日本モンサント(株)に抗議書を提出
『ひこばえ通信』2002年11月号

GMイネなんかいらない!

 7月号で呼びかけをした、日本モンサント(株)あての「抗議書」の署名にご協力いただきありがとうございました。遺伝子組み換え(以下GM)イネの研究・開発を進める同社に対する抗議の署名は9月末日までに11240筆に達しました。10月3日(木)に東京都港区の同社に署名用紙を持参し、また、農林水産省に対してもGMイネの一般圃場での栽培認可に抗議する「申し入れ書」を提出してきました。

GMイネの実用化は思いとどまりなさい!

 連絡会事務局より2名、会員代表の2名、生産者の代表として丹波会の岡本さんと能勢農場の津田さんの計6名は、午後2時前に同社に到着。いかにも外資系らしいインテリアの応接室で、よつ葉の事務所とはえらく違うすわり心地の椅子にかけて待つこと数分、対応にでてきたパブリック・アフェアーズ部の担当者2名に署名を手渡し、同社のGM作物、とりわけ主食であるGMイネの研究・開発と実用化に向けた動きに対して抗議の意志を表明しました。
 同社が愛知県農業総合試験場と提携して進めている除草剤耐性のGMイネ(祭り晴)の研究は、すでに農林水産省によって一般圃場での栽培が認可され、あとは厚生労働省によって食品としての安全性が認められてしまえば商品化が可能なところまできています。
 (1)食品としての安全性 (2)環境の汚染 (3)多国籍企業による種子の支配 などの点ではかりしれないリスクをかかえるGM作物の商品化が、主食のイネにまでおよぼうとしているのです。
 「商品化へ向けて具体的な検討に入っているのか?」という質問に対しては「生産者・消費者・流通業者に認知されないまま商品化しても仕方がないので、安全性の確認に時間をかける」と言い、「一部で今にも商品化されそうに伝えられているのは事実ではない」という応え方をしていました。
 「GM技術の研究自体は必要なことだと考えている」という彼らに対して「そんな技術は私たちにとっては何のメリットもない」、「アレルギーへの不安をどうしてくれる」、「狭い日本の農地でアメリカ的な農業技術が何の役に立つのか」と、消費者と生産者の実感のところから意見を言いましたが、「GM作物を含めた選択の自由があるはず」と形式的な自由論議を持ちだし、あげくに「心配のしすぎ」と言うのでした。
 まったく、食べ物も生き物も工業製品のように扱い、日常的な食べるという行為が、多国籍企業や国家の戦略などで左右されることへの素朴な違和感をわかろうとしない人たちがいるうちは心配の種はつきません。
 「もっと日本の農業のためになることで儲けてください」との発言に対する「そういう儲け方があったら教えてください」という返事を聞いて、次の目的地である農林水産省に向かうことにしました。口々に「イネについては思いとどまるように」と言い残してきたのはもちろんです。

誰のため、何のための研究なのか?

 田町の駅で日本農業新聞の記者氏と合流し、農水省へ。同省への「申し入れ書」の提出は衆議院議員中川ともこ事務所の北川さんとともに7名で行いました。アポイントをとるときに、あちこちたらい回しされ、たどりついたのが農林水産技術会議事務局先端産業技術研究課というところ。どうやら農水省きっての推進派のところへ反対論をぶちに行ったらしく、話はかみ合わないまま。
 誰のため、何のため、という議論を抜きにした「研究は必要」との発言はここでも同じでした。食としての安全性についての考え方を聞くと、「それは厚生労働省が判断すべきこと」。あまりに絵に描いたようなお役人的な回答に失笑がもれました。「農」という字がつくので誤解していましたが、この省は食べ物や農民とは関係なしに研究のための研究を推進するところのようです。そのバイオテクノロジー万能主義的な話を聞いていると、この国で実際に農業に従事している人たちの姿など、思い描いたことすらないのではないかと思えました。
 今後の取り組みですが、11/17(日)に名古屋で『ストップ!GMイネ全国集会』が開かれます。この秋は愛知県が多くの反対の声を押し切って、県農試にGMイネの研究予算をつけるかどうかの山場になります。
 関西よつ葉連絡会としても集会の賛同団体に加入し、共に行動していくことになりました。生産者・流通業者・消費者が力をあわせて、GM作物は作らない、扱わない、買わない、を徹底させていきましょう。

(連絡会事務局 下村)