〈2016年 第107便 -2(2016.9.6)〉
(よつば関西保養キャンプin 能勢農場)-「楽しんで福島に戻ってもらうこと」を目標に
よつば関西保養キャンプ実行委員会・実行委員長 中原 恵一(能勢農場)
福島原発の事故後、「東北の人たちと何かできないか」という思いで始まった、「能勢農場保養林間学校」。昨年まで延べ4回開催し、これまでに85人の子どもたちが参加してくれました。
そして、5回目となる今年からは、よつ葉全体で取り組む「保養キャンプ」として実行委員会を立ち上げ、名称も「よつば関西保養キャンプ」に変更して、8月2日~7日にかけておこないました。産直やPB、会員さんにはカンパのご協力をいただき、大きな事故も無く、無事終えることができました。大変ありがとうございました。
今、政府は原発の事故が無かったかのように、原発推進を推し進めています。福島では、「保養」という言葉自体も消し去られようとする状況へとなりつつあります。そういった現状の中でも、保養を必要とされている方はいっぱい居られ、その願いに応えようと「保養キャンプ」をおこなっている団体も多くあります。ですが、続けていく中で資金面などの問題により、断念せざるえない団体も多くあるのが実情です。保養団体同士つながりを拡げ、色々な問題を抱えつつも継続していくことが大事だと考え、みなさん前向きな姿勢で「保養」に取り組んでいます。私たち実行委員会のメンバーも継続していくことが大事なことだと思っています。
また、私たちができる反原発の運動としての取り組みと捉え、実行委員会に参加し、関わることで「福島原発の事故を風化させてはいけない」という思いを持ち、会議の中でも福島の現状や問題について話をして、共通認識としています。
今後、他団体やよつ葉全体で力を合わせて、継続可能な保養キャンプへと少しずつですが変わっていければ、と思います。また、会員さんにも何らかの形で関わってもらえるようになることを目標に掲げて、がんばっていきます。何より、《子どもたちが一番に楽しんで福島に戻ってもらうこと》が大きな目標にありますので、今回の反省を活かして、来年はより一層、楽しい保養キャンプにしていきます。来年もご協力よろしくお願いします。
安心して食べられる食材を厳選
実行委員 田中 一彦(兵庫いきいきコープ)
昨年から実行委員会に参加しましたが、これまで林間学校がどんな形で進行しているのかも全く知らなかったので、昨年はそれらを掴むだけで終わってしまいました。しかし、「せっかく実行委員として係わるのなら、今度はもう少し深く踏み込んでみたい」と思い、今年は食材関係の発注などを担当しました。
これまでの東北保養林間学校は、能勢農場の林間学校の一部として行っていたので、食材は能勢農場にあるものを中心にし、メニューもまたそれに応じて考えていましたが、今年はまず実行委員会でメニューを考え、それに必要なものを発注することにしました。特に東北の子どもたちが安心して食べられるように、よつ葉の食材や調味料、そしてできるだけ西日本産のものを中心に手配し、更によつ葉全体としてもこの保養キャンプにもっと係わってもらいたいと思い、PB各社に食材の提供をお願いしました。発注に関しては色々と大変なこともありましたが、なによりもまず子どもたちが「美味しかった」と喜んでくれたことが一番大きいと思います。
今回、これまでの能勢農場の林間学校をベースにしながら、新たな形の保養キャンプとなるように、色々なことを取り入れてみました。その結果、評価できることもあれば、課題もまた多くありました。この課題については、また来年以降に繋げていき、より良い保養キャンプとなるようにしていきたいと思います。
最後になりましたが、不慣れなこともあり、PB各社には色々とご迷惑をお掛けしましたが、お世話になりまして本当にありがとうございました。
笑いあり涙ありの6日間
実行委員 石原 陽一(淀川産地直送センター)
8月2日(火)から7日(日)までの6日間、福島県・宮城県の子どもたちが能勢農場にやってきました。昨年から能勢農場の職員だけでなく、よつ葉各社の職員も参加するようになり、今年は「よつば関西保養キャンプ」と名称を改め、たくさんのよつ葉の職員が関わる保養キャンプになりました。
昨年参加した僕は、「今年は可能な限りキャンプに入る」と心に決めていました。というのも、昨年は日々の業務の都合上、あまり関われなかったからです。今まで能勢農場がおこなってきた保養キャンプを知るには、実際にスタッフとしてたくさんの時間を子どもたちやスタッフと過ごすことしかない、と考えていました。昨年子どもたちに「大仏」とニックネームをつけられ、今年キャンプに参加した時の子どもたちの第一声が「大仏や!!」覚えていてくれて、正直嬉しかったです。子どもたちの言葉と笑顔に癒された瞬間でした。
リーダーたちの指導のもと、子どもたちが協力し合っている(小さな問題はたくさんありましたが)姿は、周りで関わっているスタッフにとっても、日々過ごす中で大切な事を感じられたと思います。
僕が働く淀川産直の職員も、今年はできるだけキャンプに参加してもらいました。参加した職員は「少しの時間でも、子どもたちと一緒に過ごせてよかった」との事でした。
子どもたちと過ごした時間はもちろんですが、各班のリーダーやスタッフと色々な話をし、過ごした時間も貴重だったと思っています。笑いあり涙ありの6日間でしたが、絶対に忘れる事のない夏になりました。子どもたち!! また来年会おう!!
