ひこばえ通信
2010年12月号(第293号)

ぐるーぷ自己紹介
青の里地球まるごと会議 《福井県高浜町》
原子力に支えられる町から環境を支える町へ

地球まるごと感覚を大切に


スパイラルガーデン
 私たちの住んでいる町は福井県高浜町。海と山に囲まれた人口1万2千人ほどの小さな町です。この町には海と里を見下ろす青葉山という大きな神体山があり、町の人に「あおばさん」と呼ばれ、とても親しまれています。
 この青葉山の麓は昔から「青の里」と呼ばれているのですが、私たちはこの青の里である町づくりをしています。その名も「青の里地球まるごと会議」。民宿経営者、看護婦、アロマセラピスト、ログビルダー、百姓、猟師、コックさん、教育関係者、行政等さまざまな個性を持っている人たちで構成され、小さな子どもを持つ主婦が事務局をしています。
 田舎町のまちづくりですが「青の里地球まるごと」という名のとおり、自分の住んでいる地域から地球感覚でできることを目指しているグループでもあります。メンバーそれぞれの表現方法は「青葉山が好き、海が好き、農業を続けたい、昔ながらの暮らしが好き」と様々にあり、自分の好きなものにこだわりながらも、そこだけに執着するのではなく、ちょっと遠くから自分たちのことを見てみようという地球まるごと感覚を大切にしています。
 「青の里地球まるごと会議」の構成は現在、森楽部、海楽部、農楽部、食楽部の4楽部構成。それぞれの楽部によって、森林セラピーやシーカヤック、パーマカルチャー、伝統料理などを人と人、人と自然のつながりを大切にしながら、近い将来に持続可能な暮らしができる日が来ることを夢見て、勉強と活動を続けています。

原発のある町で新しいビジョン模索

 そして私たちの町には原子力発電所があります。核廃棄物処理の問題が未解決なこともあり、私たちは原子力発電所に対して積極的な関わりも大切にしています。
 日本の原子力政策は戦後、国策として設けられ現在に続いているものです。その国策に基づいたエネルギー政策「原子力」の安全を守るために電力会社は日夜、働いています。廃棄物問題はこの電力会社に押し付けて、答えがすぐに出てくるような簡単な問題ではありません。
 複雑な社会構造、差別問題、国際問題…さまざまな事情が絡み合って現在の日本社会は成り立っています。その入り組んだ社会の中にあるエネルギー政策の問題解決は、この時代を作ってしまった私たち一人ひとりが意識を持たなければ難しい事だと私は思っています。
 原子力発電所で作られる多大な電気を使用しているのは私たち国民です。その需要がとどまらない限り、電力会社がその需要に応えるために電気を供給するというシステムはごく自然な「神の見えざる手」です。電力会社は需要に応えているだけ、とてもシンプルです。
 そのシンプルな問題の中で、拳を上げて「誰が正しい、間違えている」という討論で新しい未来が見えてくるのであればそうしてもいいかもしれません。けれど実際に原子力発電所を見上げてこの町に住む私たちは、さらに新しいビジョンが必要だと感じています。
 時に小さな子どもを抱きしめるこの手に何ができるのだろう。そう模索しながら私たちは「青の里地球まるごと会議」で自然との関わりを大切にしながら新しい未来のために今、できることを続けていこうと思っています。小さな暮らしの中でしっかりと現実を見据えながら大きな夢に向かって。
 最後にナナオサカキさんの詩を紹介させてください。ありがとうございました。

  足 に 土 
  手 に 斧
  目 に 花 
  耳 に 鳥
  鼻 に 茸 
  口にほほえみ
  胸 に 歌
  肌 に 汗
  心 に 風
  これで十分

 

青の里地球まるごと会議
代表 日高裕美子
ブログ『青の里、小さな暮らし。』
http://blueleaf01.blog91.fc2.com/
で「青の里地球まるごと会議」の日々を発信しています。