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2013年4月号(NO.025)
会員紹介キャンペーン・食べることの大切さ伝えてください
生産者紹介:吉野コスモス会/食彩あん/小川食品工業
生産者から:厳しい環境に負けず・(有)ティーダ有機/つながりを大切に・武田屋/山里でくらす農漁村でくらす
会員から:『被災地女性応援ミニショップ』継続中/生産者の思いは同じ/会員リレーエッセイ♪しゃべり場・金本芙美
交流会から(2):2013春よつ葉交流会―映画『よみがえりのレシピ』上映会/農的暮らしのすすめ/タイバナナ生産者訪問
視点論点:土呂久の経験アジアへ・佐藤マリ子
ひとこと言わせて:地方に光を!その2・石川正志(神室産直)/
下北たより:青森の脱原発トマト農家から/編集委員からの一言



春の紹介キャンペーン

食べることの大切さ 伝えてください
キチンと食べてキチンと暮らす

河合左千夫(やさい村)

★すくすく育った野菜はまずい

 野菜嫌いの人、野菜が苦手な人が増えています。子育て中の若いお母さんやお父さんのなかにも、玉ネギが食べられない人、シイタケは見るのもイヤ、人参はダメなんて人がたくさんいますから、その子どもたちも野菜が嫌いになり、どんどん増えて行きます。 
 かつて、メリカ人はあまり野菜を食べなくて、成人病(生活習慣病)が多くて困っていましたが(1)、今では日本人の方がそのアメリカ人よりも食べる量が減っています。日本は世界中のどこの国よりも野菜作りに適している(2)のに残念なことです。
 でも、責任は農水省、生産者と流通業者(スーパーなど)にあります。まずい野菜を作り続け、あふれさせてきたのですから。
 植物(野菜も含めて)の体は主に繊維質でできています。(3)化学肥料はサプリメントみたいなもので、吸収が良いため植物(野菜)はどんどん繊維質を作り大きくなっていきます。速く、たくさんの野菜ができますが、繊維質ばかりの固くて味気ない野菜になります。そこへ流通業者の都合に合わせて品種改良がすすめられました(4)。おいしさは二の次、三の次にされました。旬に関係なく作られることもよくありません。例えば冬野菜の白菜や大根などは霜にあたることで甘く、柔らかくなります。これを季節外れに作っても、育ち過ぎて繊維質ばかりの味気ないものになってしまいます。
 一度、よつ葉の野菜を食べてみませんか。子どもさんに与える前に、まず、お母さん、お父さんが食べてみてください。

★コラーゲンを食べても肌は若返りません

 コラーゲンは(どんなたんぱく質も)胃酸とたんぱく質分解酵素(これもたんぱく質)の助けを借りて、さまざまなアミノ酸(5)に分解されて腸壁から吸収されます。吸収されたアミノ酸は、再び結合し直されてコラーゲンになるわけではありません。さまざまなたんぱく質となって体を作り、あるいはいろいろなホルモンや酵素となって代謝活動に使われます。
 そして、古いたんぱく質や役目の終ったホルモンや酵素はどんどん分解され、二酸化炭素や尿となって体外に出ていきます(6)。人間は食べることで、日々若返っていることになります。3年も経てば全身の物質が入れ替わると言われています。これが、機械と根本的に違うところです。生きることは食べることです。


詳しくは今週配布のチラシで

 また、免疫の働きでもアミノ酸が重要な役割を果たしています。病原菌やウイルスの侵入を免疫系の細胞がキャッチし、それを捕まえたり、攻撃したりするたんぱく質を手早く作ります。この時、材料であるアミノ酸のひとつでも欠けていればたんぱく質が作れません。あるいは量が不足していても必要なだけのたんぱく質を作れず、みすみす病原菌とウイルスの繁殖を許すことになります。 

 自分の体の中で作られたガン細胞を発見し、撃するのも免疫の働きです。医者や薬で病気が治るのではありません。医者や薬は手助けをしているだけです。
 大事なのはバランスのよい食事です。「ごはんと野菜と魚」という伝統的な日本人の食事は、カロリーの点からも、アミノ酸のバランスも、ビタミン、ミネラルの吸収にもすぐれています。また、みそ、しょう油、つけもの(7)、納豆など発酵食品の宝庫です。わざわざヨーグルトを食べる必要はありません。何を食べるかだけでなく、どのように食べるかも生きる上で大事なことです。たとえば「早寝早起き・朝ごはん」を実行するだけで、生活が変わります。あるいは、ひとりで食べるのと、みんなで食べることは、同じではありません。

【注】
(1)

アメリカのマクガバン上院議員がプロジェクトチームを作って古今東西の食生活を比較し、江戸時代の日本人の食事が最も健康に良いとしました。つまり、ごはんと野菜と魚の組み合わせで、これが、アメリカを始めヨーロッパでの日本食ブーム、スシブームにつながっています。

 

(2)

野菜は一年生の植物ですから、春夏秋冬のメリハリが成長に影響します。温帯モンスーン地帯で海に囲まれた列島だからこそ、四季に恵まれています。

(3)

植物は太陽光の力で糖を作ります(光合成)。糖は細胞活動のエネルギーのもとになり、細胞がアミノ酸やたんぱく質などさまざまな物質を作ります。糖がつながってデンプンになり、デンプンがさらにつながると繊維質になります。化学肥料のない所では生きるのが大変だから糖として使う分が多くなり、繊維質になかなか回りません。結果として、柔らかくて甘い野菜になります。

 

(4)

大根やさつまいもが棒のようになったのも、キャベツやカボチャが円盤状になったのも箱に詰めた時のロスが少なくなるからです。また、キューリやナス、トマトなどの皮が固いのは輸送の際に痛みにくくするためです。

(5)
人間が自分で作ることができず、それでいて生体と代謝活動に必要なアミノ酸(22 種類)を必須アミノ酸と呼んでいます。食べものとして必須アミノ酸を摂取しなければ生きていけません。バランスが大事です。
(6)
およそ100 年ほど前、アメリカの亡命ユダヤ人生物学者のルドルフ・シェーンハイマーが窒素の放射性同位元素を使ってこの事を発見しました。それまで、食べものとして摂取する窒素の量と尿として出てくる窒素の量が同じことがわかっていたので、必要のない窒素(アミノ酸)は使われることなく排出されると考えられていました。ただし、この重大な発見はほとんど評価されることがなく埋もれていましたが、福岡伸一さんが「動的平衡論」として再評価し、脚光を浴びるようになりました。
(7)
みそ、しょう油、つけものと並ぶと塩分(ナトリウム)の摂り過ぎが心配になりますが、野菜を食べる限り問題ありません。野菜に含まれるカリウムとバランスをとってくれます。