(能勢農場から)林間学校&夏祭り-今年のテーマは「山の中で宝探し」
ついに来ました夏! 能勢農場の夏といえば林間学校! 今年もたくさんの子どもたちが遊びに来てくれています。
林間学校では、子どもたちは5人で1つのグループとして活動してもらっています。なるべく友だち同士や兄弟は同じ班にはせず、初めて会う子たちで班を作っています。ただ林間学校を楽しむだけではなく、初めて会った仲間と活動し、友達の輪を広げてもらうことも、林間学校の目的のひとつです。
今年のテーマは山の中で宝探しです! なにを探すのか、それは落ち葉や木の実です!といっても、ただ落ちているものを探すのではありません。変わった形をした葉や、めずらしい木の実など、一味違ったものです。この宝探し、正解は一つではなく、いくつもあります。子どもたちは想像力を働かせて、1つのお題で色々なものを探してきてくれます。時には私たちが思いつかなかったものを探してきて驚くこともあり、一緒に笑うこともあります。
普段目にしているものから、思いもしない発見をする。そこに能勢農場ならではのアイデアを合わせた林間学校。ドキドキとワクワクを準備して、今年も取り組んでいきます。
(能勢農場 井上貴仁)
(祭)仕事の壁を越えた一体感
今年も「能勢農場夏祭り」を8月6日に開催しました。今年の来場者数は約450人ほどで、よつ葉や北大阪商工組合など関係各所より応援していただき、異常なほどの暑さの中で準備をしてくれたおかげで大きなトラブルもなく、無事に終えました。
今年の出し物としては、地元の能勢で活動している太鼓チーム「絆」の演奏と久しぶりとなりますが、よつ葉のスタッフによるバンド「よつ葉ンド」、そして最後に花火と祭り全体をみんなで盛り上げるところがこの祭りの楽しいところだと思っています。
いつも思うのですが、祭り以外でもよつ葉のイベントなど開催するときの一体感はいったいどこから出てくるのだろうか?と不思議に思うことがあります。命令されてやっているわけではなく、楽しそうにやっている姿をみてると、仕事という壁を乗り越えたところで突き動かす何かがよつ葉にはあるのだと、そのことが配送や生産の現場で活かされているのではないだろうか。そのことがこれからのよつ葉の進んでいくいろいろな可能性につながっていくのではないだろうか、と感じているのは私だけでしょうか?
ともあれ、関係各所の協力のもと祭りが開催できたことを感謝しています。最後になりますが、祭りの一月前に農場で長年働いていた先輩でもあり私にとっては師匠でもある仲間が亡くなり、その追悼にもなった祭りではないかと思っています。
(能勢農場 道下 慎一)
(北摂協同農場から)今年の夏は!
7月もまとまった雨はほぼ降りませんでしたが、7月29日から8月16日の約3週間、能勢町山辺地区は一滴の雨も降っていませんでした。おまけに35℃を超える日がほとんどで、ジリジリ照りつける太陽を逃れるため、朝5時からの収穫や作業となっていました、。夏野菜もカラカラに乾いた状態で花は実を結ばず落ちていき実をつけても先細りや変形などが続出し、虫害も多く出ました。夏野菜の中で幾分頑張っていたのはきゅうりでしょうか?それでも曲がり、先細り、豚のシッポのように「くるりん」と丸まってしまうものがどっさりです。川やため池などから皆水を引きたいのですが、お米も水のほしい時期!なかなか水を巡っての熱い戦いも気温のヒートアップに加わっているような時期でした。
2015年・夏から取り組み始めた加工用トマト。昨年「よつばのまるごとトマト」でカタログデビューいたしました。嬉しいことに次のトマトができるまでに早々と完売いたしました。今年は6200缶から増量し8400缶目標に昨年の反省と、情報交換を生産者の集まりの中で深めた今季の取り組みでした。しかし獣害で全く出荷に及ばなかった方や、異常な暑さ、照りつけのため「焼け」という状態で赤くならない部分がある実がたくさん出てしまいました。一方、疫病などはほとんど出ず、昨年より収量アップされている生産者の方々もありました。結果的には目標の増量はクリアできました。
さらに加工用トマトを使って「我が家のケチャップ作りに挑戦!!」ということで、取り立ての加工用トマトを真空冷凍パックにし、自宅でケチャップ作りに挑戦していただきたいと企画を進めています。加工用トマトは最近『クッキング・トマト』として市場にも出回ってきています。生食用のトマトと比べると実は小ぶりですが水分は少なく煮たり、炒めたりするのに最適です。うちでは常備野菜として冷凍庫にあり、トマトソースは勿論、野菜炒め、シチュー、スープ、お好み焼き、スパゲティー、焼きそば、ドレッシングなどあらゆる料理に役に立っています。
冷凍の良い点は使いたい量だけすぐに使える事だけでなく、トマトを洗うだけでスルッと皮がむけるのです。皮をむいたトマトはさらに真っ赤でリコピン含有量の多さを感じ、食卓の彩も鮮やかになります。オムライスなどは中のケチャップライスに入れるだけでなく卵にも小さくざく切りでまぜて仕上げ、もちろんソースとしてもトマトソースで利用しています。
皆さんにも能勢からのこの取り組みを応援頂きたく、「よつ葉のまるごとトマト」と「クッキング冷凍トマト」をよろしくお願いいたします。
(北摂協同農場 安原貴美代)
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