2017年『life』460号 “フッ素洗口”は危険です

子どもたちへのフッ素洗口を強制する動きが強まっています。虫歯予防のために用いられているフッ化ナトリウムは、原料粉末が10倍に薄められているものの、劇物に指定されている、ごくわずかな量の摂取で死亡する
猛毒物質です。
口などに入れるのはもってのほかです。フッ素洗口では、これを水に薄めて子どもたちが口に入れてすすいでいます。30秒から1分間すすぐのですが、この間、飲み込むのを防ぐのは困難です。また歯が生え変わる前の子どもがフッ素を用いると、
斑状歯と呼ばれるエナメル質が正常に形成されないために起きる
歯の変色をもたらす病気になる可能性が高くなります。
虫歯の予防のためといわれていますが、現在、子どもたちの虫歯は確実に減少しており、2016年度の12歳児の虫歯は0.84本と、1本以下になりました。減った原因はフッ素ではなく、虫歯になる仕組みが分かり、対策が立てられてきたからです。
なぜフッ素洗口が強制されるのでしょうか。その背景には、政府が健康・医療を国家戦略に据えたことがあげられます。2000年から始まった「健康日本21」によって、21世紀における国民運動に健康が据えられ、第二次安倍政権になり、さらに経済成長戦略の大きな柱に「健康・医療」が据えられ、その中に「歯の健康」も入れられたからです。
政府は2011年8月に「歯科口腔保健の推進に関する法律」を成立させました。同法推進のための「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」の中にフッ素推進が示されました。自治体の条例化も進められ、ほとんどの自治体で歯や口腔に関する条例や保健計画が実施され、そのほとんどがフッ素推進を明記しています。
国を挙げてフッ素使用にまい進していますが、その犠牲になるのは子どもたちです。
(天笠啓祐)
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- 天笠啓祐さん:
- 環境・食品ジャーナリスト。市民バイオテクノロジー情報室代表。
「遺伝子組み換え食品いらない! キャンペーン」代表