関西の水を知る 水に学ぶ

讃岐田訓(神戸大学)

最終回:水の大切さ、伝えてください

 このコーナーで連載してきました内容は、私の大学でも、ほぼ半年かけて講義します。90分授業で13週ぐらい、みっちりと教えます。

学生の間でも強い関心

 自分で言うのもなんですが、学生間での人気は抜群です。たとえば、先日、私の講義について、学生による授業評価の結果が大学事務局から送られてきました。これは、123名の夜間コースの学生に対して行った授業の分でしたが、総合評価として、5点満点に対して、4.7点という、きわめて高い評価を学生からもらいました。
 夜間コースの学生が高く評価してくれたことは、ことにうれしいものでした。かれらのほとんどは昼間、働いています。年齢も生活事情も千差万別の男女です。学生が本業ではないのです。そういう意味で、幅広く、社会の人びとに足しになったと感じています。
 ただ、学生にとって、良いことばかりではありませんでした。数年まえのこと、まだ神戸が高度処理になっていなかった頃でした。4月からの講義でしたが、神戸の水道水は発ガン性が高いこと、ほとんどが淀川の水で、京都市民の分だけでも30万人分のうんことしっこが毎日流れてくることなどを、何週にもわたって話していました。
あるとき、富山から来て下宿していた女子学生が相談にきました。はじめの頃は水道水が飲めないだけだったが、だんだんと顔も洗えなくなり、最近では手も洗えなくなってしまったというのです。なんとか夏休みまでがんばり、富山の実家に帰省しました。しかし、夏休みが終わっても、神戸には戻れませんでした。結局、退学しました。
彼女が18歳まで飲んでいた富山の水道水は、立山の雪解け水や、湧水でできていたのです。抜群に安全で、おいしい水であったのです。ちなみに、富山市は今年から、なんと水道水をペットボトルにつめて販売しています。

命のつぎにだいじなこと

 私はいろんな町の市民講座などでお話をしてきました。お話の後、共通して聞かせていただいた感想は、「いちばん身近で、命のつぎにだいじなことなのに、ほとんど知らなかった。ほかのみなさんにも、ぜひ知ってほしい。とにかく、帰ったら、まず家族みんなに話します。」というものです。
 水の大切さを、まずは、近くの人に伝えてください。一滴の水をだいじにすること。そして、一滴の水の安全をだいじにすること。私も伝えつづけます。どんなに小さな集まりでもかまいません。どこへなりと、出前の注文うけたまわります。

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