よつばつうしん
2011年6月号(NO.003)

 (その2) 藤井牧人

村の日常


家畜の青草を運ぶタルー族

 8000m級の峰が14座あるネパール。地形はヤク(高山牛)が放牧される高度4000m以上のヒマラヤ山脈、山の尾根から谷底まで段々畑が続く中山間地、インド・ガンジス平原の北端に位置するタライと3つに大別されます。僕が暮らしているのは、穀倉地帯でもあるタライ平原です。
 西洋の暦とは、異なる暦で動くネパールは今、バイサーク月(1番目の月)。タライ平原は、日中40度を越す一番暑い季節です。時より吹く強風と雷雨の訪れ(雨季直前)を合図に、上手のマハバーラト山脈では、山岳民族マガルによる火入れ(焼畑)が始まりました。下手の水まわりの良い水田では、先住民族タルーの女性達が田んぼの草取りしている風景が見られます。そして山岳部からの移住者が多く住む私達の地域では、トウモロコシの播種が始まりました。
 トウモロコシの播種前、家畜糞を積上げた堆肥を背負いカゴに入れ、畑に運ばれます。その後、2頭の牛を男性が操って、鋤を引かせて畑を耕します。後方からは女性がトウモロコシの種を「ばら撒き」蒔かれます。近年はトラクターによる耕運など機械化も浸透しつつありますが、依然、手・足を使った農作業が中心です。トウモロコシは挽いて粉にしたものを熱湯で炒って食べたりもしますが、主に家畜飼料用として作付けされます。また収穫後の乾燥した葉は水牛や牛のエサに、実をもぎ取った芯と太い茎根の部分は薪としても利用されます。
 ここでの農耕とは、トマトを専作するとか、ホウレン草を専作するとかではなく、食糧を作り、家畜を飼い、堆肥を積み、家畜のエサを刈り、薪を集めるなど、暮らしそのものを作ることです。そんなにお金がなくても、周辺にある資源でどうにか生活を成り立たせせることができるのです。それは思いのほか、「豊か」と表現できるのでは…。


ニュージーランドから
松村直美(元高槻生協会員)

 『よつばつうしん』、いつもありがとうございます。お陰で日本から離れていても、今の日本の現状がわかってありがたいです。5月号は震災の話がたくさん載っていて、今もなお、福島など被災地では不自由な生活が続いているのだと改めて感じました。何も出来ない自分が辛いのと、現地の方を思うと涙がこみ上げてきます。
 こちらNZでは、みんなで協力し合って地域を支えているのがひしひしと感じられます。何をするにも寄付、募金です。今週末は、フェアトレードバナナを作るエクアドルの農家を助けるのを目的とした募金活動が息子の学校で行われます。一房4ドルで、半分はエクアドル、もう半分は息子の学校の運動用具(これもフェアトレードの)を買うための費用になるそうです。こんな感じの活動が一カ月に1,2回は必ずと言っていいほどあります。そして、もちろん皆すすんで参加します。
 情けないのですが、こちらに来て初めて地域で助け合うという事を学びました。日本では自分の物を自分のために買う、というのが当たり前になっていて周りをみる気持ちが持てませんでした。こちらでいろいろな活動に参加させてもらったり、見させてもらって、人と助け合うことの大切さを知りました。これからもこの気持ちを忘れずにいたいと感じています。
 そんな気持ちになって『よつばつうしん』を読むと、今まで感じることのなかった行間の気持ちがわかるようになってきました。まだまだ私の人生はこれからです。何か人々の役に立てる事がしたいと思うようになってきました。『よつばつうしん』、楽しみにさせてください。


祝島たより 上関原発建設予定地島民から―
東北、関東の被災者と交流
祝島島民の会・山戸 孝

 3月11日から早くも2カ月がたちましたが、福島原発の事故は終息する気配を一向に見せません。福島県のみならず東北、関東と広い範囲にわたって野菜や魚、牛乳や牧草などから高い数値の放射線量が検出されたというニュースを見るたびに、原発というものは地元自治体や、そこの住民だけの問題ではないということを改めて思い知らされます。
 こういった状況の中で、被災された方、また放射能汚染を恐れて東北、関東から西日本に避難される方たちも多くおられるようですが、30年近くにわたる原発反対運動とそのつながりのなかで祝島や上関町のことを知って島を訪れる方もおられ、現地の様子や状況などを直接聞く機会が4月だけでも幾度もありました。
 私個人としても、強制避難対象となった南相馬市南部から避難し、少しゆっくりしたいということで祝島にしばらく滞在された農家の方から、一緒にひじきをとったりしながら現地の話、農家としての思いを伺うことができました。
 祝島島民の会や山口県内の原発反対団体としても4月22日、23日に山口市と上関町で、福島から子どもを抱えて福岡へ避難された女性のお話を聞く場を作りましたが、どちらの会場でも今まで原発反対運動に参加したことがないという方が多数足を運ばれ、関心の高さを感じました。
 特に上関町は祝島以外の場所では推進派が多数のため、原発反対運動関連の催しには参加したくてもできない、という空気がこれまでありました。しかし福島の事故を受け、本土側も多少変わってきたようにも感じます。
 また4月30日にはチェルノブイリ原発事故で被災し、その復興のために活動されていて、ちょうど講演のために日本を訪れていたパーベル・ブドビチェンコ氏に来島いただき、チェルノブイリの「当時」と「今」を島でお話しいただきました。今回の福島原発事故との共通点は多く、チェルノブイリの教訓を日本は生かしていないことを痛感させられました。


編集後記

 震災で大変な時期に、ユッケが原因の集団食中毒事件が起きました。店側と卸業者が利益と安さを求めた結果のようです。人と人の関係ではなくモノとお金の関係しか出来ていない結果、最後は言い訳と責任のなすり合いになり無様なことです。(大阪産直・岸野)

 政府は福島第一原発事故の賠償策を巡り、電気料金の値上げを容認する方向で調整に入っているらしい。これまで原子力発電所をある意味黙認してきたことの国民への代償であるが、また無関心のまま刻が過ぎ去ってしまうのか。(淀川産直・奥野)


EVENT INFORMATION

6/11(土)
脱原発世界同日アクション
 原発いらん!関西行動 第2弾
 ―関電は原子力からの撤退を―
集会 中之島剣崎公園(中之島公園東エリア)
 14:00〜1430 予定
デモ 御堂筋南下 淀屋橋−本町−心斎橋−ナンバ
 15:00〜16:30 予定
呼びかけ団体:ストップ・ザ・もんじゅ 他

6/25(土)〜
韓国ニューウェーブの名作映画2本を連続公開!
 『風吹く良き日』『鯨とり』
問い合わせ:シネ・ヌーヴォX(06-6582-1416)

6/26(日) 13:30〜15:30
第158回住まいの勉強室『保険の学習会』
場所:高槻市立総合市民交流センター
問い合わせ:072-671-2284(井上)