネル掛けをしました。多少の寒さに強い野菜でも、もう一つ心配の種「ヒヨドリ」がお友達をたくさん連れて来て野菜たちが植わってなかったことにしてしまいます。不織布でカバーされていても、風でめくれ上がったり、破れて穴の開いたところの野菜たちは軸だけになってしまったり、地中に根だけが残っている状態になっていたりしています。ヒヨドリたちは、容赦なく空腹を満たしている感があります。
負けるモノかと、「黒ばんちゃん」と呼ばれるシート抑えで何カ所も抑えたり、破れをガムテープで修繕したりしていますが、生育状況を見たり、追肥時、収穫時、すっごくめんどくさ~い!! 今、出荷しているほうれん草や菜の花も収穫のたびに「黒ばんちゃん」をはずし、不織布をはがし、収穫後・布をかけ留め直す。ヴ-っ! た~いへん。でもたべられたくない! ガンバル!! といった感じで奮闘しています。また、雨も必要以上に定期的に?降り、春一番が何回来るねん!! と突っ込みを入れたくなるほど、突風がらみの強い風が吹き荒れ、なかなか「・お・だ・や・か・な」春にはなってくれません。でもフキノトウが顔をだし、梅の花が忘れず咲いてくれ農場は今薄いピンク、濃いピンクの花で満開です。食肉センター前のさくらの木も蕾がなぁ~んとなくほんのりピンク色になってきました。フキノトウのうすきみどり色と花弁のピンク色は優しい気持ちと次への展開へと希望を膨らませてくれます。こうして季節を感じる自然のなかで生産できる喜びを改めて感じる事ができています。4月から共に生産作業をしてきた仲間の鳥越友秀さんが、夏秋のトマト作りを柱に能勢の生産者として独立します。よつ葉地場野菜の中でも人気ある看板品目のトマトを、北摂協同農場が天王地区で5年間取り組んできた愛着あるトマト作りを若くて、パワフルな鳥越さんにつなぎます。高齢化の進む農業生産のなかで、地域ともども盛り上げていってほしいと期待しています。応援してるで~、がんばってや・鳥越さん!
(北摂協同農場 安原 貴美代)
はじめに、今まで支えてくれた皆さまにお礼申し上げます。ありがとうございます。
私は能勢にて農家として独立するために、昨年の4月より1年間、北摂協同農場にて社員(+研修生的立場)としてお世話になりました。入社前、土地と農具さえあれば、いつでも独立してやっていけると簡単に考えていました。
でもとんでもない、水(水利権、水門の管理は? 落口はどこにする? 用水の整備は?)、雑草(境界やタイミングは? 獣害対策は?(電柵、ネット)、病気(勝手に無農薬? 農薬?)、売先(作付けはいつ? 量は?)等々、一人では到底決められない問題ばかりです。
あらゆる業種の中の一つでもある農業ですが、一番の違いは自然環境の影響(恩恵も悪影響)をうける割合がとても高いということです。そして、それをみんなで共有している!!
オフィスで働いていて、他人の机の上に書類をのせていたら怒られますよね? 急に隣席の人が全開でお香を炊き出したら? 隣席で蚊を飼いだしたら? 社内の自販機のドリンク全部買われたら? 怒り心頭を通り越して、笑いが出るかもしれません。それと一緒なんです。
農業は、その栽培している地域全体が職場だと気付きました。
ではどうなるのか、地域全体の人が、ただの隣人ではなく職場の仲間になるのです。
なんだか、都会的な考えをすれば、滅茶苦茶に面倒な状況と捉えられてしまいそうです。でも逆なのです。「草刈りはよせーよ!」「柵あいてるぞ!」「溝切りや!」この一言がすごく心強いのです。一人だとできない事、気づけない事は多い。ベテラン農家の人や地元の人は長年の経験で、悪いポイントを知っています。悪くなる前に、アドバイスをくれているのです。草刈りサボると、後々とんでもないことになります。自分の身長より伸びた草の草刈をしたことがありますか? それだけでなく虫や病を運びます。作物は深刻なダメージを負います。
それを教えてくれているのです。
近所付き合いが面倒くさい?! とんでもない、近隣の人たちは同僚であり、貴重な財産であり、教え乞う師匠でもあります。これ以上言うと、変な勘違いを招きそうですね。
同じ地域で暮らし働く住民として、また北摂協同農場で働いた社員として、農作物を育てるものとして、各々に恥じない精進をしていきたいと思います。
これからも、よろしくお願い致します。
(北摂協同農場 鳥越 秀友)
(能勢農場 吉田 悦子)
(能勢農場 井上 貴仁)
(春日牧場 松本 伊史)
「よつ葉の野菜教室」も今年で5期目を迎えました。1期目は5名の方々。初めてなので、試行錯誤を繰り返したと思いますが、トマト・スイカの収穫時の生徒さんの喜びの表情が忘れられません。2期目は男性陣の活躍が思い出されます。畝のみぞ掘りをまたたくまにやってくれました。そのうちの一人は、なんと仕事をやめて、農業に就きました。彼ならやるだろうなと思いますが、作ることと売ることの厳しさを感じて、挫けないだろうか、それを楽しんでいるだろうかと思いをはせたりします。他の2名の方は、今でも能勢に毎週のようにあがってきて、自分たちの畑を作っています。「収穫物をよつ葉に売ってあげますよ」と話しています。種代や肥料代は、稼いでほしいと思っています。
3期は、ご婦人のみ4名でした。休憩で一たん座るとなかなか立ってきませんでした(笑)。彼らは、学校が終った後、能勢の食事や温泉を楽しんでいました。4期目は、応募があったものの、それぞれの事情で辞められ生徒さんがいない状態になりました。2期のIさんの紹介でご夫婦の方が途中に入ってこられました。このように期によってさまざまで、一概に学校の様子を語ることはできませんが、無事ここまで続けられたのは、生徒さんや周りの人たちのおかげだと思っております。
『「よつ葉の野菜づくり教室」は、農業体験を通して「食や農のあり方」について、実感してもらうきっかけになれば』との主旨で始められたものです。
私自身も、会員さんに農業を消費者側から見るだけじゃなく、生産者との交流を通して、生産者の立ち位置に立つことで見えてくるものを自分のものにする実践の場だと思っています。あろうことか、今期は9名の生徒さん達がやってくることになりました。今年は、初めて無農薬で米作りをしたいと考えておりましたので、多数参加されたことを心強く思っています(雑草取りが大変なのです)。また、自分たちで作る畝も用意しますので、作りたい物を作ってもらおうと思います。収穫まで行けた時の嬉しい笑顔を見ることを楽しみにしています。
(ハッピー農園 伊藤 行裕)
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