3/3 大阪梅田 よつばの学校 野﨑洋光さん(分とく山)和食講座
おうちの料理が一番おいしい
食の歴史をわかりやすく説明してくださりながら、料理店と家庭料理がごちゃ混ぜになり、一般家庭の料理の方が複雑になってきてしまっているという説明はより多くの人に聞いてもらいたいと感じました。
「おうちでの料理が一番おいしい」と何度もおっしゃっていたことが強く印象に残りました。おうちで葉野菜を湯がく際はお湯の温度に注意し、おいしい状態でゆでたてのおいしさを味わえるため、調味料が少なくてすむ、という点に改めて気づかせてもらえました。料理屋では葉野菜を出汁に漬け込んだり、調味料をたくさん使用するのは、家庭で提供できるゆでたてのおいしさを提供できないからという説明からも、家庭料理こそがより健康に飽きのこないおいしい料理であることを再認識させてもらえました。
コンビニのおにぎりと家でのおにぎりの料金比較、また「食べものの値段が高いのは知れている」というお言葉からも、野﨑氏の食へのこだわりと家庭料理への強い思いが伝わってきました。
日本人として今まで意識してこなった「口内調味」のお話も素晴らしかったです。
(池田会員・内藤美帆)
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野﨑さんのお話はとても穏やかで分かりやすかったです。戦後、マスメディアの発達とともに料理をとりまく常識がずいぶん変えられてしまったと繰り返しておっしゃいました。難しいことは言わず、「コンビニのおにぎりは1個150円。よつ葉のお米が高いといっても、お茶碗一杯せいぜい30~50円です」。これだけで十分伝わってきました。
試食のごはん、肉じゃが、味噌ヨーグルト漬けも実演後試食させていただきました。簡単なのにおいしさ、握り方により同じお米とは思えない味と香りの変化に驚きました。同じ食材でも扱い方次第で大きく変化し、映像や本だけでは想像もつかない体験ができました。
料理には五味(酸っぱい、苦い、甘い、辛い、塩からい)があるのは世界共通ですが、日本にはさらに二味(えぐ味、淡味)があると教えていただきました。特に淡味は素材の特味を生かすことで必要以上の調理をしないことだとおっしゃいました。そのために、肉だけでなく切った野菜もあらかじめ「霜ふり」といって、さっと表面だけ熱湯にくぐらせるとも教えていただきました。
手間を惜しまず下拵えをする、無駄に手をかけすぎずに仕上げる。なんだか人生訓にも思えてきました。人に見られていないところで手を抜かず見栄を張らず折り目正しく、爽やかに。
「おいしさ」の科学的な根拠と現代人の好みを反映させた和食の幅広さに改めて感心しました。
野﨑さん、よつ葉の皆さん、このような素敵な機会をありがとうございました。
(淀川会員・久下美津子)

大阪ガス ハグミュージアムで
