よつばつうしん
2011年10月号(NO.007)


「被災地障がい者センターみやぎ」の活動に参加して感じたこと
ぷくぷくワールド


ぷくぷくワールドの作業所

 3・11東日本大震災、そして原発事故が起きた。地震、津波の被害の甚大さに呆然とし、特に原発(放射能)に関しては情報が示されず、TVを見るだけでも深刻な状態であることが容易に想像できる事態に、居ても立ってもいられない気持ちだった。それからネットでいろいろチェックする毎日。いくつかの講演会にも足を運んだ。
 また気になるのが、障がい者のことである。自分が日々過ごしている吹田市にある作業所「ぷくぷくワールド」でも、このようなことが起こったら!? 本当に困っているのではないか? 私たちに何かできるだろうか? そんな想いを持って、阪神淡路大震災をきっかけにできた、被災障がい者に特化した支援を行っているNPO法人『ゆめ風基金』の活動に5月と6月に計2回1週間ずつ参加させてもらった。実際に私が行ったのは、仙台を拠点とし、宮城県全域を活動範囲にしている『被災地障がい者センターみやぎ』。
 そこでは、避難所や仮設住宅、個人のお宅などを回った。活動内容は基本的に調査である。他に物資を届けたり、送迎を行ったりもした。要は、(孤立して)困っている人とつながるために、つなげるために調査をするのである。
 しかしそれは容易ではない。避難所で「障がいを持った方はいらっしゃいませんか?」と聞くと、ほとんど返ってくるのは「ここには居ません」との答え。大勢の方が同じ空間で過ごす避難所には、それなりの秩序を守れる方でないと居られないのが現状。私たちが大切にして取り組んでいる『地域で生きる』ということの困難さが、目の前につきつけられている。こういう時こそ『普段からご近所のつながりをつくることの大切さ』を感じる。それは私たちの住んでいる大阪でも同じこと。
 今、これから、地域の中で障がい者があたりまえに生きていけるような活動、災害時に取り残されないような活動こそが大切だと感じた。(高田 仁)


フィリピンの田舎を元気にしたい
ココウェル

水井さん(右)とスタッフの東さん

 フィリピンの田舎を元気にすると期待されるココナッツ。しかしまだまだココナッツ農家の大部分は、白い果肉を乾燥させたコプラを販売することによってわずかな収入を得ています。彼らの多くは、市場でより競争力があり高価で販売できるバージンココナッツオイルやココナッツシュガーの製造方法すら知らないのが現状です。
 ココウェルではJICAとも協力しながらココナッツ農家にバージンココナッツオイルやココナッツシュガーの製造方法の普及活動を始めました。そしてそこで作られたバージンココナッツオイルやココナッツシュガーをココウェルが買い取り、今後さらにココウェル製品に利用していきたいと考えています。
 また、昨年より商品1個販売につき3ペソ(約6円)を農家に寄付する「WITH COCO FARMER PROJECT」を行っています。売上からお預かりした基金は、新たなココナッツの苗や肥料として使われる塩の提供、また農家が災害に見舞われた時の復興支援等に活かされます。
 国内では、弊社と同じような思いで活動する団体を応援しようと5年前にアースデイ神戸、昨年ハッピーアースデイ大阪などのイベントを立ち上げました。エコロジー、国際協力、食育、子育てといったテーマを持っており、企画、ワークショップ、マーケット等で構成されています。ちょっとした体験やおしゃべり、お買い物を通じて世界のことを知り、これからの暮らしについて考えるきっかけを広く提供することができればと考えています。(水井 裕)


農業でパン作りの奥が見えてくる
パラダイス&ランチ

 パラダイス&ランチで自社農園を始めてもうすぐ2年になろうとしています。うちはパン屋さんであって、もちろん農家さんではないです。広さも10メートルの畝を8本ぐらい作るといっぱいいっぱいの狭い畑です。でもこれがほんとに大変で、農家さんには頭が下がるとともに、美味しい野菜を育てることの難しさを痛感します。簡単に無農薬、有機栽培が良いなんて言えなくなってきます。抜いても刈っても生えてくる雑草、虫たちとの戦いです。
 本業のパンを作った後、疲れで意識朦朧としながら畑仕事をしていると、畑をするきっかけとなった、やさか協同農場の佐藤さんからの言葉を思い出します。「パンばっかり作っていてもパンの本質は見えない。農業するとパン作りのもっと奥深くが見えてくる」。パン作りを始めて10年ほどが経ち、少し行き詰っていた僕にとって衝撃的な言葉でした。お酒の場での話だったので佐藤さんが覚えてらっしゃるかはわかりませんが…。
 でも、最近この言葉の意味がほんの少しずつですが解ってきた気がします。もちろんおいしいトマトを作れるようになれとか、パンに使う小麦粉を作れるようにならなければいけないとかそんなことではないと思います。もっと自然のことを知って、そこから自分自身の生き方、ものづくりの本質を考えていかなければいけないと思います。本当の正解はまだまだ解りませんが、いつかそんな話を僕も誰かに伝えられるようになりたいですね。(高木俊太郎)