よつばつうしん
2011年10月号(NO.007)

熊本産地交流(松村さんグループ・肥後れんこんの里)
まずは安全、と思ってましたが…
川嶋美佳(近江産直会員)

「肥後れんこんの里」のれんこん畑

松村さんグループの畑でぶどう狩り

「おいしい」の重み

 今回の交流会でわかったことがあります。わかっているようで、わかっていなかったこと。それは、「おいしい」の一言の重みです。私たち会員のおいしいの一言は、生産者さんにとっては何よりの喜び、また、励みとなるということを実感することができました。

安心安全は当たり前

 それともう一つ。生産者さんにとって安心安全は当たり前だったのです。その上で「やっぱり味が重要やけん」と皆さんおっしゃっていたことが非常に印象的でした。自分がおいしいと思うものを届けたいというキャベツ農家の緒方さん。おいしいと言ってもらうまでが仕事というスナップエンドウ農家の宮本さん。
 実は私は重要なのはまず安全で、味は二の次と考えていました。しかし、農家さんにとってはまず味だったのです! 会員においしいとうならせるために農家さんは日々努力されていたのです。

農家の情熱に驚く

 「肥後れんこんの里」のれんこん農家・作本さんは堆肥を自分で開発されて販売もされていました。ここまでされているのかと驚くと同時に、れんこんにかける情熱を感じさせていただきました。
 「松村さんグループ」のぶどう農家・松村さんは木に虫がついても、葉が枯れてきても、実が落ちやすくなったとしても、薬は極力かけない努力と工夫をされています。私の義母はぶどうを好んでは食べないのですが、松村さんのぶどうは「こんなにおいしいぶどうは食べたことがない」と絶賛していました。私もうれしかったです。

作物の裏側に思いをはせて

 今回、生産者さんと出会わせていただいたことで、作物の裏側に思いをはせることができるようになりました。それは作物に込められた生産者さんの思い、収穫までの苦労や自然の厳しさ、そして生産者さんの笑顔です。
 これからは精一杯のまごころを込めて「おいしい」と感謝を伝えていきたいと思います。ありがとうございました。


よつ葉の豆腐の原料は全て契約栽培大豆です
松本伊史(別院食品)

 大豆は自由化された頃から輸入大豆への依存が多くなり、自給率も5%まで落ち込んでいます。国産大豆を保護していくため、補助金が出されていて、現在市場に流通しているものは、ほとんどが補助金対象大豆です。
 大豆は米に比べて栽培管理が厳しく、収穫量も少ないうえ、価格も低迷していることから、農薬をたくさん使い大規模に生産されるようになってきました。国産大豆と言っても、安全ではなくなってきたのです。
 そこで、よつ葉ではより安全な大豆を手に入れるため、契約栽培に移行してきました。最初は30tから初めましたが、切り替えていくのは思っていたほど困難なことではありませんでした。よつ葉がお付き合いをしているお米や野菜の生産者たちが快く引き受けてくれたからです。
 現在、北海道、山形、滋賀、熊本、島根の生産者、よつ葉の世羅と別院の協同農場の7箇所で生産をしてもらっています。どの農家の人たちも農業の未来のことや自然環境、食べもののあり方を考えている人たちばかりです。だからこそ手間のかかる省農薬、無農薬栽培で大豆を育ててくれていると思っています。
 そして豆腐加工の現場ではそれぞれの産地で作られた多品種の大豆の特性を引き出しながら生産しています。手作りにこだわり一粒一粒の大豆と向き合っている加工の現場、流通、それらを理解し支えてくれる会員の皆さん、多くの人たちの思いや協力に感謝し、今後も豆腐作りに励んでいきたいと思います。


読書クラブ会員−わたしのオススメ
DVD『祝の島』
監督:纐纈(ルビ:はなぶさ)あや 2010年作品/日本/105分/税込定価3200円
製作:ポレポレタイムズ
『ライフ』440号でご注文ください
評者:上田由賀 (奈良南会員)

 瀬戸内海に浮かぶ小さな島、山口県上関町祝島は、1982年に島の対岸4kmに原子力発電所の建設計画が持ち上がり、以来、28年間反対を続けている。台風が直撃することも多く、岩だらけの土地には確保できる真水も限られ、人が暮らしやすい環境とは決していえないけれど、村の人々は、海からもたらされる豊穣な恵に支えられながら、互いに助け合い、分かち合い、底抜けに明るく、強く、海を守り続けている。
 何気ない日常、ふとした会話、淡々と繰り返される生活を見ているだけでこれほど泣ける映画は、未だかつて観たことがなかった。映画の中の「命をかけて何かを守ろうとしたことはあるか」という叫びは、ガツンと胸に響く。100年先の未来が今の暮らしの続きにあるとすれば、私たちは何を選ぶのか、原発は、いのちにつながる問題だと思います。映画「祝の島」にはそのヒントがたくさん詰まっています!
 一人でも多くの人に映画「祝の島」を届けたい、という思いから、上映機はすべて持ち込み、スタッフによる出前のような上映会「こたつだんらんツアー」をさせていただきました。小さな集まりで映画を観れることで、いろんな年代や地域の方と出逢い直すきっかけをもらえました。映画を観て終わり、でなく、感じたことを分かち合える場があったことで、表現した言葉が歩いて前に進んでいけるきっかけとなりました。自分に何ができるのかを考えた時、知ること、という選択もあると思うのです。上映会が、一人でも多くの人が、自分の目で見、感じ、人ごとでなく、自分の生きる場所、100年先のいのちにつながることなのだと考えるきっかけとなることを願います。
 上映会の貸し出し料金が改正になり、基本料金が21000円になりました。また、DVDも発売されました。知ることから始めてみませんか。
http://www.hourinoshima.com