今年も各事業所の職員200名以上が集まって、「2017年関西よつ葉連絡会総会」を実施します。毎年、総会にむけて各所にレポートをお願いしていますが、今回はそのレポートの中からいくつかピックアップしてご紹介します。
昭和の高度成長期、田舎の大家族から都市の核家族へと移り、村や地域の共同体の役割を企業が代替していくかのように思えた時代もすでに「まぼろし」。非正規雇用と高齢化、貧困層の増大、そして孤食が蔓延する時代に入っていることは間違いありません。「お金を儲けること(利潤の追求)」だけを最優先に、自然や生活のあらゆる面に侵食を続ける「経済システム」。そのシステムを生み出した人間そのものはどんどん疲弊していくばかり。経済原理に振り回される国民国家群、そして「失業、格差、貧困」とますます追い詰められていく民衆。まるで近未来は、SF映画のように「システム(マシン)との戦争」に敗れ、完全支配(栽培)された人間で溢れた世界になるのではないかと思えるほどです。情勢の変化が避けがたいこれからの日本の社会(経済)で、私たちの活動(事業)を通して何ができるのか、みんなで真面目に考えながらがんばっていきたいと思います。みなさん、今年も関西よつ葉連絡会をよろしくお願いします。
(関西よつ葉連絡会事務局長 田中昭彦)
●問われる主体性
現在のような情勢の中で、産直活動のあり方やよつ葉全体の運動などをもっと主体的に考え、行動することが産直に求められているのではないかと思います。よつ葉が築いてきた商売だけのつながりではない関係を、生産者や消費者、地域で活動する方々、一緒に働く仲間たちと今後も築いていくことが大事だと思います。
今年も会員拡大に取り組むことはもちろんですが、生産現場をはじめよつ葉の各社と連携しながら、産直部会運営をしていきたいと思っています。日々、消費者と直につながっている産直だからこそできる活動や提案をみんなで考え、行動していきたいと思います。
(産直部会長・産地直送センター 稲原 裕)
●伝えたいこと 次世代に
ここ数年、よつ葉では「世代交替」が大きなテーマになってきましたが、それは生産者やよつ葉の各事業所だけではなく、よつ葉の事業を支えてもらってきた会員層の若返りが、これからのよつ葉にとって何より大切です。
もちろん、食べものづくりの考え方や生産者との関係などこれまでよつ葉が大切にしてきたことは、これからも伝え続けていくことに変わりはありません。しかし同時に、それを若い子育て世代に届きやすいような伝え方、発信の仕方の工夫と変革、また、その世代のニーズに沿った商品ラインアップの整備が必要です。
さらに、そのベースとなる「よつ葉がやりたいこと、伝えたいこと」を時代に見合った形で洗練させ、どのように表現していくのかについて、関西よつ葉連絡会全体の中で議論していかなければならないと感じています。
(ひこばえ 福井 浩)
●よつ葉にとって発展とは
市場流通とは違うよつ葉独自の形態、地場の取り組みや自前の生産現場を保持すること、そこにある共通した想いを生産者、会員に伝えて広げることが、よつ葉としての「発展」だと考えています。
共通した想いを伝えて広げるという部分では、新しい生産者との関係づくりを進めるのと同時に、既存の生産者との関係も再構築していく必要があります。
特に二代目世代に生産の主力が移行しつつある現状では、出来上がった関係性の中からスタートしている二代目生産者たちの考え方を確認する必要性を感じています。
すべての生産者が最低限、会員(消費者)の顔を思い浮かべて食べものづくりすることを基準に、生産者との新たな関係を築いていきます。
(よつば農産 深谷真己)
●地域農業は存続する
ここ別院でも高齢化は進んでいますが「農地」とそこに暮らす人々との関係が存在する限り、地域農業は存続していくと考えています。高齢になってもまだまだ生産意欲は強く、大量生産は無理ですが自給的な生活と自分たちが食する安全な農産物をよつ葉の会員に供給することは可能だと思います。
「農業」は「工業」とは違い人間が生きていくために不可欠なものであり、日本の農業が消滅することはありません。それを担うのは政府が計画するような大規模農業ではなく、「摂丹百姓つなぎの会」のような村々に根を張っている地域農業だと思います。そしてそれを下支えしていくのが別院協同農場の使命です。
(別院協同農場 松永了二)
「2016春 よつ葉交流会」水野和夫さん講演会
「よりゆっくり、より近く、より寛容に」
(2016年3月5日、都ホテルニューアルカイック)にて。
今年は11月に秋の交流会を開催予定です。お楽しみに。
交流・広報活動費カンパにご協力 お願いします(5面をご覧ください)
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