File.14 スナック菓子の落とし穴
子どもが好きなお菓子に「スナック菓子」があります。トウモロコシを油で揚げたコーンスナック菓子やジャガイモを油で揚げたポテトチップスが代表です。スナック菓子には、そもそも「それは何か」という定義がありません。スナックを辞書で見ると「軽食」と出ています。一口、少量といった意味もあり、そのため手軽に食べられるお菓子という意味になりそうです。間食でよく食べられますが、つい食べ過ぎて、軽い食事代わりの域を超えて食べ過ぎると問題になってきます。
というのは、市販のスナック菓子は、トウモロコシなどの炭水化物の生地を、油で揚げ、塩をまぶして味付けしているものがほとんどです。さらに砂糖、甘味料、香料や調味料などを加え、さまざまなパウダーを振りかけて、味を大変濃厚なものにしています。歯ごたえをもたらすために、加工でん粉や増粘多糖類を用い、着色料を用いて見かけもつくろっています。その反面、他の栄養分がほとんどありません。
■市販のスナック菓子の例
原材料名・乾燥ジャガイモ、ショートニング、小麦粉、植物油脂、ホエイパウダー( 乳製品)、砂糖、とうもろこしでん粉、シーズニングパウダー( 食塩、乳糖、チキンパウダー、オニオンエキスパウダー、酵母エキスパウダー( 大豆を含む)、麦芽糖、香辛料)、食塩、たんぱく加水分解物、加工デンプン、貝Ca、調味料( アミノ酸等)、膨張剤、乳化剤、香料( キウイフルーツ由来)、酸化防止剤( ビタミンE、ビタミンC)、カロテン色素
これでは食べすぎると、高脂肪、高塩分、高カロリーとなり、肥満や高血圧の原因になりかねません。マーガリンやショートニングなどが用いられているものも多く、トランス脂肪酸を大量に摂取するとともに、食品添加物も多く摂取してしまいます。
あるスナック菓子のコマーシャルに「やめられない、とまらない」とありますが、濃厚な味が、この麻薬効果ともいえる食べ過ぎを誘う効果をもたらすのも、このお菓子の特徴です。そのため、食べ過ぎて一日三度の食事が乱れる原因にもなりかねません。市販のお菓子は、どれも濃厚な味にしてありますが、そこに落とし穴があります。
(天笠啓祐)
- 前の記事へ
- 次の記事へ
- 天笠啓祐さん:
- 環境・食品ジャーナリスト。市民バイオテクノロジー情報室代表。
「遺伝子組み換え食品いらない! キャンペーン」代表