ひこばえ通信
2009年8月号(第277号)

第2回:特定保健用食品(トクホ)のウソ

 特定保健用食品(トクホ)がいろいろと開発されていますが、今度はサンスター鰍ェ「緑でサラナ」という野菜・果物混合ジュースを売り出しました。同社はブロッコリーやキャベツに含まれるS-メチルシステインスルホキシド(略してSMCS)というアミノ酸にLDLコレステロールを下げる作用があることに注目して、10年かけ(本当かな)、開発したそうです。
 一般に、必要以上のコレステロールは肝臓において酵素の働きで胆汁酸に変えられ、小腸で分泌され体外に排出されます。この処理能力を超えて動物性脂肪をとるからLDLコレステロールが増え、血液がネバネバになって血管を傷つけ、動脈硬化へとつながります。SMCSはこの酵素を活性化させてくれるので、処理能力が高まるわけです。
 ここからはぼくの考えです。人間の体内にはいろんな酵素やホルモンが働いていますが、いずれもタンパク質です。よく知られているのがインシュリンですが、これもタンパク質の一種類。そしてタンパク質はいろんなアミノ酸がつながって(だいたい100個以上。それ以下の場合はタンパク質みたいなもの)できています。だから、SMCSはおそらくコレステロールを胆汁酸に変える酵素の材料になっていて、これが届けられることで、その他のアミノ酸もつなげて酵素が作られているのでしょう。
 ちょっとややこしい話に深入りしすぎました。話はもっと簡単で、私たちはお肉を食べる時にキャベツやレタスなどの野菜をいっしょに食べる方がいいことを知っています。韓国の焼肉ではタレに野菜や果物がすりこんである上、食べる時に焼き野菜と焼き肉をチシャなどでくるんで食べます。また、新世界のジャンジャン横丁の串カツ屋さんのカウンターにはボールに入った乱切りのキャベツがドンと置いてあって、こちらは食べ放題です。だからサンスター鰍ヘトクホのジュースを作るよりも、「お肉を食べる時にはキャベツをちゃんと食べましょう」と言ってくれたらいいのです。
 そもそも、現代の日本人は肉の食べ過ぎです。トリのカラ揚げに至っては世の中にあふれていると言っていいほどです。ホカ弁でもコンビニ弁当でも王将の各種定食でも、これでもかと言うぐらいついてきます。そして、肉の食べ過ぎがガンの発生にもつながることはもう常識になっています。キャベツを食べたりする前に、肉そのものをもっと減らす必要があります。
 肉を減らして、かわりに魚を食べるだけでも効果があります。魚にも油が含まれていますが、植物油と同じ不飽和脂肪酸でできていて、HDLコレステロール(善玉)を増やしてくれます。