関西の水を知る 水に学ぶ

讃岐田訓(神戸大学)

■第1回 水道水をそのまま飲んでいますか?

敬遠されてきた大都市部の水道水

 みなさんこんにちは。ところで、大阪や神戸、あるいは阪神間に住んでおられる方に、特におうかがいしますが、あなたは普段、水道水をそのまま飲んでいますか。普段は飲んでなくても、最近、水道水をそのまま飲んでみたことが、一度でもありますか。
 読売新聞社が昨年の夏に行なった全国世論調査によりますと、ふだん、自宅で飲んでいる水について、水道水をそのまま飲んでいる人は、町村部で58%ですが、大都市部では33%にとどまっています。
それでは、大都市部の人はどんな飲み方が多いかをみますと、浄水器などを通した水が47%、ミネラルウオータが39%、水道水の湯冷ましが21%です(複数回答)。なお、この傾向は若年層になるほど強いそうです。
 大都市部で水道水が敬遠される理由の最たるものは、味のまずさと、不快な臭いです。また、貯水槽や水道管の汚れ、消毒剤による発がんの可能性なども理由になっています。関東や近畿では、水源となる河川や湖沼の汚染が水道水に悪いイメージを与えています。

知っていましたか、浄水方法の大転換

 冒頭で阪神地域に限定したのは、実は理由があるんです。もちろん、この地域には、淀川の水からつくった、まずくて臭く、発がんの危険性がきわめて高い水道水が供給されてきました。
しかし、だまされたと思って、水道水をそのまま飲んでみてください。驚いてはいけない。以前のようにまずくはない。不快な臭いもないんです。塩素消毒による発がん性も3分の1位に低下しています。知っていましたか。いままでの水道水に対する先入観から離れられないのではありませんか。
 種明かしをしますと、浄水方法が大転換されたからです。ほぼ10年がかりで、巨費を投じて施設をつくりかえました。塩素処理浄水法からオゾン・活性炭浄水処理法(高度浄水処理法)に、2年〜4年前にすでに切り替わっています(表1)。
 と、ここまで書くと、「おまえ、ひょっとしたら、水道屋のまわしもんとちゃうか?」といわれそうなので、ひとこと言うときますと、17年ほど前から、琵琶湖・淀川の水問題で、市民・研究者グループとして行政と渡り合ってきました。その中で得たひとつの成果だと思っています。
 これまで、何十年も飲まされてきた「まずくて臭い、危険な水」は、どこに原因があったのか。次回はこのあたりをお話することにします。

(表1) 高度浄水処理施設の建設概要
事業体
供給量/日
総建設費
全面供給時期
大阪府水道
270万トン
880億円
1998年7月
大阪市水道
240万トン
750億円
2000年3月
阪神水道企業団*)
130万トン
470億円
2001年4月
 *) 神戸市、芦屋市、西宮市、尼崎市の共同事業体

 

[1][2][3][4][5][6][7][8][9]