私がお世話になっている丹波市の古河集落には農地が約36ヘクタールの水田があります。また、能勢農場春日牧場の他に酪農を営む農家が2軒あります。70歳以上の集落の皆は、トラクターや耕運機がない時代を当然経験してこられ、当時は、母屋に隣接した牛小屋で働き手として仔牛から飼い馴らし、犂を使って牛耕でもって田畑を耕していたそうです。牛耕は今から約150年前の明治初期から普及が始まり、60年前ぐらいまで活躍していたようです。その餌のほとんどは畔草などでした。糞尿は人間のも含めて肥料となり、働き手の役目を終えた牛は、肉(お金)となりました。無駄がなく、農業と畜産や酪農が一つでした。時代の流れで、現在のように農業は農業、畜産は畜産と専業がほとんどでありますが、集落の酪農家さんの一軒は搾乳以外に、お米や野菜をつくり、雑草や稲わらは牛の餌や床材として使い糞尿で堆肥を作る循環農法を実践されています。牛は6頭で耕作面積は2ヘクタールほどらしく、ちょうどよい規模らしいです。すごく懐かしい印象を受けました。私の母方の実家は九州でいまだに専業農家です。40年前くらいまでは、豚、ヤギ、ニワトリ、犬、猫、がいて、じいちゃんとヤギ乳を搾ったことや、ばあちゃんが肥溜めから長い柄杓で野菜に肥をかけていた事を思い出します。
古河集落だけではなく丹波市は、農業や畜産、酪農が盛んな地域であり、有機農業も同様です。この地域性の助けもあり、米や野菜作りに牛堆肥を使うことが普通に行われています。ただ、牛堆肥を農地に散布するには、化学肥料を散布するよりも手間も時間もかかります。しかし、土への負担や経済面で考えると、牛堆肥は大変優れています。能勢農場は、牛堆肥はもちろん、散布の機械や技術があるので、今後も牛堆肥を活用したものづくりを農業者として近隣農家に働き掛けて再構築していきます。また、私の仕事の半分以上が草刈りです。人間が種や苗から育てる作物は軟弱で、大自然の競争に勝ち残った雑草は誰の手を借りずとも立派に成長します。時には大木すら枯らしてしまうほどの最強です。この雑草と牛がかつてのようにつながってくれたら、循環ができ、すばらしいと思っています。とりあえず、せっせと草は刈り続けます。草ではないのですが、能勢農場の協力で昨年から麦の残茎を牛の餌として供給し、代わりに牛堆肥を散布してもらう取り組みを始めました。麦は無農薬で栽培しており、牛や農場職員にもやさしいものです。集落の稲わらも同様に牛の餌として循環できる仕組みを作らなければとも考えています。
丹波協同農場には、牛耕をできる牛もそれを育て扱う技量もありません。また、耕すトラクターは能勢農場や北摂協同農場からお借りしています。現在の耕作面積は9ヘクタールになりました。そろそろ自前で購入してと、鼻息を荒くしていますが、栽培技術が未熟なために、経営面から判断すれば、現状はムリです。さっさと利益を出して買わないと、とも思うのですが、80歳代の先輩が、一生懸命働いて、牛耕から耕運機に、それからトラクターへと変わっていく中で、どんどん便利になり、仕事も楽になり、栽培の技能も身に付いて楽しくて仕方なかったと言われました。ただ、後継者もいないし、トラクターがつぶれたら、買い替える元気も勇気もないとも言われました。それでも、毎日元気に畑に出られて、すばらしいお米や野菜をつくられています。また、純粋に機械を買った時の話の最中は、かなり興奮気味で、うれしそうに話されていました。これからは、小規模でも営農を続けるのであれば、トラクターなどの高額な機械は個人所有から、組合などの団体所有や作業委託に変わっていくと思います。私は、農家の息子でもなく、たかが10年ぐらいの頑張りだけで、トラクターを借金して買うよりも、もう少し苦労して、お金を貯めて買った方が自分には良いのかな、と思いました。時の変化への柔軟性と、懐かしむだけではなく、形が変わろうとも過去の良いものは残したり、再生する知恵と行動力が必要だとも思います。
(丹波協同農場 近藤 亘)
下記の通り、第41 期定時株主総会を開催いたします。
株主の皆様には、のちほどご案内を郵送でお送りさせていただきますが、株主ではない「農場だより」読者の皆さまも、ぜひご参加いただき、ご意見・ご批判をいただきたく、ご案内申し上げます。
4月15日(日)午前11時より 能勢農場
※なお、総会終了後、恒例となりました焼き肉を囲んでの交流会を準備いたしております。お気軽にご家族連れでお越しください。送迎バスは、同日午前10時30分に、能勢電鉄「日生中央」駅前発となっています。ご利用の方は夜7:00 以降にご連絡いただきますよう、お願いします。
ハウス栽培ではなく、露地でつくった無農薬・有機栽培のイチゴです。春の暖かい日差しの中で、イチゴの香りに包まれて自然を満喫できるはず!
