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2011年2月号(第295号)

「よつ葉の年間予約米」―まもなく注文受付開始
気ごころ通じた農家のお米を
こんなにあるTPPへの疑問・問題点
くらしからの政治
野良仕事のひとりごと
大阪から 生産者自己紹介
ぐるーぷ自己紹介 枚方東部おやこ劇場
会員のひとりごと/
『百年の愚行 ONE HUNDRED YEARS OF IDIOCY』
おたより掲示板
ヤマヒサ産地交流会に参加して
うまい話まずい話
福祉だより
帰ってきた「こんなんしてます」コーナー
連載 いのちを育み、つないでいくために
ヒー・コー・バー、編集後記



 「よつ葉の年間予約米」は2004年に始まりました。政府はこの年から「米政策改革大綱」に基づく経済優先の諸施策を実施し始めましたが、よつ葉は暮らしや文化の視点からも農業が地域で成り立っていくために、各地の特色ある米づくりを少しでも応援したいという思いからこの試みをスタートさせたのです。最近の著しい米価の低迷と、貿易自由化推進でさらにそれを助長しようとする民主党農政のもとにあっては、生産・流通・消費が手を結んで米づくりを支える活動がますます必要とされています。3月の注文受付開始を前に、よつば農産の津田さんに、改めて「年間予約米」の取り組みついて語っていただきました。(編集部・下村)
「年間予約米」は『ライフ』110〜140号の
注文用紙でお申し込みください。

「よつ葉の年間予約米」―まもなく注文受付開始
気ごころ通じた農家のお米を
津田道夫(よつば農産)

故郷から届くお米のように

 2003年の不作によるコメ不足をきっかけに2004年からスタートした「よつ葉の年間予約米」。今年で8年目を迎えます。都会に暮らす私たちが、毎日食べるお米を、気ごころが通じた農家の皆さんに作付をお願いし、育ててもらって、1年間届けてもらう。故郷の親や親戚、友人から、獲れ秋に送られてくるお米のように、スーパーで買う米とはちょっと違うつながりを大切にしたいという考えから始めました。
 3月、農家がその年の米づくりの準備を始める時期に合わせて、年間予約米の申し込みを受け付けます。苗づくりが始まり、田んぼに水が入って、田植えが始まるのが5月。年々強まる夏の高温対策として、田植えの時期をおそくする傾向が続いて、6月に入ってからの田植えも普通になりました。7月、8月。水不足の心配、カメ虫対策、水管理。9月から10月にかけての収穫にむけた細やかな心配りが続きます。そして、予約をいただいてから7カ月。11月からようやく皆さんのお宅に、「よつ葉の年間予約米」の新米が届くのです。その間に数回お届けする『お米通信』が、稲の成長や農家の作業をお知らせして、ちょっとでも、同じ時の流れを感じてもらえればと考えて7年間続けてきました。

農家との交流をさらに進めます


山形で開かれた「予約米会議」の翌日には、参加者で「米工房たかはた」の施設を見学しました。

 8年前、「弥栄のコシヒカリ」と「地場のコシヒカリ」の2アイテムで始まった予約米は、今では4産地6アイテムに充実しています。2011年、新年早々の1月15日〜16日、山形県高畠町のおきたま興農舎で、11年産「よつ葉の年間予約米」の生産農家の集まりが開かれました。
 参加された生産農家の代表は、島根県弥栄村のやさか共同農場・佐藤さん、大阪府能勢町の北摂協同農場・上田さん、京都府東別院町の別院協同農場・梶原さん、青森県の青森新農研・一戸さん親子、そして、地元高畠町のおきたま興農舎・小林さん、横山さん、吉田さん。会議は10年産の作柄報告に始まって、民主党の農政批判、最近の米余り状況に対する将来展望まで、3時間があっという間にすぎるほど、白熱した論議がかわされました。
 よつば農産の方からは、今年は原点に戻って、「よつ葉の年間予約米」をよつ葉の会員の皆さんに強くアピールしていきたいと提案しました。米農家と会員の皆さんの間を、ちょっとでもつないでいきたいと思う試みの一つとして始めた「よつ葉の年間予約米」が、年々お米を売るためだけの仕組に風化してしまっている現状を感じてきたからです。
 毎年3月、カタログ『ライフ』で予約米の申し込みを募るだけではなく、各配送センターの職員の人たちにも呼びかけ、「よつ葉の年間予約米」の出発点を訴え、会員の皆さんにも声をかけてもらえるようにと、今年は、2月に10カ所以上の配送センターで、職員、会員、米農家の車座交流会を開く準備を始めています。10年産予約米のお米を試食してもらうために、1キログラム単位で「予約米」の試食企画もカタログで初めて試みました。
 そんなよつば農産からの提案に、参加していただいた農家の皆さんからは、「ぜひ協力したい。試食用のお米を持って、会員さんのお宅を訪問してもいい」とか「どんな米を会員の皆さんが望んでおられるのか、直接、話を聞きたい」といった意見が返って来ました。おきたま興農舎からは、ワゴン車を走らせて、2月の交流会に4人の生産農家が駆けつけてくれるそうです。
 お金さえ出せば、何でも手に入れることができるという幻想が根強く現代人にはびこっています。まぁ、そう信じさせてしまうような出来事に事欠かないのも事実です。けれど、命をつなぐ食べものが、お金の介在によって、その命の誕生、成長の過程をまったく見えなくさせられてしまっていることを、恐ろしいと感じる感性を、人は失ってはいけないと思います。
 そんなよつ葉の主張をカタチにした「よつ葉の年間予約米」。カタチだけに終わらせないように、農家と会員のむすびつきを大切に、11年産の稲の成長を応援し、感じてもらえるよう励んでいきたいと思います。