〈2016年 第105便-2(2016.4.4)〉
【ハッピー伊藤農園から】春に向けて
春の訪れは、もう間近で、暖かな日々が冬の寒さをさえぎるように現れてきては、消えていきます。春、夏野菜作りを前にして、例年になく悩んでいます。というのも、去年の収穫高が天候が悪かったとはいえ、例年の半分ほどになったからです。その原因と対策をしっかり考えなければ、先には進めない、と思いました。それは、長年行ってきた畑作りを見直し、その弊害をどう克服するのかの問題でした。
農業を始めた頃にはできていた野菜が、だんだん雑草、害虫、病気でできなくなるという現状を変えるには、改めて丁寧にそれらに対応していかなければ、成り立たなくなるということです。たちの悪い雑草は根ごと引き抜き、畑に残さないようにする。今までやっていた少量多品目から、私と相性の良い品目だけに絞り込み、アブラナ科の野菜を減らしていく。連作障害が起こらないように計画的に植え付けをする。畝に水がたまらないように、排水に精を出す。といったことを今年から対策としてやろうと思っています。今までは、思いつきで何でも作ってみよう的な畑作りをしていましたが、これからは、もっと野菜作りの技術の向上も目指した意識的な畑作りをしようと思っています。
今年も「野菜作り教室」が3月の末から始まります。今募集中で、どんな人が応 募してきて、何人が来られるか分かりませんが、楽しみにしています。「野菜作り教室」のOBも自分たちの畝を作って参加してきますので、にぎやかな教室になるだろうと思っています。農業って大変ですが、挑戦しがいはありますよ!
(ハッピー伊藤農園 伊藤 行裕)

今年も「野菜作り教室」へのご応募、お待ちしています!
(写真は2014年の様子)
【能勢産直だより】地域をつなげる架け橋に
大阪の北部、自然豊かな豊能郡能勢町に拠点を構える能勢産直センターの現時点での配送エリアが、南は茨木市から、北はコウノトリで有名な豊岡市と、非常に広範囲になっています。
そんなに広範囲で大丈夫? 運転大丈夫? 体大丈夫? 雪大丈夫?など、たくさんの方々から疑問や心配の声を多数かけていただきます。そんな声に一言返すなら、ひとまず「大丈夫じゃない」と、正直に言わせていただきます。広範囲ですので、長距離・長時間運転、それにより足腰の負担は増し、担当配送員の体は悲鳴を上げ続けています。今年は暖冬のせいでか、雪の影響はそんなに受けずに済んだようですが。
なぜこんな広範囲の配送をしているかというと、「都会と地域をつなげる架け橋になり、新たな価値観を見出すためです」─そう言うとかっこ付けすぎになりますが、それともう一つは、北エリアで新しい北近畿産直(名称未定)を立ち上げたいという構想があることも、広範囲配送で行っている重要な要素になります。
夢を実現するため、徐々にではありますが、着実に一歩一歩進んでいます。現在、北近畿エリアの会員数は、丹波市(柏原、春日、氷上、青垣)84名、朝来市40名、養父市7名、豊岡市19名となっています。
北近畿エリアにお友達、お知り合いの方がいればお声を掛けていただき、能勢産直センターの新しいチャレンジの取り組みの手助けをよろしくお願いいたします。
(能勢産直センター 吉田 幸司)

奥丹波の城下町・柏原(かいばら)で毎月第2土曜日に開かれている
「丹波ハピネスマーケット」(TAMBA HAPPiNESS MARKET)に出店しました
【能勢産直だより】農場の役割
毎日世話をする牛たちが小さくなってから、結構な時間が経ちました。自分が農場に来たときの、屠場に連れて行くまでの肥育の仕上げをやっていた頃から思うと、大きな変化を果たした、とつくづく思います。
春日育成牧場に出荷前の牛がすべて移動してからというもの、屠殺する牛をきれいに掃除する時に後ろ足で蹴りを入れられたり、ロープで柱につないだ牛のツノで小突かれたり、積んだトラックで牛と車体の間に挟まれたりという出来事が最近では少なくなったな、という実感が、なおのこと、そう思わせます。
自分が農場に移ってきた当時の牛たちは気の荒いのが多かったのですが、今いる牛は仔牛・大きな牛ともに大人しい性格の割合が大きくなり、蹴られることはほぼ無くなりました。生後間もない仔牛を引き取ってきて、ミルクやりの頃から搬出まで育てているからなのか、近寄っても逃げるどころか近寄ってきて長靴を舐め回す、えらく人懐っこいのが増えています。究極的には、仔牛導入からの哺育・肥育に甘んずるのではなく、肉牛の繁殖もしていく状況も生まれてくるのでしょう。
今後、どういう風に農場やよつ葉を取り巻く環境が変化していくのかは、想像もつきません。でも、どんな状況であれ、肉牛の繁殖から成牛までの完全な一貫生産で牛を出荷していく、という役目を担っていくのが能勢農場の次の姿なのかもしれません。
(能勢農場 阿部 真澄)
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