ひこばえ通信
2006年9月号(第242号)

リレー連載  Non! GMO・産地からの声 最終回
ヨーロッパでも日本でも同じ、GM食品にまつわる素朴な疑問(2)
アキコ・フリッド(現在、グリーンピース・ジャパンにてGMO問題担当中)

 遺伝子組み換え(GM)作物には特許がかけられている。特許は発明品に申請されるものなので、生き物が特許申請の対象になっていると知った時は驚いた。そこでまた素朴な疑問がわいた。特許までかけるほどのものなのに、どうしてきちんと表示して消費者にそのことを伝えたがらないのだろうか。通常、特許品にはその旨について表示があるのに。どう考えても胡散臭い。
 どうして、表示したがらないのか。それは表示したら売れないと関係企業や業者が承知しているからだ。EUの表示制度については前回触れたので省略するが、すべてが表示対象となった04年の4月以降、GM表示して売られている食品は一般食料品店では見られない。スウェーデン国内で表示して売られているのは日本製の醤油や味噌くらいで、一般的にスーパーで売られている商品にはGM表示したものはない。会社に問い合わせると、「消費者が買いたがらないのでGM原料は使わない」という答えが返ってくる。
 日本の表示制度では原材料の上位3位までが表示対象となっている。加工中にタンパク質やDNAが分解される油や醤油などは、表示の対象からはずされている。EUでは、すべての原料が表示対象である。最終製品にタンパク質やDNAが残っていなくても表示の対象となっている。「農場から食卓まで」というトレーサビリティー基準を使って、原料一つひとつの道程が把握されている。これによってすべての原料表示が可能となる。
 日本とEUのGM表示。もう一つの違いは、「意図せざる混入」に対する閾値(混入許容値)である。これは、流通の過程で他の種が混ざる可能性を考慮した考え方で、例えば、種がベルトコンベアーで運ばれる際に、そこに残留している他の種が混ざったりすることを指している。しかし、この許容値が、日本では5%で、EUでは0・9%。大きな違いがある。よって、EUで販売されている日本製加工食品に異なる表示がされている。EUで実施している全原料対象表示を日本で実施することも不可能ではないはずだ。
 さて、最後にヨーロッパからの近況報告をする。ヨーロッパでは近年、GMOフリーゾーンが広がっている。全体で4500以上の地方自治体や地域が、GMOフリーゾーン宣言をしている。GM作物は植えないという宣言だ。つい最近ではポーランドの全16自治体がGMOフリーを掲げた。農業を守りたい、食文化を守りたい、健康を守りたい、環境を守りたい、とヨーロッパの人々は一丸となって、ヨーロッパからGMOを排除している。日本もそれに続こう! 詳細はこちらでどうぞ(http://www.gmofree-europe.org/index.htm)。