〈2016年12月号(No.069) -3〉
【新人研修】 2日間の研修を終えて よつ葉のつながり 実感
10月8日~9日の2日間、新人研修に行ってきました。よつば農産に入社して約4カ月が経ちましたが、まだまだ分からないことのほうが多く、今回の研修では本当に多くのことを学ばせていただきました。
研修では、2日間にわたり能勢農場やPBの工場を見学させてもらいました。普段はお話しする機会がない職員の方たちと実際に顔を合わせながらのお話からは、よつば農産で仕事をしているだけでは知ることのできないこだわりや強い思いを感じることができました。現状を維持するだけではなく、さらに先を見据えてより良いものを作っていこうという思いを、お話を聞かせていただいた皆さんから感じることができ、入って数カ月の私とは物事の考え方も感じ方も全く異なり、もっと深くよつ葉に関わっていかないと見えてこないことも多くあるのだと実感しました。
PBの工場を見学させていただいた際には、大北食品でよつば農産から出荷した野菜があったり、豆腐工場から出たおからが能勢農場で牛のエサになっていたり、パラダイス&ランチでひこばえが企画している油を使っていたりと、いろいろな場所でよつ葉の食材を見かけました。普段、業務をしていると忘れそうになりますが、こういったところを見ることによって、よつ葉のつながりを感じることができました。
今はまだよつ葉の中で自分に何ができるのかわかりませんが、よつば農産で企画を行うことによって、生産者の思いをどのように会員さんに伝えられるのかを考えることが、今の私ができることだと思っています。細かいところにまで手を抜かず、こだわりを持って作っていただいている生産者一人ひとりの思いを、どのように文章にしたら会員さんに伝わりやすいのか、どうしたらよつ葉のつながりを理解してもらえるのか、今一度しっかりと考え、企画をおこなっていこうと思います。
(よつば農産・大谷由美子)

能勢農場の牛舎で
畑で研修中の大谷さん
【全体交流会】 シー・ユー・アゲイン
10月15日(土)関西よつ葉連絡会の各生産工場で開催された、「工場CLUB」の今年最後の締めとして、全体交流会を行いました。
工場CLUBに参加された方全員ご出席いただければ良かったのですが、秋の行事が重なって欠席された方もおられ、例年より少し少ない人数での交流会となりました。出席者が少ない分、出席されたみなさん同士さらに交流も深まり、他のコースの様子もゆっくり聞くことができ、良かったのではないかと思います。
各コース(ハム工場コース/能勢農場・北摂協同農場・食肉センターコース/パラダイス&ランチ(パン工場)コース/大北食品(惣菜工場)コース/別院食品(豆腐工場)コース)に参加された感想をお伺いしていると、みなさん本当に良い体験をされたんだなあという思いが、ひしひしと伝わってきました。
その中でも、パラダイス&ランチコースでの会員さんも巻き込んでの新商品作りでは、みんなで意見交換をしながらのパン作りで出来上った新商品のパンたちが、見事にカタログ『ライフ』の表紙を飾り、みんなの思いの詰まった良いパンになったと思いました。
また、来年も参加したいという方も数名おられ、半年間のいろいろな場面が浮かんで、今年も無事にやり終えてホッとしました。それと同時に、また来年、新しい出会いを求めて開催するぞと、交流会後半の各生産工場持ち寄りのごちそうを頂きながら、密かに決心しました。みなさん、おいしいものを食べて笑顔になりましょう。半年間、ありがとうございました。また来年、工場CLUBでお会いしましょう。
(大北食品・熊崎光浩)

