よつばつうしん

2016年3月号(No.060)

 
震災・原発事故から学ぶべきこと
命と核 共存できない

 3月5日、6日に開催した「2016春 よつ葉交流会」にご参加くださった皆さま、ありがとうございました。交流会でも「震災から5年、私たちの未来を展望する」をテーマとしましたが、今月号では、福島の農業の現場からと、福島から関西に避難しておられる方に寄稿していただくとともに、7面では原発事故から5年後の現状について小出裕章さんに解説をお願いし、あの震災と原発事故から私たちが学んでおくべきことを、さらに踏み込んで共有したいと思います。なお、「よつ葉交流会」の様子は次号でお伝えする予定です。


福島の農業の現場から
NPO法人福島県有機農業ネットワーク
理事長代行 長谷川浩

アンテナショップ・ふくしまオルガン堂下北沢で

震災から5年を迎えるにあたり、この間のご支援に感謝申し上げます。
 震災直後の2011年には放射性セシウム(以下セシウム)が農作物にどれほど移行するか判らない不安の中で農家は耕しました。カリウムが不足しないよう努め、ゼオライトという粘土を散布しました。果樹では、セシウムが付着した樹皮を削いだり、高圧洗浄機で洗い落とすなど、全力を尽くして移行低減に努力しました。5年を経過した今では、ほとんどの農作物においてセシウムは不検出となるまで低下しました。
 こうした努力にもかかわらず、落ち込んだ販売はなかなか回復していません。福島のことは年を経るごとに風化しているようにも思われます。全国的な米価下落もあり、中山間地のような条件不利地や原発に近い浜通りでは離農が相次ぎ、耕作放棄地が増えています。
 復興の道は耕し、測り、伝え、つながること、原発と農業は共存できないこと、どんな時でも耕し続けることの大切さを伝えることと、当団体は声を挙げました。それに呼応するように、各方面から多大なご支援をいただき、放射能測定器を導入して自主測定を行いました。東京都内にアンテナショップ・ふくしまオルガン堂下北沢を2013年3月より運営し、農家の生の声を発信してきました。県内においてはオーガニックフェスタを開催するなど生産者と消費者、生産者と生産者の間に新たなつながりを生み出してきました。
 しかし今でも10万人を超える人々が県内外に避難しています。政府は帰還を進めていますが、積極的に帰還する人は高齢者が中心で全体の数分の1にも満たず、地域再生の見込みは立っていません。県内で復興に差が広がることは、取り残された浜通り農家をさらに困難な状況へと追い込みます。福島県は浜通り、中通り、会津と広く、自然や歴史条件も異なる上に、原発事故でさらに複雑な問題になってしまいました。県内の状況に応じたきめ細かい対応が課題と考えます。

 
ふる里は遠きにありて
青田恵子(南相馬市から避難/京滋会員)

フクシマ第一原発事故によって、避難を余儀なくされ間もなく5年になろうとしている。
 私のふる里、南相馬市のお隣、飯舘村は、事故後1カ月間放置された上、全村避難という悲劇に見舞われた。日本一美しいと言われた豊かな村が、無人となり消えていく恐ろしさ。想像できるだろうか。14万人余りが、避難生活を送っている最大の公害、犯罪に国、東電は平伏し、ひざまずき謝りなさい。関連死1800人余りの人々に詫びなさい。すべての被害者を償いなさい。そこから出発すべきである。かけがえのない山河、大地、海を元通りにできないのなら今すぐ原発は止めなさい。
 言いたいことは山ほどあるが、誰ひとり、罪の意識もなければ責任も取らない。それとは対照的に全く市井の民間の方々が、あらゆる困難の中、事故後、保養キャンプを立ち上げ、子どもたちを放射能から救ってくれた。人としての優しさ、尊さ、真の人間を見る思いだった。そしてたくさん教えられた。私は言いたい。もっと福島から学んでほしい。福島のような原発事故が今後起こらないとは限らない。
 そして我ふる里は遠きにありて、核のゴミ置場となった。あの汚染水、黒いフレコンバッグの汚染土の山を見たらとても住む気持ちになれない。変わり果てたふる里ではあるが、捨てることはもっと辛い。原発とは一体なんだったのか。人生を狂わされる。命も住む所も奪われる。人々を幸せにするものでは決してなかった。



『よつばつうしん』発行への
ご協力をお願いします
 関西よつ葉連絡会にかかわる全ての皆さんに『よつばつうしん』発行へのご協力をお願いします。生産・流通・消費が信頼関係で結びついたもうひとつの仕組みを構想し、実践すること。「つうしん」は、その方向性を共有し、考え方でつながる「場」でありたいと考えています。関係者の方々に開かれた紙面として「つうしん」を編集していきますので、問題提起、各所での活動紹介など、「つうしん」発行への積極的なかかわりをお願いします。また、発行費用についてもご協力のほどお願いいたします。

2016年3月 関西よつ葉連絡会


※郵便振替:00980-5-181511 関西よつ葉連絡会
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