ひこばえ通信
2011年1月号(第294号)

福祉だより ケアプランとまと日記(9)
ケアプランとまと 津田順子

迷惑をかける!?

 私がケアマネージャとして担当させてもらっているご利用者のうち、7割の方がお一人暮らしです。概して、女性の方がお元気ですね。子どもさんが近所にお住まいの方、遠方におられる方などいろいろですが、皆さん口々に、「家族に迷惑をかけたくない」とおっしゃいます。
 最初は、世話になんかならないで自分のことは自分でするゾというご本人の自立意欲だと思って聞いていたのですが、最近、ちょっとおかしいなと思うようになりました。
 「息子は仕事で帰りが遅いから…」「娘に孫が生まれてその世話で忙しいから…」「共稼ぎでバタバタしているので…」「おしゅうとさんの世話をしているのでたいへんなの」など、子どもさんやお嫁さん、兄弟姉妹へのやさしさやいたわる言葉がいっぱいです。ご家族には心配をかけないように「元気よ」と元気そうにおっしゃっているので、ご家族さんは、元気にしていると思い込んでおられるんだと思います。
 しかし現実は、さびしさからご家族からの電話をじっと毎日待っておられたり、ヘルパーに過剰に依存されていたり、気持ちが不安定なせいかその暮らしぶりにいびつさを感じる方もおられるのです。
 Hさんは独居です。パーキンソン病という、脳神経に異常がおこる難病で治療法がない病気に苦しんでおられます。1日のうち、自分で動ける時と介助が必要な時間があるので、ご本人と相談して、毎日、訪問看護とヘルパー、最低二人がケアをするために自宅を訪問する介護プランをつくっています。ご家族からは毎日電話があって、良好な関係です。
 お一人暮らしが長い方ですが、夜間に看護師さんに緊急電話される回数が増えてきました。体が動かない時間が増え、夜間にいるはずもない家族が目の前に現れたり(幻視幻覚)して、不安感が増しているようです。気持ちはさびしいんだと思うのですが、ご家族には大丈夫よとおっしゃっておられます。
 家族のある方は、介護保険サービスは、「他人の世話を受けるので気兼ねがない」からとおっしゃいます。確かに、介護保険サービスで家族の負担は軽減しました。しかし私自身は、家族に負担をかけないきれいなつきあいより、すねたりケンカをしたり問題をおこすようなドタバタした関係のほうが、人間関係・つながりとしては深まり、味が出てくると思うのですが。