よつばつうしん
2011年7月号(NO.004)

「大豆くらぶ」懇談会 & 試食会を開催
ご自宅で生育中の大豆の様子を写真にコメントを添えてお知らせください。HPに掲載させていただきます。
【送り先】よつば農産 yotuba-nosan@dune.ocn.ne.jp(0771-27-7500)


参加者の質問に答える橋本さん

大豆くらぶ懇談会に寄せてもらいました
橋本 昭(アグロス胡麻郷)

 6月4日よつ葉ビルでおこなわれました。津田よつば農産社長より、日本の「食」の中で米に次ぐ大切な大豆は国産がほとんどと言っていいほど生産されていないのでよつ葉が特に地場の生産農家に昔のように大豆を作りませんか?という企画で始めたけれど、近郊地場の農家の参画は多くなく、むしろ会員さんが積極的に活動しておられることや、3年続けたらご褒美に大豆くらぶで作られた大豆で加工した「豆腐」「味噌」「醤油」がもらえる仕組みの説明がなされました。
 大豆作りは国も交付金を出して推奨しているようですが、大規模・機械化の進んだ、時に自然を破壊し収奪的な外国の大量の生産・貿易の結果価格が合わず国産は不調と見受けます。小規模栽培に交付金も無く、米価の下落とともに農家には気持ちはあってもそんなことしてられへん。と言った感じでしょうか。
 集まられた会員さんの間では質問の時間も熱心に去年経験されたことや、今年に向けての相談が熱心に交わされました。気合いが入りすぎて密度濃くたくさん植え付けすぎたり、愛情と見て肥料を与えすぎたりしないようにとアドバイスさせていただきました。大豆は「粗放」を好みます。

自分の手で食物を育てる
前田康宏(府南産直会員・鍼灸師)

 無農薬米の塩むすびを頬ばり薫り高いお味噌汁をすすり少しの醤油を垂らした冷や奴に舌鼓を打つ。なんとも滋味溢れる試食会。
 今回初めて参加させていただいた大豆くらぶ懇談会&試食会。大豆作りを続けておられる方々の経験談では毎年手探りながら作っておられることを知り、大豆も人も似ているなと楽しく伺うことができました。
 ちなみに現存する中国最古の薬物書・神農本草経にも黒大豆のもやしが載っておりその重要さは明白です。
 僕は大阪・柏原市にてひっそりと鍼灸院を構えさせていただいているのですが、様々な患者さんの食生活を問診するにつれコンビニ食をはじめとする『崩食』の時代を実感しております。
 そんな時代に自分の手で食物を育てるとは? 頭で話を聞くのと実際に自分の手で大豆を育てることの間には長い千里の逕庭があります。そこで自分も育ててみることにしました。自分で育てれば、今より少しは患者さんに大きな顔ができるかも知れませんしね(笑)。

今年こそ「枝付枝豆」の姿に
村上智恵子(京阪産直会員)

 大豆くらぶは今年で3年目。1年目、2年目でうまくいかなかったことや気になることがあったので、初めて懇談会に参加してみました。私はマンションの南側ベランダにてプランター1台で栽培しています。
1年目(2009年)…種大豆(大粒)18粒→収穫(超小粒)29粒
 6月上旬に早速まいた。次々と発芽したが、7月末まで梅雨明けせず、晴天が少ない中でヒョロヒョロと伸びていく。予想していた「枝付枝豆」の姿とは程遠い「巨大大豆もやし」。それでも花は咲き、莢がついてきた。8月からは毎日朝夕2回のカメムシ取りに追われる。9月末に収穫。
2年目(2010年)…種大豆(大)14粒→収穫(大)150、(中)50、(小)12=212粒
 1年目の苦い経験から、梅雨明け宣言されてから種をまく(7月末)。晴天の中、元気よく育つ。支柱を立てるとツルのように巻きついてどんどんと伸びていく。またも「枝付枝豆」の姿ではなく「ジャックと豆の木」。背丈は140センチほどにも成長し、花も莢もたくさんついた。しかし、中身が膨らまない莢も多く、ポロポロと落ちていく。11月中旬に収穫。
3年目の今年の目標は「枝付枝豆」の姿に育てること!
 種子農家さんも里子に出した大切な種大豆が、大阪の片隅で、謎の「巨大ツル科植物」として育てられていたなんて、まさか思われてないことでしょう。
 懇談会で教えていただいたことを念頭に、@梅雨が明けてから種をまく(7月初旬)。A成長しすぎたら、芯を止めて樹勢を落とす。Bプランター1台に対して株数を減らす(3株くらい?)。Cカメムシがついたらニームに頼らず、ひたすら手で取る。…こんな感じで挑戦しようと思います。


読書クラブ会員−わたしのオススメ
『テクテクノロジー革命』

〜非電化とスロービジネスが未来をひらく
著者:藤村靖之+辻信一
2008年9月 大月書店 167頁 1260円(税込)
『ライフ』300号でご注文ください
評者:大平美和子さん(やさい村会員)

 「テクテクノロジー」って何? それは、テクテクと人間らしいペースで歩む科学技術です。この本は、非電化工房や発明工房などを主宰している藤村氏と、文化人類学者、環境運動家である辻氏の対談をまとめたものです。
 対談の本というと、中身が薄くてあっと言う間に読めてしまう本も多いのですが、この本は読みごたえがあります。非電化をうたっているだけあって、原子力発電にも疑問を投げかけています。本の第一刷が2008年となっているので、原子力発電やオール電化が世の中で讃美されていた頃の発行ですね。そこに藤村氏・辻氏の信念や気概を感じます。
 あるデータでは、今や新築注文住宅の51.8%が、オール電化住宅だということです。オール電化住宅の推進は、原子力発電とのセットです。藤村氏は、「先の先の世代にまで大きなツケをためて、今のささやかな快適を得る」ことへ警鐘を鳴らしています。「先の先の世代」どころか、もうツケは今の私たちへ来てしまいました。ようやく世の中が、藤村氏の発想に追いついてきたという感じでしょうか。
 ビジネスにしても、「スロー」「ローカル」という独自の切り口を持たれています。氏の発明の中で最も有名なのが、モンゴルでの非電化冷蔵庫です。これは私も、数年前にテレビ番組で紹介されていたのを、視たことがあります。電気がいらない冷蔵庫(氷も使いません)という発想に驚きました。価格も、モンゴルの遊牧民が買える価格を調査した上で設定。その価格に合わせて製品化する。製品の製造も、現地でやりたい人を募って作らせる。現地の人に喜んでもらえることが一番大切、とのこと。
 これからの生活を見つめなおすヒントを得るために、多くの方に読んでいただきたい本です。
※藤村靖之さんインタビューもお読みください。