関西の水を知る 水に学ぶ

讃岐田訓(神戸大学)

■第2回 沸騰させる必要はないの?

 みなさんこんにちは。ところで、このまえ「水道水をそのまま飲んでいますか?」という題で、オゾン・活性炭でつくった高度処理水のことを書きましたら、ある読者から質問があり、自分は沸騰させたものを飲んでいるが、もうその必要はないのかというものでした。私は、水道屋を少し持ち上げ過ぎたことをお詫びし、やはり沸騰させて、より安全性を高めて飲んでくださいとお答えしました。

沸騰してもすぐに火を止めてはダメ

 そのとき、その方とのお話の中で、なにか気になる予感がありました。教え魔の私のこと、悪い癖が頭をもたげてきました。失礼だとは思ったんですが、沸騰のさせ方をうかがってみました。案の定、予感は的中です。沸騰はじまったら、もったいないからすぐに火を止めているという。「アッチャー。えらいこっちゃ。発ガン性、最高に高めて飲んではるぅー」。
 沸騰させることで、残留塩素を追い出し、より「おいしい水」にし、トリハロメタンのような揮発性の発ガン物質を追い出し、より「安全な水」にする。これは間違ってはいない。しかし、落とし穴があったんです。水道水には殺菌性をもたせておくために、必ず残留塩素が入れてあります。そして、水道水には微量の有機物も含まれています。たとえば、やかんで沸騰させるために加熱をはじめますと、残留塩素と有機物が化合しはじめ、トリハロメタンのような発ガン物質がどんどん出来てきます。沸騰直前で最高になるわけです
 沸騰はつづけること、これが大事です。やかんのフタを少しずらして、火力を落とし、せめて三分ぐらいは沸騰をつづけてください。このときにこそ追い出すことができるんです。

フタをずらして、換気もしっかり

 このとき、フタをずらすのは重要です。塩素やトリハロメタンを逃がしてやる必要があるからです。いま出回っている電気ポットがいい例です。沸騰後、しばらく蒸気を吹かせるようになっています。以前のは密閉性で、毒を最高に高めて飲んでいました。
 火力を落とすのも大事です。強火で沸騰させると蒸発が激しくなります。水道水には極く微量ですが、鉛やカドミウムのようなものが含まれています。これらを濃縮してはならんのです。
 換気する事も不可欠です。水道水を沸騰させるとトリハロメタンが出てくる。湯沸し器のある台所や、風呂場はガス室になります。長々とシャワーしていませんか? すべてのトリハロメタンがシャワーの穴から出てくるんですよっ!

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