会員のひとりごと
「まんまんちゃん」のはなし
☆井上浩子(ひこばえ通信助っ人会議)
毎年、うちの実家にはお獅子がまわってきます。うちの場合いつも祝日にあたるので、今でも毎年子どもらを連れて見に行きます。あの風貌は小さい子にはインパクトがあります。舞いの後に子ども達の頭を噛んでまわってもらうのでなおさらです。次男は長いことアレが鬼門でした(笑)。今は次女がその真っ只中です。よく「赤いわんわんが見てるよ」と脅し(!)に使います。
こういう幼児期の「アニミズム」的体験も大事なんだと思います。お茶碗などが割れたりしたときの彼女のリアクションがすごい。「お茶碗、死んじゃったの?」と悲しみ、ゴミ袋にさよならすると自然と手を合わせてごめんね、ありがとうね、まんまんちゃんのとこ行ってくださいとお別れしに来る。見てるとこちらも神妙な気分になります。
今時の子どもって、モノに対する愛着とか執着とかがすごく薄い気がするんです。特にびっくりするのが、おもちゃなどをぽんぽん友達にあげてしまう子が多いこと。うちの子はもらう側のタイプですが、そんなことがあったら必ずいったん返すかして、もう一度先方の事情を確認させています。「モノはモノであってモノでない。作った人や買い与えてくれた人などの苦労や気持ちがカタチになってるんだ」から、その気持ちをきちんと汲み取ったうえでやりとりしてこい、と話しています。
リサイクルの必要な時代だからこそ、きちんと、モノとは手をあわせてお別れし気持ちは心に留めておくという、敬愛や畏怖の感覚が根底に育ってほしいと思うのです。 |