2019年『290号』 “加工でん粉”って何?

加工でん粉が多くの食品に用いられるようになりました。でん粉といっても、加工という文字が付くと、
合成食品添加物です。使用する目的は、粘り気を出したり、でんぷん質の老化による劣化を防ぐことなどです。麺やお餅、お菓子などによく使われます。現在、この加工でん粉の消費量は、スーパーなどで販売されている加工食品を良く食べる人で一人一日10g 程度と見られています。年間で約4kgも摂取する計算になります。原料には
コーンスターチが用いられていますが、これは主に
米国産の遺伝子組み換えトウモロコシから作られています。それに
化学物質を加えて作り出すのがこの添加物です。
加工でん粉には大きく2種類があります。ひとつはでん粉に直接作用して作るもので、それが酸化でん粉です。それ以外のすべてが化学物質を加えて加工したものです。例えば、アセチル化アジピン酸架橋でん粉といった形で、でん粉に化学物質を加えて加工しています。でん粉はブドウ糖のつながりですので、化学物質がブドウ糖のどこにくっつくかは分かりません。それが安全性で思いがけない問題を起こすことがあるのです。
酸化でん粉を除く、化学物質で加工したものは11種類ですが、その中の2種類が
EU では、安全性に疑問があるということで、乳幼児向け食品への使用が禁止されています。それが「ヒドロキシプロピル化リン酸架橋でん粉」と「ヒドロキシプロピルでん粉」です。しかし、これらの加工でん粉が使われているかどうか、
多くの場合、表示は一括で「加工でん粉」としか記載されておらず、分かりません。具体的な物質名が分からない場合、「加工でん粉」と表示されているものは、
少なくとも子どもたちに食べさせることはやめるべきです。
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- 天笠啓祐さん:
- 環境・食品ジャーナリスト。市民バイオテクノロジー情報室代表。
「遺伝子組み換え食品いらない! キャンペーン」代表