わぁ、おいしそう
【配送員のぼくは言いたい】4年ぶりの運動会
川西産直センターで主に配達をしている井上です。
入社して丸7年が経ちました。
その間、通勤・配達中などに大小事故を起こし、職場のみんなや会員の皆さんにも大変迷惑を掛けてしまいました。
皆さんお互い運転には気をつけましょう。
…っと、ちょっと短すぎたので他の話題に広げてみます(笑)。
10月16日に行われた北大阪商工協同組合の一大イベント「運動会」に4年ぶりに参加しました。
運動会でとあるキャラクターの着ぐるみを着て参加するのが恒例となっていて、他の集まりなどで久しぶりに顔をあわせても「あれ? 今日は着てないの?」とからかわれたり、何かと運動会で名前を覚えてもらってたりします。
ですが、月日が経つというのは残酷で、その4年の間に30の大台に乗った身体は、もはや以前のものとは違っており、思うように動かない!
やる気満々で出場したリレーで恥ずかしい結果となってしまいました…。
これは、よつ葉全体で最近よく耳にする「世代交代」という波が自分にも押し寄せているのでは…。
なるほど、自分も若手にこういったイベントにももっと積極的に参加するよう促す立場になってきたんだな、と考えさせられる運動会でした。
でも、悔しいから来年はもう少し頑張りたいなぁ(でもアンカーは辞退しよう、うん)。
(川西産直・井上宗隆)
【視点論点】「もんじゅ」廃炉の真相 池島芙紀子(ストップ・ザ・もんじゅ)
1 核燃料サイクルを継続!?
超危険で超ムダな高速増殖炉「もんじゅ」は、ほぼ廃炉が確定した。しかし、長年の大きな宿願がようやく実現しそうで喜んだのも束の間、9月21日の関係閣僚会議での記者への発表を見て愕然としてしまった。「もんじゅ」を廃炉にしても、核燃料サイクルは継続し、再処理も止めない。高速炉(増殖炉)計画も止めないというのだ。その後の情報では、敦賀に「もんじゅ2」を建設したいと経産省の課長が漏らしたという。ではなぜ「もんじゅ」を廃炉にするのか。
2 原子力ムラの利権と矛盾
大きくは、原子力政策で主導権を握りたい経産省側が「もんじゅ」を続けたい文科省を押し切った事情があり、その背景には「もんじゅ」を続けて大事故になったら、原発推進に悪影響を与えるという電力幹部の発言と、「もんじゅ」を止めて、新たな炉を造ることで儲けたいメーカーの願望がすけて見える。続けても6000億円かかることを強調しているが、新たに造ればその比ではない。
3 核燃料サイクル政策とは
全国の原発からでた使用済み燃料を再処理し、ウランと高レベル廃棄物とプルトニウムに分離し、取り出したプルトニウムを高速増殖炉もんじゅで燃やし、また専用の再処理にかけてプルトニウムを増殖させ、何度も燃料として使うという夢の計画。資源小国を理由に、この60年間、総経費に13.2兆円をかけて続けてきた。が、もんじゅはナトリウム火災事故や、炉内中継装置落下事故などで停止したまま。ついに原子力規制委員会から、運営主体の変更と、抜本的見直しを命じられた。
一方の再処理も、六ヶ所村の再処理工場では、ガラス固化に失敗し、23回もの延期で、全く見通しが立たない。ちなみに、10月12日に国会議員と共に行った院内ヒアリング集会に於いて、市民側のパネラーが「止める理由は何か」と何度も問いただしたのに対して、官僚側は一言も回答しなかったのだ。矛盾だらけで、突かれるのを恐れたのだろう。この集会では、マスコミの排除、一切の記録も禁止という前代未聞の強圧的態度で、他の質問にも、ほとんど「まだ決まっていないから」と回答を避け続けたのだ。
そして、新高速炉計画は経産主導で、文科と電力、メーカー、あの機構も入れて非公開の会議で、年内に結論を出そうと進められている。 苦肉の策として打ち出したプルサーマルも危険な上に、ほんのわずかしかプルトニウムを減らせず、計画通りにいっていない。
今後は増殖ではなく、減容を中心にと考えているようだが、これもまた机上の空論で、もんじゅ以上に超危険でムダ。
4 今後の取り組みのお願い
八方ふさがりで完全に破綻したこの政策の現実を見ず、相変わらず続行するのは戦争を終結できなかった東條内閣と同じで、早晩、国民を破滅させるであろう。一刻も早い原発・核燃からの撤退を強く求めなければ、次なる大惨事は避けられない。10月30日に、毎日新聞全国版に「ノーモア原発震災」の全面意見広告を実施した。同じ紙面を大量に増刷し、各地方議会への働きかけに活用していただこうと思っている。ぜひ必要枚数をご連絡ください。自然の脅威は人智を超えます。今こそ一人ひとりが本気で頑張ろう。
(ストップ・ザ・もんじゅ TEL:072-843-1904)
■いけじま・ふきこ
1984年より脱原発の市民運動を始め、生協活動を通して「よつ葉牛乳を守れ」と北海道幌延町で高レベル廃棄物の地層処分に反対したり、青森県の六ヶ所村で泊漁港の再処理工場反対運動を応援するなど活動を続けてきた。1990年、「ストップ・ザ・もんじゅ」を設立し、「もんじゅ」の危険性・ムダ・核転用の疑惑を全国に訴える活動を展開。2000年には「脱原発政策実現全国ネットワーク」を設立、事務局長を務めている。

