よつ葉つうしん

2014年7月号(NO.040)


よつ葉の「大豆くらぶ」 集会を開催

和食≠誇るなら 大豆づくりを

醤油、味噌、豆腐に納豆…日本の食に欠かせない食べものの原料になっているのは、もちろん大豆です。ですが、日本の農村からは大豆づくりがどんどん消えていこうとしています。よつ葉の「大豆くらぶ」は、そんな大豆をまず自分たちで栽培して、醤油や味噌、豆腐に加工して、会員の皆さんに届ける取り組みとしてスタートし、9年目を迎えました。プランターで一粒からでも、と6年前からは大豆づくりを会員の皆さんにも呼びかけ、毎年種大豆をお渡しするのに合わせて講演会を行っています。今年は6月7日、「虹いろ米」でお馴染みの丹波ハピー農園の堀悦雄さんをお招きして、大豆づくりのポイントや、自然農(無農薬)で生きものいっぱいの田んぼになるまでを語っていただきました。

(よつば農産)


発芽までは水やり控えめ



▲講師の丹波ハピー農園・堀悦雄さん(右)と
よつば農産・深谷さん

種を蒔いた直後はワクワクして、つい水やりをし過ぎてしまいがち。すると大豆は根を充分に張り巡らせなくても水が得られると思い、根の張りが不十分に(過保護)なります。で、水がたっぷり欲しい時期になると、育てる人の興味も薄れて水やりも忘れがち(無関心)…うまく育ちません。参加者の中にも思い当たる方はおられたようです。
 発芽までは水分少なめで土がちょっと湿っているくらいで充分。たっぷり水をあげるのは、開花からサヤがつくまでの夏の暑い時期に。大豆の葉っぱは水分の蒸発が激しいので…蒸発しやすい形になっているのは、水分とともに根から養分も吸収して早く大きくなるためで、水分は蒸発しても一緒に吸収した養分は大豆の葉に蓄えられて、いっぱい吸収すればするほど多く蓄えられるからだそうです。
 なので、種を蒔く時期が早すぎると、開花も早くなり、その時期はまだ夜温も高くて、せっかく昼間の光合成でつくった糖分を夜間の呼吸で消費してしまうから大きくなりません。実る時期が夜温の低い時期(エネルギーの消費が少ない)になるように、関西では6月中下旬から7月早々の種蒔きが良いようです。
 枝豆と大豆は同じもの?そんな大豆づくり初挑戦の会員さんからの質問にも、堀さんは丁寧に答えてくれました。植物は子孫を残そうとするから種をつくります。種は厳しい条件でも安定していなくてはならないので、実に蓄えた糖分を安定したデンプン質に変えていきます。ということは、枝豆の甘さを味わうには、枝豆が種(大豆)に変ろうとする前、ちょっと早めがおいしいのです。枝豆はすぐ劣化するので、採ったらすぐ湯がくのがポイント…でも枝豆を楽しんでもらっても、少しは、何とか大豆まで育ててください。葉が黄色くなって枯れていくのも、子孫を残すために葉の養分をすべて実に回すからだそうです。


生きものと向き合う


「大豆くらぶ」の大豆を加工した醤油、
味噌、豆腐を試食

堀さんは、大豆(植物)の生理に沿って何故そうなるのかを詳しく、分かりやすくお話ししてくれました。お人柄でしょうか、参加された会員の皆さんが気兼ねなくいろんな質問をされていたのが印象的でした。堀さんの百姓≠ニして、生きものを育てることに謙虚に向き合うという姿勢が、大豆づくりに初めてチャレンジする人にも、「誰にでもできることなんだ」と伝わったのだと思います。

赤ちゃんを育てる時の母親のことを想像してください。言葉にならない泣き声や表情で、母親は赤ちゃんの気持ちを理解するようになります。愛情込めて何とか相手の気持ちを分かろうとすれば、しっかり観察するようになり、表情だけで相手の気持ちが分かるようになります。
 言葉を伝えられない生きもの(植物)も一緒です。生きもの(植物)の気持ちになって考える。その時々で生きもの(植物)が何を望み、何をされたくないかを考えて、育ちやすいように条件を整えてあげる。植物の根は呼吸もするので、水分だけでなく空気もバランス良く含む土の方がしっかり育ちます。そんな土を育てることが百姓の仕事で、後は作物が育ちやすいように手伝う世話係なのだ、と堀さんは語られました。生きものに寄り添って百姓≠ニして生きる、堀さんの揺らぎのない想いが伝わってきました。



地場の大豆づくりを支えよう


おうちで育てている大豆の様子を「よつば農産お便りコーナー」にお知らせください。コメントに、できれば写真も添えてお願いします。
TEL.0771-27-7500
FAX.0771-27-7501
メール:otayori@noosan.co.jp

大豆くらぶの主旨は、地場の農家に大豆づくりを拡げて、なるべく食べるところ(消費)の近くで生産し、加工する、地域内自給を目指すことでした。会員の皆さんには定 着した感のある大豆づくりも、9年目を迎えてもなお、地場の農家には拡がっていない現実があります。大豆の買い取り価格、大豆の栽培時期と期間、栽培に必要な機械設備など、さまざまな要因がからんではいるのですが、例えば買い取り価格を倍にしたところで大豆づくりが増えるものでもないようです。
 大豆くらぶの取り組みを続けていくために、どうしたら地場の大豆づくりを拡げていけるのか、農家の皆さん、会員の皆さんとも一緒に考えていけたらと思います。

(よつば農産・深谷真己)

 

 

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