よつばつうしん
2015年12月号(No.057)
うまい話まずい話	やさい村	河合左千夫
(その12)伊方原発反対を生きた近藤誠くん

 伊方原発と言えば近藤くんということで、前回この欄に書いた直後の10月15日に彼は逝ってしまいました。学生時代以来の40年余りも顔を合わせていなくて、時折、風の便りで今も頑張り続けていることを聞くたびに、こちらも励まされてきましたが、書いておかなければと思い立ったのも虫の報せかもしれません。ガンで病院に入院しながらも、着々と再稼働に向けた動きが進む中、亡くなる4日前に伊方原発ゲート前で行われた抗議集会に病院から抜け出してかけつけて次のような「最後」のアピールをしたそうです。
 事故が起きた時に誰が責任を取るのか、この膨大な人々が逃げ惑うその状態、その結果について、あなた方はどのような責任をとるのか。誰もとることはできない。にもかかわらず、それがあたかもとれるかのようにあなた方はいま装い、強引に進めようとしている。私たちはなんとしても再稼働を阻止して、原発のない社会づくりを進めていく。安倍政権はなんとしても打ち倒す。戦争にむかうあらゆる体制をひっくり返していく。私たちはそのことを、それぞれみんなが手を結んで手をつないで進めていく。そのことを私たちは皆さんに、はっきりと断言し、宣言したいと思います(月刊『むすぶ』537号より。一部略)。
 『むすぶ』の誌面には近藤くんの遺影も載っていて、その顔つきはいかにも、しっかりした人生を歩んできたことをうかがわせます。きびしい人生だったろうに実に穏やかな温顔です。学生時代はどちらかというときつい、きびしい印象だっただけに、最初は別の人だと思ったぐらいです。前回も書いた会長の穏やかさとともに、この地の反対運動にはそうした風土があるのかもしれません。
 もうひとつ同誌には近藤くんが遺した「闘魂録」が紹介されています。
 反対運動の目的

1. この運動は放射能公害を未然に予防して生命と生活を守り抜き、子孫に不安と危惧の種を残さないための闘争である。
2. この運動は地域の住民が伝来の故郷を捨て去らねばならないか、または永久にこの土地に住み生きることができるかのぎりぎりの闘争である。
3. (略)

福島原発の事故以前にこれを高らかに宣言していたことはすごいと思います。
来年の4月、私たちの家庭で使う電気が自由化されます。わが家では先日カミさんと話し合って関電不買を決めました。原発の電気は使いたくありません。


水俣たより
 「公害の原点」水俣から(最終回)
水俣から学んだこと
企業組合エコネットみなまた 永野隆文


この一年、水俣と原発について書かせていただきありがとうございました。最終回は、私が思っている水俣について書いてみます。
 2016年は、水俣病公式確認から60年です。事件の激震地と言われる坪段、当時2歳だった第1号患者実子さんは、今も在宅で暮らしています。魚(いお)湧く海の水俣湾、その岸辺の家で幸せに暮らしていた船大工さんの家族を1956年悲劇が襲いました。水俣病事件は、当初原因追及が行われず、企業も責任を認めなかったため、被害者は、奇病だ、伝染病だと言われ隔離、そのことが差別と偏見を助長しました。
 また、世界で初めて、胎盤はお腹の赤ちゃんを毒物から守らないという事を証明した胎児性水俣病、お産婆さんの証言によると、胎児性として生まれた子どもたちは、個としての生命力が強かった、漁村では、生まれて来なかった生命が、とても多かったということです。
 現在、水銀に汚染された魚を食べたことで水俣病の症状を持ち、何らかの補償を受けている人は、8万人と言われています。認定を求めている人は千人以上、いったん公害が起きると、生命や自然が脅かされるとともに長い年月をかけてのたたかいが続くことを事件は教えています。
 日本は敗戦後、豊かな暮らしを実現させるために経済成長を命題とし、その過程で起きたのが水俣病です。企業や国の責任が問われてきました。一方で、私たちの側の責任はどうでしょう。ウルグアイの大統領が2012年「国連の持続可能な開発会議」で行ったスピーチがあります。たいへん示唆に富む内容で「世界でいちばんまずしい大統領のスピーチ」という絵本になっています。一読を勧めます。
 濃厚な水銀汚染を受けた水俣の海は、サンゴが棲む「きれいな海によみがえった」と言われています。しかし、昔の豊かな海ではない。元に戻るまで、あとどれくらいの年月を要するのか分かりません。
 一方、今福島原発事故で起きている放射能による海の汚染。電気を湯水のように使う快適な私たちの暮らしがもたらしたとも言える原発事故、水俣病事件との共通点を意識しないわけにはいきません。
 水俣に暮らして30数年、水俣病事件から学び、今の環境や社会問題に正面から向き合うという姿勢を持つこと、動くことの大切さを思っています。



編集委員からの一言


 関西よつ葉連絡会事務局で、主にホームページの仕事をしています。年配の男性しかいない事務所でしたが、今年は女性の職員が入りました。以前は「ふるさと広場曽根店」の店長をしていた人で、料理が上手で、商品のことも詳しくて、イラストや手書きの可愛い文字を書くのも上手です。
 新人といっても私より少し年上、よつ葉歴は10倍くらい長く、すごいバイタリティーに溢れる女性で、現場にどんどん出かけて行ってみんなから頼りにされています。職場の雰囲気もなんとなく明るくなったような気がします。よつ葉はシステムではなく人の力を土台にやってきたからこそ、こんな人たちがたくさんいるのだと思います。
 これからも一人ひとりを大切にして、そのパワーを土台に大きく広がっていけたらいいなと思っています。私もその輪の中でみんなと一緒にがんばっていきたいです。

(事務局・山田まゆみ)


「2016春 よつ葉交流会」のご案内
開催日:2016年3月5日(土)〜6日(日)
場所:都ホテルニューアルカイック
   兵庫県尼崎市昭和通2-7-1(最寄駅:阪神尼崎)
【講演会】3月5日(土) 14:00〜16:00
 「震災から5年、私たちの未来を展望する」(仮題)
  講師:水野和夫さん(日本大学国際関係学部教授・経済学)
【テーマ別分科会】3月6日(日) 10:00〜12:00
 「沖縄と福島」「食について」「憲法カフェ」 などを予定
【昼食交流会】3月6日(日) 12:00〜13:30
*詳細は追って本紙やチラシなどでご案内いたします。


 

INFORMATION
12/19(土)〜
●映画『365日のシンプルライフ』
ご好評につき再アンコール上映!
シネ・ヌーヴォ 06-6582-1416
http://www.cinenouveau.com/ 
12/20(日) 13:30〜15:30
●第212回 住まいの勉強室
 『床暖房には安全な無垢材を』
場所:いのうえキッチン(井上建築工房事務所内)
解説:井上能信(一級建築士)
予約連絡先:072-671-2284(井上)締切:12/18


ページトップへ