廃炉が確実になった「もんじゅ」

「もんじゅ」も原発もいらない! 戦争いやや! 2016関西集会(10/1)にて
【うまい話まずい話】やさしい村 河合左千夫(その24)鹿児島県に続いて新潟県でも脱原発知事
新潟県知事選で柏崎刈羽原発の再稼働反対を訴える米山隆一さんが当選しました。市民団体や共産党、社民党、自由党は推しましたが民進党は「自主投票」にまわり、民進党の支持団体の一つの連合新潟が対立候補で再稼働推進の森民夫さんの支持にまわったにもかかわらず、米山さんが勝ちました。
この選挙結果を受けて小泉純一郎さんが「次の衆議院選挙でも原発を争点にすれば野党共闘は勝てる」と言っています。先の鹿児島県知事選もそうでした。原発立地県ですら今では、脱原発を願う人々が多数派になっていることを示しています。
前の新潟県知事の泉田さんは福島原発事故のあと県独自の調査委員会をつくって原因究明を進めると同時に「福島の原因がはっきりするまでは柏崎刈羽原発の再稼働は認めない」とがんばってきました。今度の知事選にも4選をめざして立候補することを表明していました。ところが地元の新潟日報が1年前の県政スキャンダルを報じて泉田前知事の責任追及を始めました。京都新聞が京都府知事を攻撃したり、兵庫県知事が、選挙が近づいてきた時に神戸新聞からたたかれたりしたとしたらどうでしょう。泉田さんは新潟日報に抗議し訂正を申し入れましたが断られて、自分自身が選挙から身をひくことにしました。いくら自分が再稼働反対を訴えても対立候補は必ずスキャンダルを攻撃してきますから、原発が争点でなくなってしまいます。
米山さんはもともと、次の衆院選で民進党の候補として出る予定だったのを、腰の据わらない民進党から飛び出して無所属となり再稼働反対をまっすぐ掲げて多くの人々の支持を得ました。選挙前にはとても勝てるとは思われていなかったのに。
小泉さんが「原発が争点になれば」と言っているのは、このいきさつを踏まえてのことです。そしてもうひとつは次の衆院選で野党共闘の中心になる民進党に原発反対をしっかりと掲げよと迫っています。
小泉さんは首相を辞めた後、フィンランドの高レベル放射能の最終処理施設(オンカロ)を見学する機会があり、プルトニウムを10万年も管理することがとんでもないことを知って、直ちに原発を止めなければと決意しました。この最終処理施設の入口には「絶対に入ってはいけない」と絵文字で描かれています。10万年後には文字がなくなっているかもしれないからです。
【沖縄たより】基地の島から(最終回)時の流れという「怪物」/伊豆味果樹生産組合 上原 幸安
この欄に寄稿させていただいて早1年。最終回の原稿を書き出したとき、耳を疑うようなニュースに接しました。人気アイドルグループがライブでナチス・ドイツの制服そっくりの衣装を着たために国際的な批判を浴びネットも炎上しているというのです。結局、関係者が「認識不足だった」と謝罪する羽目になりました。そもそもこのグループや周辺には、ナチス・ドイツによって約600万人のユダヤ人が虐殺された忌まわしい歴史を知っている者はいなかったのか。2度と繰り返してはいけないことを本当に繰り返さないためには、常にその事実と向き合う不断の努力が欠かせないことを今回のできごとは私たちに教えているような気がします。
沖縄戦の語り部についても時の流れは大きな課題です。沖縄戦の悲劇の象徴として体験者が語り継いできた「ひめゆり学徒隊」の講話が去年3月に終了しました。学徒隊は沖縄戦当時、沖縄師範学校女子部と県立第一高等女学校の生徒222人の動員学徒で、陸軍病院などで看護活動に当たり、136人が亡くなりました。多くの人たちに戦争の悲惨さを伝え続けようと、沖縄戦の終焉の地、沖縄本島南部の糸満市にある「ひめゆり平和祈念資料館」で1989年の開館以来26年間続けられてきました。元ひめゆり学徒(証言者)27人で始まった講話ですが、元学徒が9人に減り、しかも高齢のため、これ以上続けることが困難になったためです。現在は証言映像や体験を継承した説明員によって元ひめゆり学徒の思いを語り継がれています。
『ホビットの冒険』という物語に有名な謎かけがあります。「どんなものでも食べつくす…かみくだき、勇気を殺し、町をほろぼし、高い山さえ、ちりとなす」。答えは「時間だ、時間だ!」。戦争の記憶が時の流れという「怪物」に食べつくされないように、私たちも過去の悲惨な体験をしっかり継承して平和な未来への道標にしたいものです。長い間、拙文とお付き合いいただきありがとうございました。今年のタンカンは台風の直撃を免れたため枝もたわわに実っています。年明けには自信を持って南国の美味をお届けできそうです。

-
-
▲
Copyright © 関西よつ葉連絡会 2005 All Rights Reserved.