よつばつうしん
2012年12月号(NO.021)

初心に帰り栽培環境変化に対応
夢来塾

左から、市川さんと滝沢さん

 私たち夢来塾は、長野県の北部にあります山ノ内町でりんごと巨峰を栽培しています。標高500m〜600mと昼夜の寒暖の差と、朝から夕方までまんべんなく日が当たる立地条件です。りんごは、朝日で着色西日で味といわれることもあり、恵まれた所で栽培をしています。
 現在は、二人の小さなグループですが、真面目で、誠意を持って安全でおいしいりんご・巨峰を食べていただきたく産直を行っています。夢来塾として産直を行うようになり20年余りになりますが、それ以前より有機質による土作りにはこだわってきました。
 また、農薬についても、少しでも減らせるよう努力をしています。農業は華々しいところはありませんが、1年世話をして良い果実が収穫できた時が一番の喜びであり、素晴らしさだと思います。また、消費者の皆さんに買っていただいて、おいしいと言っていただくことで日頃の苦労も一気に軽くなります。
 しかし、昨今の温暖化によると思われる気候の変化には、とても苦労をしています。降水量、気温の極端な変化、それに伴い病害虫の発生と長雨による病気の発生、高温旱魃による害虫の発生など、過去の経験による予想とは異なることが多くなってきています。難しい栽培環境になってきていますが、初心に帰り日々の観察と地道な努力の積み重ねこそが大事なことであると思っています。
 また、私たちの地域では、近年若い農業後継者が多くなり、若い人たちから刺激を貰えるのではないかと期待しながら改めて自分もがんばらなければと思います。

(市川昭彦)

地域に仕事場を
東城町・野菜の里


右側が瀬尾さん

 私たちの住む村は、中国山脈の最も深い所です。広島県の東北部に位置し、標高は500〜600mの山あいに集落が 点在している僻地です。  この地方の冬はとても冷え込みが厳しく、住みにくい所と言われていますが、「住めば都」。四季を彩る 山々は人々の心をなごませ、健康寿命にも良い結果をもたらします。また昼と夜の温度差が大きく栄養をたっぷり含んだおいしい野菜やお米が栽培できる恵まれた土地柄でもあります。
 「野菜の里」が本格的に動き出したのは今から13年前になります。最初はお餅搗きを主とした農産物の加工所でした。動力の力を借りていますが、大きな杵と臼で「どっすん・どっすん」力強く搗いたお餅の味は格別です。
 次に取り組んだのが田舎味噌です。極めて小規模ですが、地元のお米で麹をつくり1年以上寝かせたお味噌です。健康維持に欠かせ ない発酵食品として力を入れています。
 また、この地方ならではの山菜や余剰の農産物を原料に惣菜加工も手がけて7年が経過しました(よつ葉の皆さんと相談しながら、徹底した無添加の惣菜作りを続けています)。
 毎日忙しくしていますが、作業の大半は村内のお婆ちゃんたちが作ったお野菜を集め、お米や卵などと合わせ、注文に応じよつ葉のグループ・福山市と広島市の生き活き農産に出荷することです。仕事のないこの地域で、生産農家30戸余り(若い農業者数名含む)と10人前後の人たちが働ける場所ができ、「野菜の里」を立ち上げた当初の計画が現実化しました。ここまで来れたことに対し、関係各位に感謝の思いで一杯です。

(瀬尾千代)

知られいていない魚にスポット
武田食品冷凍・武田康平

 私たちの会社は淡路島の洲本市由良という所にあります。
 由良港はお魚好きの方には馴染みの深い港だと思います。グルメ番組で由良のウニや鱧、真鯛等がしょっちゅう紹介されていますし、超高級といわれる料亭が指名して仕入れに来る港としても知られています。
 当社はこの地で1963年に創業し、来年で創業50周年を迎えます。 創業当初はハマチや鯛の養殖の飼料となるイワシやイカナゴの凍結加工を中心にしていましたが、養殖業の業態の変化やイワシの激減等に伴い、現在の水産加工食品を製造する業態に変わりました。
 30年ほど前から由良や淡路島近海の良質な魚介類を原料とする、添加物を一切使用しな い魚のお惣菜や、由良の恵まれた気候を生かした完全天日干しの干物を製造しております。
 みなさんにもお馴染みをいただいています〔いかなごのくぎ煮〕、〔天然わかめ ことこと煮〕、〔真いわし ふっくら煮〕、〔たこやわらか煮〕などは島内で醸造している丸大豆しょう油、と料理酒〔蔵の素〕、本みりんを使い、粗製糖の使用もなるべく減らし、前浜の魚介のおいしさをそのままお届けできるよう、小さな鍋で少量ずつ炊き上げております。
 近年では漁獲量の減少や不景気による魚価の下落等の理由で漁師さんたちの暮らしが苦しくなっています。 このままでは後継者が育たず、町の暮らしを支えてきた漁業は衰退の一途を辿るのではないかと懸念しています。
 そこで、昨年から由良の前浜で自生する天然ワカメの商品化、また、加工に手間が掛かるためあまり評価されてこなかった魚たちの加工に取り組んでいます。この魚たちはウロコ取り機を新しく導入したことにより、さまざまに新しい商品として育ちつつあります。 天然のワカメはとても好評をいただき出荷量も増え、町の新しい産業に育つ可能性が出てきました。
 『旨いねんけど、あまり知られていない魚たち』にスポットを当てて、漁師さんも消費者の方も喜んでいただける仕組みを作っていきたいと思っています。