2023年『Life180号』ゲノム編集の異性化糖が日本で流通へ
ゲノム編集トウモロコシが日本の市場に出回ることになりました。3月20日に届け出が終了し、国内での流通が可能になったのです。これまでゲノム編集食品は、国産のトマトとタイとフグが流通していましたが、これにトウモロコシが加わりました。多国籍企業のコルテバ社が開発したもので、米国で栽培されたものが日本に入ってきます。ゲノム編集食品は安全性で大きな問題を持っているにもかかわらず、安全性についてはまったく審査されずに届け出だけで流通が認可されました。
でん粉は、アミロースとアミロペクチンから成り立っており、アミロースが多いとパサつき、少ないと粘りが出ます。トウモロコシのでん粉をコーンスターチと言いますが、通常の品種ではアミロースが25%程度、アミロペクチンが75%程度です。そのアミロースをゼロにしたのです。お米に例えると、うるち米をもち米に変えたものなのです。
粘りが強まるため、トウモロコシそのものを従来の「もちとうもろこし」に代わるものとして流通させることが可能ですが、主としてコーンスターチとしてさまざまな食品や工業製品に用いられるようです。用途先として特に多いのが、プリンなどもちもち感がおいしさにつながる食品で、工業製品としては化粧品の基礎成分や工業用糊などです。多国籍企業が開発したゲノム編集作物の第1号であり、この企業はゲノム編集関連の特許を多く掌握しており、この分野で本命の企業が登場してきたと言えます。
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- 天笠啓祐さん:
- 環境・食品ジャーナリスト。市民バイオテクノロジー情報室代表。
「遺伝子組み換え食品いらない! キャンペーン」代表