食品表示がおかしくなっている
先日、ある食品表示の集まりで、ある方が次のように話していました。「家では食べものにこだわっており、子どももそれをよく知っています。修学旅行でお土産を買ってきたのですが、国内製造という表示のお土産だったので、国産と思って買ってきたのです」。
2009年に消費者庁が発足し、食品表示を同庁で管理することになりました。そして2015年に食品表示法が施行されました。この法律の施行に伴って、食品表示制度の改革が進められることになりました。私たちは、食品表示が消費者の分かるものに変更されることを期待しました。
こうして消費者庁は、食品表示法施行以降、毎年、食品表示基準の見直し検討会を開催しました。原料原産地表示、遺伝子組み換え食品表示、食品添加物表示です。しかし、私たちの期待は裏切られたのです。そこでまとめられた改正が、今年度から施行され始めました。
最初に施行されたのが原料原産地表示でした。もっとも多く使われている原材料1種類のみの表示でよいうえに、あいまいな表示を容認してしまったため、かえって分りにくくなったのです。輸入の原料を用いても国内で加工すれば「国内製造」表示でもよいとされたのです。パンや麺、お菓子などの小麦製品の表示を見ると、この国内製造表示が目立ちます。中国から輸入されたアサリが熊本県の海岸で育てられ、熊本県産アサリで販売されていた事態を笑えない状況です。
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