ひこばえ通信
2006年3月号(第236号)

一歩前進 地場4地区が判別可能に
よつば農産・津田道夫

 この間、お伝えしてきた農水省近畿農政局とよつば農産との原産地表示についての話し合いのその後です。
2月8日(水)、近畿農政局の消費安全部表示規格課の指導官をはじめ計5名の方々がよつば農産の現場を訪問され、話し合いを持ちました。テーマは、前回の調査で、よつ葉の地場野菜の袋にJAS法で定められている原産地表示(府県名)がないので、是正してほしいということです。

実体が不十分というならともかく

 よつば農産としては、JAS法で定められている原産地表示以上の地場野菜の産地生産者、栽培方法等を『ライフ』を通じて提示しており、集荷、検品、小分け、仕分け作業を見てもらえれば、その実態は明らかなので、何故「府県名」表示にこだわられるのか判らないという主張を再度述べさせてもらいました。
 で、農水省の方の提案は野菜の袋に「大阪府」か「京都府」のシールを一枚貼っていただくわけにはいきませんかということでした。「そんなシール、なんのマジナイになるのですか」と話し合いに参加されていた配送センターの職員の方から声が挙がりました。
 このあたりを議論していくと、農水省がJAS法の表示基準を、制定当初は適用外とも受け取れる答弁をしていた「産直流通」「提携流通」にまで、きっちり適用していく方針に、なし崩し的に転換してきているという印象を強く感じました。言い訳として「インターネット通販」「カタログ通販」が普及してきているので、例外をつくるわけにはいかないということのようです。
 よつ葉は、JAS法で定められているから仕方なく現在の実体をつくってきたわけではありません。本当に食べものが育つ過程に責任を持ち、その現場を大切に受け継いでいくためには、そんなやり方が不可避だと考え、試行錯誤を繰り返しながら、会員の皆さんと協同で今の実体がつくられてきたのだと思います。法律は、そうした人間の営みを発展させるためのルールとして人がつくったもので、法律によって何かが生み出されるのではないと思うのです。
 それでも、とにかく府県名が表示されていないのだから上にお伺いをたてるということで、その日は帰られました。

なんで△?よつ葉の地場表示

 会員の皆さんの中から、前回の『ひこばえ通信』に掲載された「地場野菜」の論議に対して、安易に「地場」とひとくくりにしないで、もっと生の情報が欲しいという御意見もいただきました。そうした御意見に応えるために、よつば農産としても前向きな改善策を考えていきたいということで、話し合いは継続していくことにしました。
 2月22日、3回目の話し合いが行われました。農水省の指導は、やはりJAS法の原産地表示規定に沿って「府県名を書いたシールを貼っていただけたら」ということでした。よつば農産としては、そんな解決策はよつ葉の会員の皆さんにとって、なんのプラスにもならないと繰り返しました。で、よつば農産で論議して、これまで地場野菜の産地4地区(北摂協同農場・高槻地場農産・別院丹波会・アグロス胡麻郷)を一括表示していた野菜袋を、各地区毎の表示につくりかえて、それぞれの地場野菜が4地区のどこでつくられたものかが、袋で判別できるようにするという提案をしました。
 「まぁ、〇ではないけど△ということで、それで了解します」
 「なんで△なのですか。二重丸ではないのですか」
 「まぁ、やっぱり府県名がないので……」
ということで、なんとかお許しをいただいたというところでした。こういう感覚、私たちにはまったく理解できません。というわけで現在お届けしています地場野菜の袋は、それぞれの在庫が無くなり次第、順次、各地区名が印刷された袋にさしかえていきます。お届けした野菜の生産地が袋で判別できるようになるので、一歩前進したのではと考えています。こうして一連の話し合いはお開きとなったのです。