2019年『life』80号 「みりん風調味料」「料理酒」とは?

みりんといわれて販売されているものには、昔ながらの本みりん以外に、みりん風調味料、発酵調味料があります。料理酒は発酵調味料に分類されています。
みりんは本来、
もち米と
米こうじにアルコールが加えられ作られます。アルコールには焼酎が使われることが多く、アルコール分は高く14%前後あります。そのため酒税がかかるお酒の仲間の食品です。それに対して、
みりん風調味料は、もち米と米こうじは使われていますが、アルコール分は1%未満とわずかです。
本みりんは、もち米のでん粉が分解されて糖になり、それとアルコールがマッチしておいしさをもたらしています。それに対して、
みりん風調味料は、食材本来のおいしさがないため、
調味料や水あめ、ブドウ糖などを加えて、おいしさが作り出されています。
一般的な料理酒は、アルコール分が14%前後と、本みりんと同程度ですが、酒税がかからないためお酒として使えないように、食塩や
甘味料、酢酸などを加え、市販のものにはさらに
調味料(アミノ酸等)などの添加物が使われています。お酒造りに用いられる米も、多くは日本酒を作るような良い米は用いず、丁寧に作られているわけでもありません。
みりん風調味料や
一般的な料理酒は、
人工的に合成されたうまみです。料理をおいしくしようというのであれば、
本みりん、本物のお酒、料理酒では
食品添加物が使われていないもの、そして
酢を使いましょう。子どもたちに、作られた味ではなく、素材そのものの味の良さを伝えていくことが大切です。
- 前の記事へ
- 次の記事へ
- 天笠啓祐さん:
- 環境・食品ジャーナリスト。市民バイオテクノロジー情報室代表。
「遺伝子組み換え食品いらない! キャンペーン」代表