どうぞお越しください。
★期間 5月中旬~6月上旬ごろ
★時間 午前10時~午後3時 時間制限なし/食べ放題
★料金 1人 800円
(自分で歩いてイチゴを採れる子どもさんから大人まで同一料金)
★受付開始 5月3日(木)
午後7時以降から毎日随時
露地栽培なので、雨の日は畑に入れません。必ず事前にお電話ください。土、日は大変混雑します。できれば平日にお越しください。
・申込み・お問い合わせ 能勢農場 072-734-1797
(※電話は、夜7:00以降にお願いします)
2月17日に食肉センターに豚肉を出荷してもらってる奥口ピッグファームの見学に、自分と、パラランの高木さん、農場の道下さんと見学に行ってきました。
実際見学に行くのは、今回で2回目でした。
今、奥口さんところにいる豚は約700頭だそうです。
最初は、配合の部屋にいき、餌を見せてもらいました。
奥口さんは自分たちで餌を買いにいき、持ち帰ってからいろいろな餌を混ぜて豚に与えてるそうです。仔豚の時にはこのエサを多く、大きくなったらこちらの餌をあげるという徹底した餌づくりをされており、とても感心しました。
そのあとは豚舎にはいり、生まれたばっかりの仔豚がいたり、少しおおきくなった子たちがいました。
また別の豚舎に行くと出荷まぢかの豚もいました。一頭一頭大切に育てられており、昔ながらの養豚場ではありますが、いろいろと施設面など工夫されており、自分で作りましたという物もありました。
奥口さんが大切に育てた豚を脱骨・整形・加工しておいしく食べてもらえるようにこれからも頑張っていきたいです。
(能勢食肉センター 井上 高嘉)
食肉センター「美味肉家 能勢」の柴田です。
食肉センターに入社して早15年が過ぎ、茨木市東太田の店から移転し現在茨木市稲葉町の「よつ葉ビル」の1階でお店を営業しています。
能勢の名も、会員様、一般のお客様にも浸透し家族連れ、若い人たち、会社関係の方々に来店していただき、お客様がお客様を連れて来られたり、良い感じで増えていると思います。
毎日が台本の無い仕事ですので、スタッフ同士、また、お客様からのアドバイス、ヒントが、これまでのメニュー、接客に役立っています。そして何よりも、オリジナルブランド能勢牛が武器だと思います。他店に比べ新鮮なホルモン、部位表示して小分けメニューに取り入れた能勢牛。一般のお客様に「能勢牛?」って、何?と問いかけられ、私やスタッフが説明する事で納得していただいています。
店も店内改装、今年2月には外観改装工事をして、新しい美味肉家となりました。そして何より私自身、今まで以上に店を良くしていきたいと思っています。皆様のアドバイス、指導よろしくお願いいたします。
(能勢食肉センター 柴田 裕)
去る3月10日に開催されました、第9期日吉産地直送センター(略 日吉産直)の総会にて代表取締役に就任した吉田と申します。それまでは能勢産直センター(略 能勢産直)で勤務をしていましたが、同産直センターを2月末で退社し、3月1日より日吉産直に入社してきました。今回の総会では代表の交代、社名の変更、事務所およびセンター機能の移転など、話題には事欠きませんでした。前代表の澤島による、昨年度の事業・活動についての報告からはじまり、個人事業から始まった日吉産直のこれまでの歴史も含んだ総括的な話をしてもらい、第10期の事業計画および予算案は、私が株主の皆様に話すという2部構成のような総会になりました。
日吉産直の会員に、能勢産直の近畿北部のエリアの会員が加わり、新社名は北近畿産直センターとなります。
これまでは、事務所のある京都府南丹市日吉町から毎朝、亀岡市にある別院センターまで荷物積み込みを終えて、そこからまた近畿北部へ配達に向かい、能勢産直も大阪府能勢町から近畿の北部エリアまで移動してから配達していたため、どちらも時間、距離ともに非効率でした。また、これまで自宅を事務所使用してきたことにより、全社員がパソコンによる産直業務や、配送員自身で注文が回収できなかった会員に対しての電話掛けすらできない状況でした。この二産直がこれまで抱えてきたこの大きな問題点も、産直業務の機能全てを京都府綾部市に移すことでクリアされ、本来あるべき産直の姿になります。
総会の質疑応答でも話に上がりましたが、北近畿産直はこれまで能勢産直が配送してきた近畿北部エリアを吸収することにより、配送エリアはとても広くなり、冬の期間は降雪時、凍結時の道路状況を常に考えておかなければならない地域です。これまでのように遠方地の新規入会希望者もどんどん入会を増し、エリアを拡大していくのではなく、まずは、比較的センターに近い地域からの営業活動を考えています。
4月2日から綾部市に完全に移転することが決定し、今はセンター移転に向け毎日忙しく動き回っていますが、この文章を会員の皆さんがご覧になっているころには、確実に綾部市渕垣町で産直業務が始まっています。
最後になりますが、まずは直近の課題として、全職員が一日も早く新しいセンターに慣れ、会員の皆様に迷惑を掛けることなく、産直業務をこなしていけるように日々精進してまいりますので、これからの北近畿産直センターを(日吉産直)をよろしくお願い致します。
(北近畿産直センター 吉田 幸司)
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