よつばつうしん
2015年5月号(No.050)
うまい話まずい話	やさい村	河合左千夫
(その5)春がどこかへ行ってしまったような

咲き始めた桜があっという間に満開を迎え、あっという間もなく散ってしまいました。しかも九州から関東まではほとんど一斉で、桜前線はどこかへ行ってしまったようです。また、この桜の時期に宮崎県の日向市では早々に真夏日を記録したかと思えば、東京では雪が降ったりしました。年々、春と秋がなくなりつつありますが、今年もまた、冬と夏が混ざりあって、春はどこかへ行ってしまったようです。
 この冬、北海道では度々オホーツク海で低気圧が異常に発達して暴風雪をもたらせました。風速30mというのですから、台風と呼ばないだけで台風と同じです。毎週のように台風に襲われたわけですからたまったものではありません。
 日本はまだましな方です。チリの砂漠地帯で洪水が発生したり、南太平洋のバヌアツでは巨大サイクロンに見舞われ、家も木も吹きとばされました。
 かつて、科学者の間でCO2濃度が上がると温暖化するのか寒冷化するのかという議論がありました。人間の活動から産まれる熱が逃げにくくなるのと同時に、太陽から届く熱が遮られて減るわけで、差し引きどちらが大きいかで意見がわかれました。今では議論の余地はありません。CO2の濃度を下げるとともに、人間が使う熱を減らさなければなりません。
 100万kWの原発を1年間動かすと、一瞬のうちに広島の街を焼き尽くした原爆の1000発分の熱が発生します。毎日原子爆弾を3発ずつじわじわと燃やし、大量の海水で冷やしているわけです。1秒間に70tの水を7度温めて海に戻します。もしも枚方か高槻あたりに原発が1基できれば、それより下流の淀川の水が3.5度もあがる熱量です。
 こんなシロモノが55基もあってせっせと海水を温めてきました。韓国や中国の原発も沿岸部にあって、日本海を温め続けています。せめて日本だけでも、「海水温め装置」を止めたままにしてほしい。


水俣たより
 「公害の原点」水俣からD
避難計画の事
企業組合エコネットみなまた 永野隆文

4月1日で1442日目になる
原発とめよう九電本店前ひろば

水俣市から40qのところにある川内原発の再稼働が夏の需要に間に合うようにと日程に上ってきました。福島であれだけの被害を受け、なお、収束の予想もつかない中での再稼働、この国に対しての失望感さえ感じますが、改めて過酷事故の際の避難について考えてみたいと思います。
 「避難計画を考える水俣の会」が昨年7月、水俣市の5000世帯(全世帯数は12000)に再稼働と避難についてアンケートを実施しました。結果は再稼働に反対が62・4%、賛成はわずか8・2%。避難計画の策定は、川内原発から半径30q圏内の自治体に対して求められているのですが、水俣市に避難計画が必要67%、必要ない5%というものでした。誰もが事故を心配しています。
 しかし、30q圏内にある鹿児島県出水市(水俣市が避難者6645人を受け入れることになっている)の避難計画では、渋滞、地震・津波による避難経路の寸断、風向きによっては風下への避難、全く手つかずの病人や高齢者といった要援護者の避難、避難用バスの確保、避難先への長期避難継続に関することなど、多くの問題が山積しています。福島第一原発から40qにある福島県飯舘村が、高濃度の放射能に汚染され、避難の指示を受けたように、30q圏外の水俣市民も避難を余儀なくされることの可能性も考えなければなりません。
 昨年7月16日、原子力規制委員会の田中俊一委員長は、記者会見で「新規制基準適合審査は、安全審査ではなくて、基準の適合性を審査したということで、『安全だということは私は申し上げません』というこれまでの発言を繰り返した」と報道されています。つまり、避難を要する緊急事態は起こりうるというものです。
 水俣市議会に対しては、市民を守る避難計画が完備されない中での、川内原発1・2号機の再稼働に反対する陳情書を昨年6月と9月の2回出しましたが、いずれも否決されました。市民アンケートでは、川内原発で苛酷事故が発生した時の市民の強い不安が結果に現れていますが、反映されません。これから先、関西に近い高浜原発再稼働も間近に迫っています。未来を左右する正念場です。



編集委員からの一言


 15年ほど前の結婚した当時、古いおんぼろアパートで暮らしていました。木造モルタル、汲み取り式、大人一人で精一杯の浴槽、なぜか一戸ずつ違う玄関の扉。
 住人も個性豊かで、独居のばあちゃん、引きこもりの息子を抱える母子家庭、在日韓国人のおじい、毎月顔ぶれが変わるブラジル人集団などなど。みんな生活はきつそうだったけど、気さくで朗らかでした。あちこち隙間だらけで、あまりプライバシーは無く、「お隣さん残業かな」とか「おじいのとこは娘さんが来てるな」とか、お風呂も窓全開で鼻歌なんかが聞こえてきて、あまり警戒心もなく、それぞれの息づかいまで聞こえてきそうな空間でした。今は同じ町内の小さな一戸建てに暮らし、子どももできて、町内会にも入っていますが、家族構成もよく分からないご近所さんがちらほら。
 先日、そのアパートが取り壊されるのをたまたま見かけました。みんな、どこへ行ってしまったのでしょう。残ったのは僕らの部屋の裏にあった公園のブランコだけでした。

(京滋センター・光久健太郎)


 

INFORMATION

3月〜5月
●春のおともだち紹介キャンペーン
220号にチラシが入ります
ご紹介くださった方にはプレゼントを進呈
お問い合わせ:各配送センター 

5/24(日) 13:30〜15:30
●第205回 住まいの勉強室
『どうしよう! 親の残した家の対処』
場所:いのうえキッチン 
解説:井上能信
予約連絡先:072-671-2284(井上)
〆切:5/21



5/23(土)
●映画『航路(ハンロ)』
ドキュメント映画
『航路―済州、朝鮮、大阪―』日本初上映
シネ・ヌーヴォ 06-6582-1416
http://www.cinenouveau.com/

6/6(土) 14:00〜16:00
●大豆くらぶ講演会
 講師:高橋保廣さん(ネットワーク農縁)
会場:よつ葉ビル4F
お問い合わせ:よつば農産(0771-27-7500)


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