よつばつうしん
2011年7月号(NO.004)


和玉こんにゃくを大事にしたい
大矢商店

 弊社では、毎年栃木県の契約農家で栽培されるこんにゃく芋の全収穫量を引取りしています。こんにゃく芋の品種は、和玉(在来種)です。現在では生産量が激減しています。なぜ、こんなにも和玉が生産されなくなったのかには理由があります。この品種は育成に3年かかり、大きく育っても1玉800gほどにしか成長しません。また、病気にもかかりやすく日々の手入れが欠かせません。
 一方品種改良された赤木大玉、はるなくろ等の品種は2年で大きく成長し(2〜3キログラム)、病気にも強く、作付け・収穫も大規模農地で機械化され、低いコストで生産できるので、農家の方にとっても育てやすいのです。
 このように、生産コストや育成にかかる時間の違いがはっきりしているので、どうしても品種改良された赤木大玉を作る農家が圧倒的に多いのです。
 しかし、この和玉でなければ本当に風味豊かで美味しいこんにゃくを作ることができないので、こんにゃく芋が豊作の年で価格が下落した場合でも、農家の方々の生活を守るため一定水準の買い取り価格を約20年間守り続けています。
 農家の方々が、安心して和玉を栽培し続けていただくには、すこしでも多くの方に本来のこんにゃく芋がどういうふうに作られているかを知っていただくことが大切です。
 また、私どもの暮らす地域は昔から環境保護指定地域として、農作物を栽培し田畑、水田を守り続けている地域です。その畑の一部で、ほんの少量ですがこんにゃく芋の栽培しております。農家の方とその年の作柄を話したり、育成の苦労を知ることにより、少しでも無駄の無いよう大切に使わせていただこうという思いが募ります。(大矢和弘)


沖縄コーヒーの仲間を増やすために
名護珈琲

 沖縄のコーヒー栽培は、90年の歴史がございます。最初に名護市で植えた方のご長女が今も健在で87才です。住宅の裏山には、ブラジルから来た古いアラビカ種の杜が茂っています。
 20年前にそのコーヒーの大木(幹周りが私の太ももぐらい)を見て、沖縄でコーヒーが育つということを知りました。同時期、恩納村の山城先生のコーヒー畑を拝見し見事に完成した木々に圧倒されました。低く円錐形に手入れされたコーヒーの枝は地面に這っていました。「これだ」と感激しました。
 枝いっぱいに真赤なチェリーが鈴なりに実り収穫も手伝いました。アラビカ種ニューワールドという品種です。苗もいただくことができて少しずつ自分の畑に植えてまいりました。
 山城先生からは多くのことを学びました。開花、管理、防風、施肥、剪定から発酵、精製、洗浄、乾燥、熟成、脱穀までのことを丁寧に教えていただきました。ただ焙煎だけは絶対に教えてくださいません。「人から教わることではない」と見学も許されませんでした。最後の総仕上げの焙煎は自分流でやるという教えだと理解し、何とか師匠のコーヒーに近づけたかと、昨年お邪魔して「悪くない」というお褒めの言葉を賜りました。
 その3カ月後のある朝80歳で突然「コーヒーの花のよう」ひとよ限りに咲くように山城先生のコーヒー人生は終わりました。後継者の育成、仲間を増やすことが遺言でした。あと10年は頑張って沖縄コーヒー栽培100周年記念行事に向けて精進します。(藤田義彦)


製造工程見直しで環境に配慮
中尾食品

 我社は、こんにゃく・ところてんの製造会社です。創立1927年で創業84年の会社です。
 私の祖父が始めた事業で、その後父が社長となり、14年くらい前に私が引き継ぎました。その当時、納入したスーパーや豆腐屋さんの廃業・倒産が続き、会社の売り上げが落ち、赤字経営が続いていました。私は大学卒業後、大手機械メーカーに勤務しておりましたので、その経験を生かし、製造・営業をしながら、経費のかかる機械メンテナンス(オーバーホール等)に力を入れて、製造ロスを減らすことができました。
 次に、ところてんの製造工程を改良しました。最初に大量の水を使い、天草を洗います。水の再利用として天草を圧力釜で煮て、ステンレス容器に注入します。その時にところてんを冷やし固めた流水を、水タンクに集めて、その水を天草洗いに再利用することでかなりエコになっていると思います。その後、溶接技術を取得して、使用していないステンレスタンクを、保温タンクとして、利用するために配管加工して、製造時84℃に沸かした温水を、製造終了時回収し、その温水をボイル殺菌に利用することで、ボイラーを助け、燃料も減らせることができるようになりました。
 また弊社では、車のメンテナンスをしておりますが、オイル交換時に出る廃油の利用を考えました。廃油ボイラーを作り、この廃油を燃料として湯を沸かすことで修理工場やガソリンスタンド、その他の会社の廃油を回収して重油の使用を減らすことにも成功しました。
 これからもエコについて考え、取り組んでいきたいと思っております。(中尾康司)