よつばつうしん
2013年12月号(NO.033)

生産者紹介

 

天然繊維の商品を提案 地域貢献も
山 繊(愛知:キャメルの毛布やインナーなど)


山繊・山本さん

 当社は「三河木綿」の産地、愛知県蒲郡市にあり、今年で創業28年目を迎えます。蒲郡市が位置する三河地方は、日本で初めて綿が伝来した地域とも言われ、明治時代から繊維産業が盛んです。この地で弊社は、天然繊維を使用した、体と環境にやさしい商品を企画提案しています。
 創業当時から今のような会社だったわけではなく、私の入社前は、中国で製品製造を行い、日本国内で販売するという繊維商社でした。安価な商品を中国で作り、売る。品質より値段先行の世界です。
 これでいいのか…と、自分の理想と現実とのギャップに悩みながら、無我夢中で仕事を覚えていた頃、中国の生産現場を見てショックを受けました。日本では既に使用禁止になっていた激薬を使用し、工場労働者の体がそれによって蝕まれている、悲惨な状況を目の当たりにしたのです。 
 これをきっかけに、会社を変えていく決心をしました。どうせ作るなら、体にも環境にもやさしい製品を作って、お客さまに胸を張って提供したい。その思いから、日本中のメーカーさんを一軒一軒訪ねて、ものづくりを始めました。日本の職人さんたちの技術力、ものづくりにかける思いは本当に素晴らしいです。そんな職人さんたちと試行錯誤して、中国では作ることのできないものを生み出していく作業は私にとって何よりの喜びです。
 また、お世話になっている地元への感謝を込めて、市内の特別養護老人ホームさんのイベントのお手伝いや、タオルの寄付も微力ながらさせていただいています。NPO法人世界の砂漠を緑で包む会さんへの寄付もさせていただいております。まだまだ小さな働きかけですが、今後も続けていきたいと思っております。

(山本 亮

 

自分たちも安心して食べられる湯葉作り
湯葉弘 (大阪:国内産有機大豆でつくる生東寺湯葉)


湯葉の製造状況

 私共が湯葉を製造するにあたり、常に取り組んでいることがあります。それは自分たちも毎日安心して食べられるおいしい湯葉、家族や身内も含め誰でも安心して食べられる湯葉を作り市場に提供することです。
 これは簡単で当たり前のことのようですが、意外に自分の商品は口にしない方々が多いのが現状です。
 そんな中やはり重要なのは原料の大豆です。国産大豆でもいろいろな品種がありますが、私共が使用している大豆は、金沢で有機栽培をされている金沢大地・井村辰二郎さんの大豆です。井村さんは率先して有機栽培にこだわり、安全な大豆を提供してくださっており、農水省のJASマークも取得されています。なにより私共が直接現地でお会いして、安定供給のお約束をしてまいりました。
 そんなこだわりの大豆を湯葉に加工するにあたり、徹底した味と安全安心への取り組みを行っております。まずは添加物を一切使用しません。大豆から豆乳を製造すると必ず泡が出ます。その豆乳を湯煎して湯葉ができるわけですが、泡がある部分は湯葉が張ってきません。湯葉に穴が開くのです。通常はこの泡を消すために泡消剤(グリセリン脂肪酸エステル)を使用しますが、私共はこの添加物を使用せず、全て手作業にて泡を取り除いております。これは大変な作業ですが、安心して食べられるおいしい湯葉には必要不可欠です。
 また湯葉製造に使用する煮釜や機器類の洗浄消毒に関しても、一切薬品を使用しておりません。すべて高温熱湯消毒しております。
 こういった取り組みこそが、本当に安心して食べられるおいしい湯葉を安定供給するうえで重要なことだと思います。 

(稲田規弘)

 

米一升から環境を考える
角谷文治郎商店 (愛知:純もち米仕込み長期醸造熟成の三河本場のみりん)


角谷文治郎さんとお米

 日本の伝統的な調味料である味噌やお醤油、みりんの原料産地が海外であったり、米由来の甘さであるべきものが、原価引き下げのためにコンスターチ由来の工業的に生産された糖類に置き換えられていたらどうでしょうか。
 私たちは、収穫されたお米や、野菜を購入し食料としていますが、収穫されるまでの田んぼや畑の風景は不要なのでしょうか。仕事を終え、帰宅途中の車中から眺める田園風景、真夏の暑さの中にあっても稲田の緑の絨毯を越えて吹き抜けていく風の心地よさ、降雨の少ない夏の田んぼに貯められた水、大地を覆う田んぼや畑の緑は、気象変動を緩和し、日々の生活に潤いと安らぎをもたらしてくれます。過度に都市化、工業化が進行した地域の生産緑地の維持発展と環境保全を考え、その地域の産物を消費することで快適空間の拡大に貢献できます。
 TPP協議が進行する中で、国際貿易、経済発展、食料農業問題に気を取られて、農業の果たしている環境効果を忘れないで欲しい。住環境の緑を守り育てるのは、そこで収穫されたものを購入することで可能となります。
 伝統的な本格みりんは、「米一升、みりん一升」と言われるように、原料に使用したお米と製品のみりんが同量となります。蒸したもち米に米こうじを合わせ、米焼ちゅうの中でゆっくりお米のうちに秘められたおいしさが引き出されます。三河みりんのおいしさがそのまま快適な環境に育まれたお米のおいしさでありますように。   

(角谷利夫)

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